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荻原健司 インタビュー 4度目のオリンピック

荻原健司 インタビュー
――現在はどのようにトレーニングされているのでしょうか

 まず全体的には、オリンピックの前の年ということで、チーム遠征を重ね、特にフィンランドからのコーチを招いて、ナショナルチームの合宿を積んできました。そのフィンランドのコーチには、特にクロスカントリーの方の指導をしてもらいました。これは技術的な指導だけではなくて、トレーニングメニューの組み立てから指導していただいて、それで春からのトレーニングで、私だけではなくて、チーム全体的にスケーティングテクニックに必要な筋力アップというものをやってきました。コーチの熱意というものも、僕らには非常に感じられて、いよいよオリンピックだな、という気持ちで春からトレーニングできたのが一番大きかったと思います。日本の選手たちは、ジャンプはある程度得意としていますので、今まで弱かったクロスカントリーの方を強化できたと思っています。私自身いよいよ冬を目前にして楽しみですし、とにかく今年1年、充実したトレーニングというものをしてこれたと思います。

――前回、前々回とオリンピックを経験されて、気持ちの上で今回違う部分はありますか?

 まず前回の長野のオリンピックについて、現役選手として地元のオリンピックを経験できるというのは、大変ラッキーなことだったと思うのですが、その分プレッシャーも強かったというのは、終わってみればあったと思います。リレハンメルから長野までの4年間というのは、本当にもう長野のことしか考えていなくて、とにかく長野一つでやってきた4年間で、それが終わった時に自分の仕事と言いますか、地元のオリンピック、メダルへの期待、そういったことでの自分の仕事は済んだと思っているんですよね。それで長野が終わってからの4年間というのは、自分自身、引退しようかどうしようか、という迷いの時間でもありましたし、長野が終わってからの1、2年間は脱力感と共にダラダラと過ごしてしまった。そんなところで今考えると無駄なことをしてしまったな、というのもあるんですが、でもそういう思いがあったからこそ、今はいい意味でふっきれて、よしまたやるぞ、という気持ちがあります。それで今度はまた、自分のための競技、自分のためのオリンピックというのができる気もしますし、正直言いまして、長野のような報道や期待感がないもので、そういう意味では非常に気楽に臨めそうな気がします。

荻原健司 インタビュー
――高橋選手をはじめ若手が伸びていると思うのですが、荻原選手はそのようなチーム状況をどのようにとらえているでしょうか

 今、ナショナルチームはAチームとして5名いるのですが、そのうちの3名、私と富井と森というのが、もう30です。その次と言いますと、小林、高橋の2人なので。その間(の年代)が今まで日本チームには欠けていた。24、25歳の選手がいないのが、そもそも日本の強化のあいまいさですね。いずれにしても、いよいよオリンピック直前ですし、大変なチャンスだと思うんですよね。彼らに今後の日本チームを引っ張っていってもらいたい。私たちもある意味、教育というか、日本チーム、ナショナルチームとして日本の代表として世界で戦うプライドというものを、彼らにしっかり受け継いでいってもらいたい。そしてやっぱり100パーセント集中して戦ってほしい、というのを自分もいっしょに転戦する中で伝えていければな、と思っています。すごく期待してますよ。

――ソルトレークのジャンプ台などの環境についてはどのように感じられますか?

 昨シーズンの冬に1回やっていますし、今年の7月に現地でトレーニング合宿を積んできています。標高が高くて、ややクロスカントリー競技には苦しいという部分はあるんですが、今後はヨーロッパの方で、標高3000メートル近いところでスキーもやってきますし、体の対応というのは競技の前には十分調整していけると思っています。ワールドカップを転戦していても、アメリカの大会というのは少ないです。それでもオリンピックというものはやっぱり独特な雰囲気がありますし、平常心というわけにはいかないかもしれませんが、それに近い形で臨みたいな、と思っています。あのスキー場には好感触を持っています。

――複合だけではなくて、五輪チーム全体の中でも、経験という意味では荻原選手が引っ張っていく立場にいると思うのですが

荻原健司 インタビュー
 そうですね、もう気付いてみれば原田さんや私が32歳ということでやっていますので、僕らが若いころは30過ぎてやっている選手というのは本当におじさんに見えましたしね。若い選手から見れば、おじさん、相当頑張っているな、と思われているかもしれません。原田さんもそうだと思いますけれども、チームのリーダーとしての自覚とか責任感をしっかり持ちたいと思っていますし、やっぱりチームを引っ張っているのはオレだという意識でオリンピックを戦っていきたいな、と思っています。

――チーム内の選手をライバルとして見ているというのはありますか?

 競争というのはもちろんありますし、それがないと強いチームにはなれませんから。ただ、僕はこれまでオリンピックやワールドカップでメダルを取れてきましたら、若い選手が海外ではなくて国内の選手を超えたいと思ってくれたりとか、荻原健司を目標にしてくれたら、やっぱりうれしいですね。私たちに負けないという熱意は伝わってきますから、逆に僕も負けないようにしようと、そういういい相乗効果が起こります。彼らも負けず嫌いですから、そういう意識がいいチームにしていると思います。

――ファンに向けてのメッセージを

 1992年のオリンピックで初めてメダルを取ってから、もう10年、一昔ですよね。そういった時からずっと応援してくださるファンの皆さんもいますし、一方で今日の報道を見て、オリンピックに出る選手たちを応援したいな、と思った方たちもいらっしゃるでしょう。でも、そういった人たちにもやっぱり厳しい目で見てほしい。あの人かっこいいというのもいいですが、やっぱり選手たちも日本を代表して行くわけですから、頑張ってこいよ、という厳しくも、温かい声援があったからこそ、僕も今までやってこれたと思っているんですよ。だからこれからもそういった声援を、時にはだらしなければ言ってもらって構わないですし、そういう厳しい情熱を感じながら、僕らもやらしてもらってますので、これからも応援してほしいと思っています。




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