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総務本部記事

退院した三浦雄一郎さんからのメッセージ
「80歳チョモランマ登頂のスタート」

退院へ向けてリハビリしているころの三浦さん

退院へ向けてリハビリしているころの三浦さん

皆様へ
おかげ様で4月10日、退院が決まりました。
早速、翌々日12日の名古屋での講演会よりリハビリをしながら社会復帰をスタート出来るようになりました。ほぼ2か月前の2月19日、スキー場での思わぬアクシデントによる骨盤骨折、全治3か月の重傷でした。

はじめの10日間は全く寝たきり老人の状態で、寝返りをするのも4人の看護婦さんに持ち上げられ、ヨッコラショと動くたびに火のでるような痛み、くしゃみや咳をしたら腰に針が千本ささったような激痛がはしりました。2週間経って少しずつ痛みもとれはじめましたが、入院後すぐに気がつきました。 “これはエベレスト8000m高所でのキャンプに比べたら天国だ”と。

小さなテントの中でデコボコだらけの岩と氷の上、強烈な寒さに風。「デスゾーン」と呼ばれるまさに明日をも知れない命の危険を感じながらの極寒キャンプに比べると、この入院は 快適な部屋、柔らかいベッド、親切で美人の若い看護婦さんたちに面倒を看てもらっているのです。食事はルームサービス、新聞・ テレビ・CDや好きな本などを楽しみ、居睡りをしたり・・・。

「思ったより元気そうじゃないか」という友人、知人のお見舞いや家内や家族たちの励まし。この入院状態からでも人はいつでも希望は持てるのだということに気がつきました。その希望とは とりあえず寝返りを一人で出来るようになれば、トイレが自分で出来るようになれば、それがどんなに嬉しいことか。そのうち車イスに乗れるようになったら・・・松葉杖で歩けるようになったら・・・と、こうしたささやかなことが入院中の夢であり希望でした。

それぞれが出来るようになったときの喜び、嬉しさ。まだ腰の骨はゴキゴキいいながら、痛みを抱えてもほんの少しずつ、木の芽が伸びていくように回復に向かっていることが感じられました。自力で歩くことがなんてすごいことなのか、それが遥か遠い夢のようであったのが、5週間経ち、骨折のゴリゴリ感も消え松葉杖で少しずつ歩けるようになりました。

毎週のレントゲン、CTスキャン検査の様子を診て先生方が「三浦さんの回復力、骨の付き具合は中・高校生並みですよ」と、おっしゃってくれました。骨密度は同年代と比べて126%、20歳代同様であると。これも担当していただいた井上先生はじめ看護婦さん、リハビリの先生たちのおかげです。

こうやって少しずつ回復して退院を目の当たりにして考えてみると、この10年間以上、毎日のようにエベレストのトレーニングのために、足に錘をつけて背中に20キロのザックを背負って歩き続けたこと、これが全身の骨と筋力を丈夫にしてくれました。さらに心臓の不整脈の手術によって全身の 血流が良くなってくれたこと、食生活の工夫やサプリメント摂取の効果などが、76歳の骨盤骨折という大怪我からの復帰に繋がったのだと思いました。

このことは今後、高齢者の骨折だけでなく様々な障害やアクシデントの回復と社会復帰へのひとつの大きな指針にも成り得ればと願っています。そして私自身にとってこの怪我そのものが、これからの人生の新しいスタートのリセットになり、80歳のチョモランマ登頂への夢の始まりにもなりました。

ご心配いただいた皆様からの激励お言葉、数々のお心遣いありがとうございました。皆様からの励ましが本当に大きな大きな回復の力となりました。
元気な姿で皆様とお会い出来る日を楽しみにしています。

2009年4月吉日
札幌にて 三浦雄一郎

[2009/4/13:総務本部]
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