フリースタイル・スキークロス
瀧澤宏臣選手
25日、SAJ事務局を訪れた瀧澤選手の開口一番は、「大けがみたいに新聞に書かれましたけど大丈夫ですから」だった。
これはニュージーランド遠征から帰国した成田空港でのインタビュー。某スポーツ紙に「選手生命危機」のタイトルで報道されたことに対しての彼のコメントだった。
アルペンレーサーからモーグルに転向、そしてスキークロスにチャレンジして第一人者の地位を築いた瀧澤選手。はじめた当初は、当然ながらオリンピック種目に採用されるとは思っていなかった。目の前にある大会(ワールドカップ)に、がむしゃらにチャレンジするだけだった。
そのスキークロスが来年開催されるバンクーバーで採用されることが決まり、スキーレーサーとして3競技目の転向でオリンピック出場のチャンスが巡ってきた。これからスタートするワールドカップで代表選手が決まるが、第一人者として代表の座は譲れない。
新しい所属チームも「Team TOYO TIRES」(チームトーヨータイヤ)に決まり、発奮材料もできた。37歳のチャレンジャーは、「やりますよ」とぶ厚い胸をグィと突き出してみせた。