2008/11/13

連載17 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

1964年(昭和39年)
第42回全日本スキー選手権大会

会場 :新潟県湯沢町・苗場国際スキー場(アルペン)
会場 :青森県大鰐町(ノルディック)

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 笠谷幸生 明大 242.5
60m 菊地定夫 雪印乳業 226.75
ノルディックコンバインド 大坊保雄 早大 480.54
クロスカントリー 50km 佐藤常貴雄 北方自衛隊 3:30.07
30km 藤崎 進 国鉄北海道 2:04.42
15km 佐藤常貴雄 北方自衛隊 58.18
女子10km 高橋弘子 湯沢クラブ 45.58
リレー(男子) 国鉄北海道 2:34.28
リレー(女子) 風間スキークラブ 1:08.54
アルペン 滑降(男子) F・ボンリュー フランス 1:57.45
滑降(女子) 大杖美保子 米子西高 1:57.51
回転(男子) 富井 一 ヤマハスキー 2:10.94
回転(女子) 細井ミヤ子 東洋木材 1:43.9
大回転(男子) 大杖正彦 米子工高 2:45.50
大回転(女子) 大杖美保子 米子西高 2:12.11

アルペンに終わったばかりのオリンピック(インスブルック)の大回転で金メダルを獲得したフランスのフランソワ・ボンリューが出場して話題を集めた。ボンリューは、3月11日、苗場のダウンヒルコースで行われた滑降で、2位の大平義博(東洋木材)に2秒55の大差をつけて優勝した。しかし、大回転では、高校生、大杖正彦(米子工高)に破れて3位に終わった。
 
そのアルペンで、大杖正彦、美保子の姉弟が同一大会で優勝するというめずらしい記録が生まれ、それもともに高校生というおまけつきだった。

インスブルック五輪・大回転のゴールドメダリスト、フランソワ・ボンリューが全日本に出場し、滑降では圧倒的な強さで優勝した(スキー年鑑第32号)

インスブルック五輪・大回転のゴールドメダリスト、フランソワ・ボンリューが全日本に出場し、滑降では圧倒的な強さで優勝した(スキー年鑑第32号)

第9回冬季オリンピック
インスブルック(オーストリア)/開催期間:1月29日~2月9日

 

代表選手 参加競技と成績
ジャンプ 複合 距離
笠谷 幸生 70m 23 200.60
90m 11 206.70
菊地 定夫 70m 26 198.50
90m 47 174.80
江遠要甫 70m 27 198.40
90m 44 177.80
志村直紀 70m 40 190.90
90m 37 184.50
藤沢 隆 20 375.22
田中 英一 30 337.50
谷口 明見 31 291.51
北村 辰夫 15km 26 55:24.3
30km 51 1:46:13.4
リレー 10 2:32:05.527
佐藤 和男 15km 35 56:04.5
30km 41 1:42:39.2
50km 27 3:03:57.9
リレー 10 2:32:05.5
高橋 秀蔵 15km 42 57:04.4
30km 47 1:43:11.2
50km 35 3:14:31.4
リレー 10 2:32:05.5
八幡長五郎 15km 58 1:00:46.1
30km 62 1:51:45.3
50km 28 3:29:34.0
50km 棄権
佐藤常貴雄 リレー 10 2:36:45.3

オリンピック初登場、ジャンプの笠谷幸生が、90m級で11位と十分世界で通用することを証明した。
 

■アルペン

 

選手名 滑降 回転 大回転
富井 一 33
2:30.02 31 1:45.09 22 1:56.65
福原吉春 45 2:35.55 23 1:40.71 25 1:58.35
野戸 恒男 46 2:34.76 35 2:01.26
大平 義博 57 2:40.82 38 1:57.87
気田 義也 34 1:49.11 38 2:04.22

5選手が出場したが、世界の厚い壁は突破できなかった。富井、福原両選手は滑降、回転、大回転の3種目にトライした。

スキー年鑑の表紙になったインスブルック五輪のジャンプ会場(スキー年鑑第32号)

スキー年鑑の表紙になったインスブルック五輪のジャンプ会場(スキー年鑑第32号)

1965年(昭和40年)
第43回全日本スキー選手権大会

会場 :新潟県湯沢町・苗場国際スキー場(アルペン)
会場 :長野県白馬村・八方尾根(大回転)
会場 :北海道札幌市・真駒内/大倉山(ノルディック)
競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 藤沢 隆 早大 250.0
60m 藤沢 隆 早大 222.9
ノルディックコンバインド 谷口 明見 国鉄北海道 494.58
クロスカントリー 50km 佐藤 和男 東洋高圧 3:15.19
30km 佐藤 和男 東洋高圧 2:02.05
15km 佐藤 和男 東洋高圧 57.11
女子10km 高橋 弘子 湯沢クラブ 46.22
女子5km 横山 光子 風間クラブ 25.15
リレー(男子) 日本大学 2:36.06
リレー(女子) 湯沢クラブ 1:17.33
アルペン 滑降(男子) 野戸 恒男 芝工大 1:49.83
滑降(女子) 猪谷 素子 高体連 2:01.18
回転(男子) 気田 義也 早大 2:12.90
回転(女子) 猪谷 素子 高体連 2:00.27
大回転(男子) 野戸 恒男 芝工大 1:21.2
大回転(女子) 猪谷 素子 高体連 1:32.4

クロスカントリーに出場した佐藤和男は、全日本スキー選手権大会初の距離3冠を達成した。佐藤は、この活躍が認められて日本スポーツ賞スキー部門優秀選手に選ばれた。アルペン女子の猪谷素子も3冠王となった。

 

クロスカントリーの佐藤和男は、全日本スキー選手権大会史上初のクロスカントリー3冠王となった(スキー年鑑第33号)

クロスカントリーの佐藤和男は、全日本スキー選手権大会史上初のクロスカントリー3冠王となった(スキー年鑑第33号)

野戸恒男は滑降、大回転の2種目を制し、インカレでも優勝するなどこのシーズン大活躍だった(スキー年鑑第33号)

野戸恒男は滑降、大回転の2種目を制し、インカレでも優勝するなどこのシーズン大活躍だった(スキー年鑑第33号)