連載53 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
2002年(平成14年)
第80回全日本スキー選手権大会
ノルディック | :北海道札幌市 | 大倉山ジャンプ競技場/宮の森ジャンプ競技場 |
: | 白旗山クロスカントリー競技場 | |
:北海道音威子府村 | チセネシリクロスカントリーコース | |
フリースタイル | :長野県白馬村 | サンアルピナ白馬さのさかスキー場 |
スノーボード | :青森県鰺ヶ沢町 | 鰺ヶ沢スキー場 |
■アルペン
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 スーパーG① |
工藤 昌巳 (青森県SP振興)1:37.49 |
吉岡 大輔 (チームJWSC)1:38.18 |
星野 秀太 (日大) 1:38.41 |
男子 スーパーG② |
工藤 昌巳 (青森県SP振興)1:34.89 |
吉岡 大輔 (チームJWSC)1:34.99 |
田島あづみ (小賀坂SC)1:35.71 |
女子 スーパーG① |
安部実和子 (道東海大) 1:44.13 |
清澤恵美子 (歌志内高)1:44.17 |
湯本 香織 (中野実業高)1:44.46 |
女子 シーパーG② |
安部実和子 (道東海大) 1:45.64 |
館山 春花 (青森山田高)1:45.78 |
清澤恵美子 (歌志内高) 1:45.85 |
男子 大回転 |
大瀧 徹也(野沢温泉) 1:06.44/1:05.62 2:12.06 |
川口 城二(トーエネック) 1:06.71/1:06.03 2:12.74 |
生田 康宏(東京美装) 1:06.81/1:05.99 2:12.80 |
女子 大回転 |
梅原 玲奈(日大) 1:12.46/1:12.44 2:24.90 |
武田 千夏(富良野緑峰) 1:13.89/1:12.34 2:26.23 |
清澤恵美子(歌志内高) 1:14.97/1:12.55 2:27.52 |
男子 回転 |
平澤 岳(志賀高原) 46.56/50.02 1:36.58 |
生田 康宏(東京美装) 47.00/50.04 1:37.04 |
岡田 利修(トーエネック) 48.13/49.59 1:37.72 |
女子 回転 |
滝下 樹理(日大) 49.26/51.83 1:41.09 |
湯本 浩美(日大) 50.78/52.57 1:43.35 |
梅原 玲奈(日大) 50.63/53.17 1:43.80 |
第80回の記念大会となったが、トップ選手はソルトレイクオリンピック出場のため代表選手は全員欠場、上位の顔ぶれがそっくり変わった。回転女子は、史上初の日本大学が表彰台を独占した。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 皆川賢太郎
女子 廣井法代
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 富井 彦 | 雪印スキー部 | 212.0(1) | 40:54.7(3) |
2 | 正木 栄二 | 近畿大学 | 181.5(8) | 40:14.6(1) |
3 | 萩原 貴則 | トーエネック | 177.0(12) | 40:28.9(2) |
ソルトレイクオリンピックに出場した富井彦が出場、ジャンプで大きなリードを奪い、クロスカントリーでも3位の好タイムで2位になんと1分52秒9という大差で格の違いを見せつけた。5位には当時高校生だった加藤大平が入り、社会人、大学生が大勢を占める中でその健闘ぶりは光っていた。ジャンプは富井と同ポイント1位だった。
当時のジャパンチームAランク選手
高橋大斗・富井 彦・森 敏
■クロスカントリー
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 10km C |
蛯沢 大輔 (陸自冬戦教)29:15.3 |
大山 勝広 (東京美装) 29:25.2 |
金丸 富男 (同和鉱業) 29:31.4 |
男子 複合 |
金丸 富男 (同和鉱業)1:08:45.7 |
大山 勝広 (東京美装)1:08:54.6 |
蛯沢 大輔 (陸自冬戦教)1:09:03.3 |
男子 スプリント |
恩田 祐一 (近大) |
畔上 大地 (NTT長野) |
溝渕 勇司 (日大) |
男子 30km F |
溝渕 勇司 (日大) 1:16:15.6 |
斉藤 亮 (陸自冬戦教)1:17:33.2 |
島田 武彦 (東京美装)1:17:33.2 |
男子 50km C |
恩田 祐一(近大) 2:22:23.4 |
渡邊剣之助(陸自冬戦教) 2:26:58.5 |
溝渕 勇司(日大) 2:29:19.1 |
男子 リレー |
陸自冬戦教A 1:55:58.6 |
陸自冬戦教B 1:57:54.5 |
JR北海道 1:58:42.9 |
女子 5km C |
曽根田千鶴 (陸自冬戦教)17:47.0 |
石田 正子 (日大) 17:57.9 |
越田 夕香 (陸自冬戦教)18:03.1 |
女子 複合 |
曽根田千鶴 (陸自冬戦教)47:44.8 |
石田 正子 (日大) 48:07.9 |
大日方純恵 (専大) 48:08.4 |
女子 スプリント |
横山寿美子 (セコム上信越) |
青木富美子 (真室川レーシング) |
横山久美子 (セコム上信越) |
女子 15km F |
横山寿美子 (セコム上信越)44:38.2 |
後藤 鹿子 (福田組) 45:33.8 |
古澤 緑 (弘果SRC)45:49.5 |
女子 30km C |
横山寿美子 (セコム上信越)1:38:30.5 |
越田 夕香 (陸自冬戦教)1:38:47.3 |
曽根田千鶴 (陸自冬戦教) 1:39:15.2 |
女子 リレー |
陸自冬戦教 1:04:46.9 |
日本大学 1:06:45.8 |
旭川大学高校 1:10:41.5 |
ほとんどのオリンピック代表選手が出場(一部五輪後ワールドカップ転戦で欠場)して行われたが、女子はその五輪代表が若手選手の進出を阻み、力の違いを見せた。とくに曽根田千鶴と横山寿美子は2人で個人全タイトルを獲得した。男子は、現在、スプリントのスペシャリストである恩田祐一が、スプリントを制したのはもちろん、最も距離の長い50kmクラシカルも制し、オールラウンダーとしての能力を発揮していた。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 今井博幸
■ジャンプ
順位 | ラージヒル | 順位 | ノーマルヒル |
---|---|---|---|
1 | 岡部 孝信(雪印スキー部) 131.0m/126.0m 263.1 |
1 | 岡部 孝信(雪印スキー部) 91.0m/95.0m 244.5 |
2 | 吉岡 和也(デサント) 135.5m/121.5m 258.6 |
2 | 斉藤 浩哉(雪印スキー部) 90.5m/93.5m 240.5 |
3 | 柴田 康宏(東京美装) 121.0m/115.5m 223.2 |
3 | 上野 真吾(NTT東日本北海道) 86.0m/93.0m 228.0 |
■女子(ノーマルヒル)
1 | 山田いずみ(北海道浅井学園大職) 82.0m/86.5m 202.5 |
2 | 渡瀬あゆみ(札幌日大高) 82.0m/81.0m 190.0 |
3 | 金井理恵子(大東文化大) 62.0m/70.5m 115.5 |
女子ジャンプの機運の高まりを受けて、全日本スキー選手権大会に採用された記念すべき大会。たった1人で世界と戦ってきた第一人者、山田いずみがその記念すべき第1回大会のチャンピオンとなった。
当時のジャパンチームAランク選手
葛西紀明・船木和喜・宮平秀治・山田大起・原田雅彦
第22回全日本フリースタイル選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
モーグル | 1 | 附田 雄剛(チームリステル) | 27.94 | 1 | 上村 愛子(北野建設) | 27.75 |
2 | 中元 勝也(NISEKO) | 26.44 | 2 | 畑中みゆき(佐川急便) | 25.78 | |
3 | 岡崎 将弥(北照高) | 26.04 | 3 | 坂下 美香(福井MSC) | 24.43 | |
デュアルモーグル | 1 | 中元 勝也(NISEKO) | 1 | 畑中みゆき(佐川急便) | ||
2 | 益川 雄 (飯山南高 | 2 | 坂下 美香(福井MSC) | |||
3 | 附田 雄剛(チームリステル) | 3 | 新井まゆみ(小谷村体協) | |||
エアリアル | 1 | 中西 拓 (白馬村SC) | 167.33 | 1 | 待井 陽子(チームリステル) | 134.43 |
2 | 桑原 豪 (フォーウイング) | 154.21 | 2 | 千田 直美(白馬村SC) | 119.28 | |
3 | 岡原 功祐(早大) | 125.97 | 3 | 金子 愛 (エクステック東松山) | 47.45 |
アクロがこの大会から姿を消した。モーグルで優勝した上村愛子は、デユアルモーグルでは準々決勝で転倒し、ファイナル進出はならなかった。畑中みゆきは全日本3勝目をマークした。
当時のジャパンチームAランク選手
男子モーグル 附田雄剛
女子モーグル 里谷多英・上村愛子
第8回全日本スノーボード選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
GSL | 1 | PRICE Ian (USA) | 2:03.10 | 1 | 飯田 蘭 (ホクトスポーツ) | 2:14.35 |
2 | 鶴岡剣太郎(ゴールドウイン) | 2:05.69 | 2 | 長谷川美穂(野辺山) | 2:14.70 | |
3 | FAIRCHILD B(USA) | 2:06.16 | 3 | 竹内 智香(小嶋アカデミ) | 2:15.91 | |
HP | 1 | 成田 童夢(ムラサキSC) | 36.9 | 1 | 山岡 聡子(アネックスSBC) | 30.8 |
2 | 臼井 真実 | 31.5 | 2 | 森 奈賀子(クロスアスリート) | 28.3 | |
3 | 治部 良太(旭川龍谷高) | 31.0 | 3 | 森 政子 | 279 | |
SBX | 1 | CHARLES Briant(FRA) | 1 | 三井 香織 | ||
2 | 後藤 友樹(秋田SBC) | 2 | 吉川 由里(ユーピースポーツ) | |||
3 | 飯田 圭 (ホクトスポーツ) | 3 | 村上 真世 |
冬季アジア大会を翌年に控え、プレ大会となった今大会には、はじめて外国人選手(男子)が出場した。アメリカ、フランス、韓国から参加、大回転とスノーボードクロスを圧倒的な力で制し、世界的なレベルの高さを伺わせた。女子ハーフパイプの第一人者、吉川由里は予選1本目で敗退するという失敗を冒し、スノーボードクロスにも挑戦したが三井香織の前に敗れ去った。
当時のジャパンチームAランク選手
男子ハーフパイプ 中井孝治
SALT LAKE 2002
OLYMPIC WINTER GAMES
ノルディック
開催国:アメリカ(USA)
開催地:ソルトレイクシティー(Salt Lake City)
■ジャンプ
NH | 9/船木 和喜 92.0m/94.5m 243.0 |
20/原田 雅彦 91.0m/89.5m 232.0 |
33/山田 大起 88.0m 109.5 |
49/葛西 紀明 85.0m 83.0 |
|
---|---|---|---|---|---|
LH | 7/船木 和喜 126.5m/121.0m 245.5 |
20/原田 雅彦 119.5m/116.5m 222.8 |
24/宮平 秀治 117.0m/116.0m 215.4 |
41/葛西 紀明 110.0m 97.5 |
|
団体 | 5/原田・山田・宮平・船木 926.0 |
■ノルディックコンバインド
個人 | 11/荻原 健司 +2:33.9 |
12/高橋 大斗 +2:49.5 |
30/森 敏 +5:28.9 |
33/富井 彦 +6:03.7 |
---|---|---|---|---|
スプリント | 6/高橋 大斗 +57.8 |
17/小林 範仁 +1:24.5 |
22/森 敏 +1:44.9 |
33/荻原 健司 +1:59.0 |
団体 | 8/荻原・富井彦・森・高橋 +3:44.3 |
■クロスカントリー
15kmC | 19/神津 正昭 39:28.3 |
36/今井 博幸 40:27.1 |
38/工藤 博 40:29.9 |
50/蛯沢 克仁 41:51.4 |
---|---|---|---|---|
CC複合 | 25/神津 正昭 51:12.6 |
34/堀米 光男 51:37.5 |
35/今井 博幸 51:39.8 |
52/蛯沢 克仁 53:21.3 |
30kmFMass | 28/今井 博幸 1:14:56.6 |
31/神津 正昭 1:15:32.4 |
43/蛯沢 克仁 1:17:18.3 |
50/堀米 光男 1:18:06.3 |
スプリント | 38/畔上 大地 | 47/神津 正昭 | ||
50kmC | 6/今井 博幸 2:09:41.3 |
28/神津 正昭 2:17:51.9 |
39/蛯沢 克仁 2:21:05.3 |
42/工藤 博 2:23:02.3 |
リレー | 12/神津・今井・堀米・蛯沢 1:37:50.5 | |||
15kmFMass | 23/横山寿美子 42:16.2 |
28/後藤 鹿子 42:50.4 |
43/古澤 緑 44:41.8 |
福田 修子 棄権 |
10kmC | 33/横山寿美子 30:32.3 |
34/後藤 鹿子 30:36.6 |
49/夏見 円 31:54.1 |
50/大高 友美 32:27.9 |
CC複合 | 29/横山寿美子 26:23.3 |
40/後藤 鹿子 26:35.6 |
||
30kmC | 22/横山寿美子 1:39:48.8 |
26/夏見 円 1:41:06.0 |
36/古澤 緑 1:45:50.0 |
43/大高 友美 1:50:00.3 |
スプリント | 12/夏見 円 | 39/福田 修子 | 47/大高 友美 | |
リレー | 欠場 |
今井博幸が、個人種目(50km)で日本初の6位入賞を果たした。クロスカントリーは98年長野オリンピックで男子リレーが7位に初入賞、そして2大会連続入賞を果たした。そして女子のスプリントに出場した夏見円も12位と健闘し、チーム全体が男女とも世界へ向けて上昇中。
アルペン
男子滑降 | 42/滝下 靖之 | ||
---|---|---|---|
男子スーパーG | 滝下 靖之 | 棄権 | |
男子回転 | 18/木村 公宣 1:48.43 |
佐々木 明 棄権 |
皆川賢太郎 棄権 |
男子大回転 | 34/佐々木 明 2:30.58 |
37/木村 公宣 2:31.86 |
|
男子複合 | 欠場 | ||
女子滑降 | 欠場 | ||
女子スーパーG | 欠場 | ||
女子回転 | 14/廣井 法代 1:51.98 |
16/柏木久美子 1:52.41 |
|
女子大回転 | 29/廣井 法代 2:37.97 |
35/柏木久美子 2:39.55 |
|
女子複合 | 欠場 |
失敗が目立つ男子だが、女子は回転で廣井法代が14位、柏木久美子が16位と健闘した。技術系では、1972年の札幌オリンピックで13位に入った岡崎恵美子に告ぐ好成績となった。長年、スラロームのスペシャリストとして活躍、ワールドカップでは3位と表彰台にたったこともある木村公宣が、シーズン後半、志賀高原・焼額山で行われたワールドカップをラストランの場に選び、大観衆の前で別れを告げた。
2本目進出を果たせなかった木村は、2本目のフォーランナー1番手で滑り、ゆっくりゆっくり左右のフェンスぎりぎりを滑ってファンに別れを告げ、フィニッシュライン手前でスキーを脱いだ。木村はコースを見上げた後、おもむろに膝まづき、レーシングピステにお別れのキスをした。ゴールエリアのファンの間からすすりなく声が洩れた。
フリースタイル
男子エアリアル | 20/中西 拓 162.89 |
|||
---|---|---|---|---|
男子モーグル | 16/附田 雄剛 15.81 |
20/下山 研朗 23.39 |
26/中元 勝也 18.42 |
30/野田 鉄平 0.30 |
女子エアリアル | 逸見 佳代 棄権 |
|||
女子モーグル | 3/里谷 多英 24.85 |
6/上村 愛子 24.66 |
20/畑中みゆき 21.36 |
里谷多英が、女子初の2大会連続メダル獲得の快挙を達成した。この銅メダルが、日本チーム唯一のメダルでもあった。