連載57 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
2006年(平成18年)
第84回全日本スキー選手権大会
アルペン | :長野県白馬村 | 八方尾根スキー場(スピード系) |
:長野県山ノ内 | 志賀高原西館山スキー場(技術系) | |
ノルディック | :北海道札幌市 | 大倉山ジャンプ競技場/宮の森ジャンプ競技場 |
:北海道札幌市 | 白旗山クロスカントリー競技場(CC) | |
:北海道音威子府村 | チセネシリクロスカントリーコース | |
フリースタイル | :福島県猪苗代町 | リステルスキーファンタジア |
スノーボード | :北海道津別町 | 津別スノーパーク |
■アルペン
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子
スーパーG |
本田 浩樹
(サンミリオン福岡)1:18.08 |
荒井 拓磨
(中大) 1:18.62 |
片桐 健策
(野沢温泉SC)1:19.05 |
女子
スーパーG |
西下 賀恵
(すぽるてぃーぼ)1:20.61 |
武田 友希
(北海道東海大)1:20.83 |
安田かずみ
(専大) 1:21.19 |
男子
大回転 |
安食 真治(陸東レーシ)
54.42/54.58 1:49.00 |
佐藤 翔(日大)
54.95/54.44 1:49.39 |
岡田 利修(天山リゾート)
54.96/54.77 1:49.73 |
女子
大回転 |
武田 千夏(道東海大)
59.55/1:02.16 2:01.71 |
関塚 真美(チームJWSC)
59.88/1:01.97 2:01.85 |
星 瑞枝(日体大)
59.87/1:02.18 2:02.05 |
男子
回転 |
湯淺 直樹(道東海大)
53.96/54.14 1:48.10 |
岡田 利修(天山リゾート)
55.03/54.73 1:49.76 |
K・アルブレヒト(AUT)
54.52/55.31 1:49.83 |
女子
回転 |
関塚 真美(チームJWSC)
54.53/55.39 1:49.92 |
武田 千夏(道東海大)
56.94/56.35 1:53.29 |
服部 七穂(専大)
56.98/57.27 1:54.25 |
当時、ワールドカップの第2シードにランキングされていたオーストリアのキリアン・アルブレヒトが参戦したが、湯淺直樹がキリアンを1~2本目とも抑えて完勝、全日本選手権2勝目を飾った。男子スーパーGで初の全日本選手面の表彰台に立った片桐健策は、選手時代ダウンヒラーとしてウェンゲンで13位と当時(1980年)としては大変な記録を残し、現在、アルペン部長に就任している片桐幹雄の長男である。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 佐々木明・皆川賢太郎
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 加藤 大平 | サッポロノルディックSC | 230.5(1) | 46:15.6(10) |
2 | 田中 耕介 | 新治スキークラブ | 220.0(2) | 46:38.6(14) |
3 | 佐々木 裕 | 北海道東海大 | 166.5(16) | 44:19.3(1) |
ジャンプではスペシャルジャンパーとしても通用するといわれていた加藤大平が、期待どおり圧倒的な強さで制し、苦手なクロスカントリーでも粘って初優勝を遂げた。
当時のジャパンチームAランク選手
高橋大斗・北村 隆
■クロスカントリー
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子
パシュート |
山岸 修
(アインズSC)1:20:37.4 |
金丸 富男
(同和鉱業)1:20:54.3 |
青木 正和
(陸自冬戦教)1:20:54.9 |
男子
スプリント |
本田 尚平
(陸自冬戦教) |
山岸 修
(アインズスキークラブ) |
山室 忠
(飯山市スキークラブ) |
男子
チームスプリント |
陸自冬戦教A
高口・本田 15:16.6 |
飯山市スキークラブ
服部・山室 15:17.4 |
陸自冬戦教D
横浜・木田 15:18.6 |
男子
15km C |
大山 勝広
(サッポロスキッド)41:10.6 |
青木 正和
(陸自冬戦教)41:26.7 |
駒村 俊介
(ワセダクラブ) 41:51.9 |
男子
50km F |
成瀬 野生
(早大) 1:48:34.8 |
山岸 修
(アインズSC) 1:51:34.3 |
山本 直人
(陸自冬戦教)1:51:50.8 |
男子
リレー |
陸自冬戦教A
1:45:16.7 |
陸自冬戦教B
1:45:17.4 |
早稲田大学
1:46:49.2 |
女子
パシュート |
丸山 未紀
(飯山南高)49:07.7 |
小林 由貴
(十日町高)49:22.4 |
矢口小百合
(北村山高) 49:43.0 |
女子
スプリント |
矢口小百合
(北村山高) |
大類 美咲
(早稲田大学) |
関谷 有希
(日大) |
女子
チームスプリント |
十日町高校A
滝澤・小林 16:01.6 |
早稲田大学A
畔上・大類 16:02.6 |
北村山高校
矢口・齋藤 16:03.1 |
女子
10km C |
横山寿美子
(セコム上信越)29:35.8 |
石田 正子
(JR北海道)29:45.0 |
夏見 円
(JR北海道) 30:01.4 |
女子
30km F |
横山寿美子
(セコム上信越)1:14:50.2 |
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)1:16:01.6 |
丸山 智恵
(日大) 1:17:27.0 |
女子
リレー |
陸自冬戦教
44:55.8 |
日本大学
45:13.3 |
十日町高校
45:53.1 |
女子パシュートで、史上初の高校生によるワンツースリーが記録された。とくの橋本小百合は、トップ選手不在とはいえ優勝し、パシュート3位、チームスプリントでも北村山高校を初の表彰台へ導いた。
当時のジャパンチームAランク選手
女子 夏見 円
■ジャンプ
順位 | ラージヒル | 順位 | ノーマルヒル |
---|---|---|---|
1 | 吉岡 和也(土屋ホーム)
128.0m/131.0m 266.7 |
1 | 宮平 秀治(ミズノ)
91.5m/93.0m 235.0 |
2 | 宮平 秀治(ミズノ)
128.5m/130.5m 265.7 |
2 | 渡瀬 雄太(雪印スキー部)
83.5m/98.5m 225.5 |
3 | 坂野 幸夫(雪印スキー部)
121.0m/132.0m 256.4 |
3 | 坂野 幸夫(雪印スキー部)
88.5m/89.5m 224.5 |
■女子(ノーマルヒル)
1 | 山田いずみ(ロイズ)
95.0m/87.5m 230.0 |
2 | 葛西 賀子(日本空調サービス)
93.5m/84.5m 222.5 |
3 | 嘉部恵梨奈(青山学院大)
82.5m/77.5m 183.5 |
ノーマルヒルで渡瀬雄太が98.5mと100mに迫る大ジャンプで追い上げたが、1本目の差があまりにも多く優勝を逃した。ラージヒルは吉岡和也と宮平秀治の一騎打ちとなったが、2本目に吉岡がわずかに上回り、1ポイントの僅差で逆転した。
当時のジャパンチームAランク選手
伊東大貴・葛西紀明・船木和喜・宮平秀治
第26回全日本フリースタイル選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
モーグル | 1 | 上野 修 (チームリステル) | 24.61 | 1 | 上村 愛子(北野建設) | 26.48 |
2 | 附田 雄剛(チームリステル) | 23.08 | 2 | 伊藤 みき(近江兄弟社高) | 22.64 | |
3 | 遠藤 夏樹(チームリステル) | 22.26 | 3 | 伊藤あづさ(中京大) | 19.48 | |
デュアルモーグル | 1 | 楠 真豪 (富山FSC) | 1 | 伊藤あづさ(中京大) | ||
2 | 尾崎 快 (青稜高) | 2 | 松本 綾子(浦和アミィ) | |||
3 | 新田健太郎(富山FSC) | 3 | 福田 咲 (ブラックダイヤモンド) | |||
エアリアル | 1 | 水野 剣 (ノースランドSC) | 172.60 | 1 | 逸見 佳代(スキーチームセロ) | 167.01 |
2 | 西川 史朗(スカーゼFSST) | 168.05 | ||||
3 | 倉田孝太郎(チームリステル) | 150.18 |
デュアルモーグルは、悪天候のためファイナルが中止となり予選の成績でオフィシャルリザルツとなった。伊藤あづさは全日本選手権初優勝。
当時のジャパンチームAランク選手
男子モーグル 上野 修
女子モーグル 上村愛子
第12回全日本スノーボード選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
PGS | 1 | 野藤 優貴(小嶋アカデミー) | 1 | 竹内 智香(小嶋アカデミー) | ||
2 | 川口 晃平(是吉興業) | 2 | 橋本小百合(クルーズ) | |||
3 | 服部 冬樹(小嶋アカデミー) | 3 | Shin da hae(KOR) | |||
HP | 1 | 村上 史行(クルーズ) | 42.2 | 1 | 中島 志保(チームヨネックス) | 30.7 |
2 | 梅木 基英 | 36.1 | 2 | 岡田 良菜(フッド) | 29.3 | |
3 | 齋藤 隆太 | 33.9 | 3 | 伏見知何子(UPスポーツ) | 28.9 | |
SBX | 1 | 髙橋 翔 (中仙町SC) | 1 | 土井奈津子(クルーズ) | ||
2 | 井上 貴弘 | 2 | 橋本小百合(クルーズ) | |||
3 | 荒井 崇紀(岐阜) | 3 | 桑島 瑠美 |
橋本小百合は、種目の異なるPGSとSBX2種目で表彰台に立つというめずらしい記録を残した。
当時のジャパンチームAランク選手
男子ハーフパイプ 國母和宏・中井孝治・成田夢露
女子ハーフパイプ 今井メロ・山岡聡子
女子アルペン系 竹内智香
第20回冬季オリンピック大会
開催国:イタリア(ITA)
開催地:トリノ(Torino)
■ジャンプ
選手名 | ノーマルヒル | ラージヒル | 団体 |
---|---|---|---|
伊東 大貴 | 18位/243.5 | 42位/82.5 | 6位/893.1 |
葛西 紀明 | 20位/241.0 | 12位/227.3 | 6位/893.1 |
岡部 孝信 | 23位/229.5 | 8位/236.8 | 6位/893.1 |
原田 雅彦 | 失格 | ||
一戸 剛 | 25位/202.4 | 6位/893.1 | |
伊藤謙司郎 | 出場機会なし |
■ノルディックコンバインド
選手名 | 個人戦 | スプリント | 団体 |
---|---|---|---|
小林 範仁 | 16位/+2:38.5 | 18位/+1:07.0 | 6位/+1:43.4 |
畠山 陽輔 | 32位/+4:45.2 | 22位/+1:14.0 | 6位/+1:43.4 |
北村 隆 | 43位/+7:32.7 | 6位/+1:43.4 | |
高橋 大斗 | 棄権 | 15位/+1:02.4 | 6位/+1:43.4 |
渡部 暁斗 | 19位/+1:08.3 |
■クロスカントリー
選手名 | パシュート | チームスプリント | 15kmC | スプリント | リレー | 50kmC |
---|---|---|---|---|---|---|
蛯沢 克仁 | 42位 | 12位 | 43位 | 不参加 | 49位 | |
成瀬 野生 | 59位 | 42位 | ||||
駒村 俊介 | 43位 | 59位 | ||||
恩田 祐一 | 12位 | 26位 | ||||
選手名 | パシュート | チームスプリント | 10kmC | スプリント | リレー | 30kmC |
横山寿美子 | 30位 | 12位 | 37位 | |||
石田 正子 | 35位 | 31位 | 12位 | |||
曽根田千鶴 | 38位 | 25位 | ||||
夏見 円 | 8位 | 17位 | 12位 | |||
福田 修子 | 8位 | 24位 | 12位 |
アルペン
選手名 | DH | SG | SL | GSL | CB |
---|---|---|---|---|---|
吉岡 大輔 | 不参加 | 不参加 | 24位 | 不参加 | |
佐々木 明 | 棄権 | 棄権 | |||
皆川賢太郎 | 4位 | ||||
湯淺 直樹 | 7位 | ||||
生田 康宏 | 47位 | ||||
廣井 法代 | 29位 | 26位 | |||
星 瑞枝 | 27位 | ||||
関塚 真美 | 38位 |
フリースタイル
選手名 | モーグル | エアリアル |
---|---|---|
上野 修 | 20位/19.54 | |
尾崎 快 | 30位/19.70 | |
附田 雄剛 | 32位/19.13 | |
水野 剣 | 25位/157.67 | |
上村 愛子 | 5位/24.01 | |
里谷 多英 | 15位/22.12 | |
伊藤 みき | 20位/17.78 | |
畑中みゆき | 27位/18.61 | |
逸見 佳代 | 21位/129.40 |
スノーボード
選手名 | ハーフパイプ | スノーボードクロス | パラレルGS |
---|---|---|---|
中井 孝治 | 14位/36.8 | ||
村上 史行 | 22位/31.1 | ||
國母 和宏 | 23位/31.0 | ||
成田 童夢 | 35位/14.7 | ||
千村 格 | 16位 | ||
鶴岡剣太郎 | 28位/1:18.14 | ||
中島 志保 | 9位/33.1 | ||
山岡 聡子 | 10位/32.7 | ||
伏見知何子 | 12位/15.6 | ||
今井 メロ | 34位/1.4 | ||
藤森 由佳 | 7位 | ||
竹内 智香 | 9位/1:21.67 | ||
家根谷依里 | 18位/1:23.21 |
ジャパンチームとしては、1988年以来のメダルなしに終わったが、アルペンは50年振りに入賞を果たした。猪谷千春が1956年、コルティナダンペッツォで開催されたオリンピック(回転)で、日本の冬季史上初となる銀メダルを獲得してちょうど50年。
皆川賢太郎が銅メダルの100分の3秒差で4位、湯淺直樹がコースアウトぎりぎりのトリーキー滑りながら堂々の7位入賞を果たし、50年も入賞できなかったアルペンで2人同時に入賞する快挙を達成した。皆川は、ポールに当たった衝撃で右のブーツのバックルが外れるというアクシデントがあり、当時「バックルが外れていなかったら……」と関係者の間で話題となった。
アルペン唯一のメダリスト、猪谷千春が銀メダルを獲得した時に史上初のアルペン三冠王となったのがオーストリアのトニー・ザイラーだが、そのザイラーは、8月24日、73歳の生涯を閉じた。