連載55 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
2004年(平成16年)
第82回全日本スキー選手権大会
アルペン | :長野県山ノ内町 | 志賀高原西館山スキー場(技術系) |
:長野県白馬村 | 八方尾根スキー場(スピード系) | |
ノルディック | :北海道札幌市 | 大倉山ジャンプ競技場/宮の森ジャンプ競技場 |
白旗山クロスカントリー競技場(CC) | ||
:長野県白馬村 | スノーハーブ(CC) | |
フリースタイル | :北海道札幌市 | ばんけいスキー場(MO/DM) |
コバワールドスキー場(AE) | ||
スノーボード | :群馬県片品村 | 尾瀬戸倉スキー場 |
■アルペン
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子
スーパーG① |
八木橋拓史
(弘果SRC)1:22.31 |
田島あづみ
(小賀坂SC)1:22.51 |
佐藤照友旭
(山形県庁) 1:23.28 |
男子
スーパーG② |
本田 浩樹
(日大) 1:23.32 |
生田 康宏
(東京美装) 1:23.43 |
土井 俊幸
(道東海大)1:23.51 |
女子
スーパーG① |
星 瑞枝
(日体大) 1:23.96 |
関塚 真美
(JWSC) 1:24.38 |
武田 千夏
(道東海大)1:25.56 |
女子
スーパーG② |
武田 千夏
(道東海大)1:26.19 |
星 瑞枝
(日体大) 1:26.25 |
武田 友希
(道東海大)1:27.53 |
男子
大回転 |
吉岡 大輔(アルビレックス)
1:14.85/1:14.86 2:29.71 |
生田 康宏(東京美装)
1:14.76/1:15.48 2:30.24 |
佐藤照友旭(山形県庁)
1:15.91/1:15.84 2:31.75 |
女子
大回転 |
湯本 浩美(天山リゾート)
55.32/53.91 1:49.23 |
奥井 迪(早大)
56.30/53.77 1:50.07 |
星 瑞枝(日体大)
55.79/54.41 1:50.20 |
男子
回転 |
梶 悠亮(日大)
50.00/54.67 1:44.67 |
土井 俊幸(道東海大)
50.25/54.85 1:45.10 |
大瀧 徹也(野沢温泉)
49.81/55.36 1:45.17 |
女子
回転 |
湯本 浩美(天山リゾート)
38.54/45.87 1:24.41 |
星 瑞枝(日体大)
39.70/46.19 1:25.89 |
武田 千夏(道東海大)
39.09/47.82 1:26.91 |
ワールドカップ組の欠場によって、男女ともトップの顔ぶれが大幅に変わっている。その中で女子の湯本浩美は、国内残留組ナンバーワンの実力を発揮してあっさり技術系2種目を制した。指定外選手ながら星瑞枝がスピード系、技術系で大活躍、出場した全種目で表彰台に立った。男子回転2位の土井俊幸は、現在、スキークロスの選手に転向、バンクーバーオリンピックの代表を目指して頑張っている。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 佐々木明
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 高橋 大斗 | 土屋ホームスキー部 | 121.5(1) | 20:01.7(12) |
2 | 北村 隆 | 東京美装 | 115.5(2) | 19:58.3(10) |
3 | 小林 範仁 | 日本大学 | 81.0(20) | 18:41.4(1) |
ジャンプで失敗した新鋭、小林範仁は得意のクロスカントリーで圧倒的な強さを発揮して初の全日本選手権の表彰台に立った。スペシャルジャンパーの中に入っても十分戦える能力を持つ高橋大斗と、これまでにないクロスカントリーに絶対的な自信を持つ小林範仁の2人の個性的な選手がジャパンスキーチームの若きニューリーダーとなった。
当時のジャパンチームAランク選手
高橋大斗・北村 隆
■クロスカントリー
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子
複合 |
今井 博幸
(NTT長野)1:30:19.6 |
斉藤 亮
(陸自冬戦教)1:31:14.8 |
青木 正和
(陸自冬戦教)1:31:49.2 |
男子
スプリント |
恩田 祐一
(アインズSC) |
本田 尚平
(日大) |
神津 正昭
(カラカミ観光) |
男子15km F | 神津 正昭
(カラカミ観光)39:28.6 |
青木 正和
(陸自冬戦教)40:42.2 |
齋藤 慎弥
(陸自冬戦教)40:42.9 |
男子
30kmF |
金丸 富男
(同和鉱業SC)1:30:04.4 |
大山 勝広
(東京美装)1:32:02.8 |
望月 幸男
(高田自衛隊)1:32:18.1 |
男子
50km C |
今井 博幸
(NTT長野)2:34:50.8 |
本田 尚平
(日大) 2:38:30.5 |
青木 正和
(陸自冬戦教)2:38:32.2 |
男子
リレー |
陸自冬戦教A
1:46:54.5 |
高田陸上自衛隊A
1:49:07.9 |
陸自冬戦教B
1:49:09.8 |
女子
複合 |
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)44:23.8 |
石田 正子
(JR北海道)45:12.7 |
福田 修子
(弘果SRC)45:22.1 |
女子
スプリント |
夏見 円
(チチヤスSC) |
福田 修子
(弘果SRC) |
大類 美咲
(早大) |
女子
10km F |
横山寿美子
(セコム上信越)27:27.0 |
曽根田千鶴
(陸自冬戦教) 27:28.3 |
福田 修子
(弘果SRC) 28:21.6 |
女子
15kmF |
福田 修子
(弘果SRC)53:55.4 |
野尻あずさ
(日大) 53:58.4 |
大林 千沙
(弘果SRC)54:31.1 |
女子
30km C |
石田 正子
(JR北海道)1:46:52.5 |
福田 修子
(弘果SRC)1:47:06.8 |
野尻あずさ
(日大) 1:48:11.3 |
女子
リレー |
陸自冬戦教
45:08.8 |
弘果SRC
46:21.9 |
日本大学
47:06.4 |
ダブルパシュートが全日本選手権で初採用された。その記念すべき第1回大会を男子は今井博幸が、女子は曽根田千鶴がそれぞれ制した。女子の福田修子は、15kmフリーで優勝したのをはじめ、リレーを含む6種目すべてで表彰台に立つ活躍を見せた。スプリントは男女とも第一人者である恩田祐一、夏見円が圧倒的な強さで優勝を飾った。
優勝を果たしたのは、そのほとんどがワールドカップ参戦組だったが、ワールドカップ最終戦に出場して帰国早々に出場するという強行スケジュールだったにもかかわらず、みごと期待に応えた。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 恩田祐一
女子 横山寿美子
■ジャンプ
順位 | ラージヒル | 順位 | ノーマルヒル |
---|---|---|---|
1 | 遠藤 悠介(日本体育大)
111.5m/119.0m 203.4 |
1 | 梅崎 慶大(明大)
88.0m/92.0m 230.5 |
2 | 梅崎 慶大(明大)
109.0m/116.5m 199.4 |
2 | 遠藤 晃太(札幌大)
86.5m/90.0m 216.0 |
3 | 石澤 岳 (雪印スキー部)
114.5m/108.5m 193.4 |
2 | 坂野 幸夫(雪印スキー部)
82.5m/93.5m 216.0 |
■女子(ノーマルヒル)
1 | 金井理恵子(大東文化大)
77.5m/74.5m 163.5 |
2 | 嘉部恵梨菜(飯山北高)
60.0m/59.0m 92.0 |
ワールドカップ参戦のトップメンバーが不参加で、若い選手にはチャンス。明治大学の梅崎慶大は、ノーマルヒル、ラージヒルとも1~2本とも安定したジャンプでそれぞれ1位、2位とそのチャンスをものにした。同じ大学生の遠藤悠介は、1~2本とも他の選手を制して、全日本選手権の初優勝に花を添えた。
当時のジャパンチームAランク選手
葛西紀明・東 輝・宮平秀治
第24回全日本フリースタイル選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
モーグル | 1 | 遠藤 淳平(NISEKO) | 23.71 | 1 | 上村 愛子(北野建設) | 24.48 |
2 | 益川 雄 (北野建設) | 23.61 | 2 | 畑中みゆき(佐川急便) | 22.34 | |
3 | 北村 佑介(ナクリス) | 21.59 | 3 | 西 順子 (白馬村SC) | 21.62 | |
デュアルモーグル | 1 | 遠藤 淳平(NISEKO) | 1 | 上村 愛子(北野建設) | ||
2 | 益川 雄 (北野建設) | 2 | 伊藤あづさ(奥伊吹SC) | |||
3 | 北村 佑介(ナクリス) | 3 | 伊藤 みき(奥伊吹SC) | |||
エアリアル | 1 | 水野 剣 (ノースランドSC) | 163.30 | 1 | 逸見 佳代(スキーチームセロ) | 130.82 |
2 | 瀬上 悟 (白馬村SC) | 149.93 | 2 | 金子 愛(エクスティック東松山) | 41.00 | |
3 | 桑原 孝浩(白馬村SC) | 113.48 |
男子モーグル及びデュアルモーグルは、ワールドカップ組と若手の国内残留組と激しい争いとなったが、ワールドカップの転戦疲れからか、わずかに益川雄がともに2位健闘したものの、優勝はともに国内残留組の若手選手だった。男子エアリアルで優勝した水野剣は、今シーズン終了後に引退、競輪選手に転向するとスポーツ紙に大きく報道された。第2のアスリート人生が成功するよう祈りたい。女子優勝の逸見佳代は、2009/2010シーズンからジャパンチームのエアリアルコーチに就任、人材難のチーム事情から選手の発掘と育成に乗り出した。
当時のジャパンチームAランク選手
女子モーグル 上村愛子・里谷多英
第10回全日本スノーボード選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
GS | 1 | 川口 晃平(日体大) | 2:16.00 | 1 | 山岸 雪 (小嶋アカデミー) | 2:27.17 |
2 | 佐々木康友(SNOWTEX) | 2:16.84 | 2 | 飯田 蘭 (グッドスポーツ) | 2:30.00 | |
3 | 後藤 友樹(秋田SBC) | 2:16.92 | 3 | 古賀あや香(TEAMフィールド) | 2:32.52 | |
HP | 1 | 村上 史行(クルーズ) | 38.2 | 1 | 成田 夢露(夢くらぶ) | 33.6 |
2 | 渡部 耕大(上穴浮高) | 37.9 | 2 | 中島 志保(チームヨネックス) | 31.4 | |
3 | 石原 崇裕(山梨県庁SC) | 35.9 | 3 | 三宅明寿子(ヒューマンアカデミ) | 26.8 | |
SBX | 1 | 長嶋 勇也(燕スキークラブ) | 1 | 白鳥 直子(ゴールデンSC) | ||
2 | サワ マサシ | 2 | 三井 香織(セガサミーHD) | |||
3 | 後藤 友樹(秋田SBC) | 3 | GILLINGS Zoe(GBR) |
2年後の2006年トリノオリンピックで採用されることが決まっているスノーボードクロスに、参加選手も増え、男女合わせて約90名の選手が参加した。アルペン系の後藤友樹は、スノーボードクロスでも表彰台に立ち、異なる種目での初のダブル表彰台をゲットするめずらしい記録となった。
当時のジャパンチームAランク選手
男子ハーフパイプ 成田童夢・中井孝治
女子ハーフパイプ 山岡聡子
女子スノーボードクロス 竹内智香
(本文中の敬称略)