【お知らせ 競技本部】2024/2025シーズン 国内におけるフッ素ワックス検査実施について

平素より、本連盟の事業運営にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。

さて、標記のことについて、本連盟では、2024/2025シーズンより、国内で開催されるFIS公認大会およびSAJ公認大会においてフッ素ワックス検査を実施することになりました。

つきましては、下記のとおり経緯と今後の実施方法等をまとめましたのでご確認のほどお願い申し上げます。

実施の背景
 近年、環境への負荷やアスリートおよび関係者の健康への影響が懸念されるフッ素ワックスの使用に関する問題が国際的に注目されており、国際スキー&スノーボード連盟(FIS)では、すでにフッ素系ワックスの使用を禁止し、2023/2024シーズンよりフッ素ワックス検査を実施しております。
 このような状況を踏まえ、全日本スキー連盟としましても、スキー&スノーボード競技関係者の健康面と環境への配慮を両立させるため、2024/2025シーズンより、国内におけるフッ素ワックスの使用禁止を推進するため検査を実施する次第です。
検査対象大会
 フッ素ワックス検査は、以下公認大会のすべての種別・種目を対象に行われる予定です。テストを実施する競技会はランダム(無作為)に抽出され、テスト数や競技会名、テスト会場に関する特定の情報をSAJは公表いたしません。

  • FIS公認大会
  • SAJ公認大会
検査方法
検査方法については、FISのガイドラインに準拠し、FIS公認コントローラー資格を有するスタッフを公認大会に派遣し、フッ素ワックス検査を実施いたします。検査対象となるのは、競技で使用されるスキーおよびスノーボードの滑走面になります。

違反した場合の措置
検査の結果、フッ素系ワックスの使用が確認された場合は、ICRに基づき処分を行います。
選手・関係者の皆様へ
  • クリーニングについて: これまで使用したスキーおよびスノーボード、ワクシング用具、ワックスボックス、スキー&スノーボードバッグ等にはフッ素ワックスが付着している場合があります。クリーニングの方法については、FISが公表しているクリーニングガイドラインをご参照ください。
  • ワックス選定について: 環境に配慮したフッ素フリーワックス(FFワックス)をご使用ください。
  • 検査への協力: 検査へのご理解とご協力をお願いいたします。
参考
フッ素ワックスクリーニング方法(FIS HPより抜粋)
https://www.fis-ski.com/para-cross-country/documents#Fluor%20Wax%20Information
CleaningmethodsGuidelines(英文)
https://assets.fis-ski.com/f/252177/x/cb251c6839/cleaningmethodsguidelines.pdf
別紙
フッ素ワックスのクリーニング方法 ガイドライン(参考和訳)
※下記ご参照ください

以上


別紙

フッ素ワックスのクリーニング方法 ガイドライン(参考和訳)

※英語版との相違がある場合は、英語版を優先する。

ワクシング用具:
ワクシング用具を掃除する際に最も重要なのは、すべてのホコリを取り除くことです。そのため、高圧エアーや掃除機で用具を丁寧に掃除します。ブラシに関しては、ワックスクリーナーにブラシを浸した後、高圧エアブローを行い、乾いたら掃除機で吸い取るようにしてください。
柔らかいブラシ、ロト・ウール、ロト・フリース(パウダーや液体に使用)は洗浄が難しいことから、交換するのがベストです。
スクレーパーはワックスリムーバーできれいにしましょう。
ワックステーブルとスキープロファイル、スキーバイスもきれいにします。
アイロンはフッ素フリー(FF)ホットワックスでクリーニングし、きれいなペーパーで拭き取ります。

スキー:
フッ素からベースをきれいにする方法としての再研磨(ストーンフィニッシュ)は、今のところフッ素を完全に除去する方法として結論が出ていません。そのため、再研磨後もFFワックスでベース(滑走面)を数回ホットワクシングすることをお勧めします。
まず、液体ワックスリムーバーでスキーを最低2回クリーニングします。その間にブラッシング(メタルブラシ)をし、乾燥させます。フッ素ワックス用ワックスリムーバーにはフッ素が含まれている場合がありますので、普通の液体ワックスリムーバーをご使用ください。
次に、ホットワックスで最低2回スキーをクリーニングし、それを削り取ります。フッ素フリーワックスと清潔な道具(スクレーパー、ブラシ等)を使うことに注意してください。ベースとなるワックスは、自分が使いやすいものを選ぶこと(柔らかいワックスと硬いワックスのミックスが良いようです)。
使用するワックスがフッ素フリーであることを確認してください。
雪上トレーニングに行く際は、FFワックスでワクシングをするだけでなく、クリーニングをしたすべてのスキーで一度滑ってください。

スキーバッグ:
スキーバッグは、ブロワーや掃除機で丁寧に掃除してください。

ワックスボックス:
ワックスボックスとボックス内にあるすべての引き出しをブロワーや掃除機、ワックスリムーバーで丁寧に掃除してください。

作業着(エプロン、グローブ、キャップなど):
フッ素フリー製品を使用する前に、作業着やエプロンを洗濯してください。衣服やエプロンにフッ素が付着している場合、スキーからフッ素が検出される可能性があります(コンタミネーション)。

ワックス:
使用するワックスがフッ素フリーであることを確認してください。フッ素の含有量に確信がない限り、「公式な 」ワックスに独自の外部添加剤を混ぜないでください。このプロジェクトの経験から、多くの製品、特に洗浄剤や潤滑剤には禁止されているフッ素系添加剤が含まれていることがわかっています。

シーズンに向けてワクシング用具を準備する際、思慮深いアプローチと様々なクリーニングの手順をよく理解することが必要です。まず、大きな部品(ワックスキャビン、テーブルなど)のクリーニングから始め、次に細部のクリーニングに移るのが良い手順になります。そうしないと、途中でフッ素が混入するリスクが大きくなり、フッ素を完全に除去するためには、手順やステップを何度もやり直さなければならなくなります。


Report SAJ公認大会で国内における初めてのフッ素ワックス検査が行われました

2024年12月14日(土)・15日(日)、北海道で開催されたSAJ公認大会で国内における初めてのフッ素ワックス検査が行われました。

フッ素ワックス検査を実施した大会は以下2つのSAJ公認大会です。

  • 2024年12月14日(土)第55回名寄ピヤシリジャンプ大会兼第62回北海道新聞社杯ジャンプ大会
  • 2024年12月15日(日)第36回白滝北大雪クロスカントリースキー大会

今回の公認大会のフッ素ワックス検査において陽性判定はゼロ。
各チームの協力があり、非常にクリーンで環境にやさしい大会となりました。

2024年12月14日(土)
第55回名寄ピヤシリジャンプ大会兼第62回北海道新聞社杯ジャンプ大会

2024年12月15日(日)
第36回白滝北大雪クロスカントリースキー大会



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