2009/05/07

連載40 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

フリースタイルの世界選手権大会は、すでに第1回は1986年にティーニュ(フランス)で行われていました。1989年の第2回と合わせて掲載します。

 

1989年(昭和64年/平成元年)
第67回全日本スキー選手権大会
アルペン:長野県山ノ内町 志賀高原東館山(スピード系)/北海道名寄市ピヤシリコース (技術系)
ノルディック:岩手県安代町田山シャンツェ/田山クロスカントリーコース

 

■アルペン

種目 1位 2位 3位
男子
滑降
P・MUELLER(SUI)
1:40.93
W・ZECHNER(AUT)
1:41.89
A・EVERS(AUT)
1:42.00
女子
滑降
A・WACHTER(AUT)
1:51.94
加藤 祐希(双葉高)
1:52.77
川島 加奈(日体大)
1:53.77
男子
スーパーG
P・MUELLER(SUI)
1:54.79
D・CADUFF(SUI)
1:55.00
W・ZECHNER(AUT)
1:56.38
女子
スーパーG
A・WACHTER(AUT)
1:38.09
白河 三枝(早大)
1:43.17
加藤 祐希(双葉高)
1:43.73
男子
大回転
G・BENEDIK(JUG)
1:08.90/1:20.98 2:29.88
岡部 哲也(デサント
1:09.18/1:21.31 2:30.49
G・HOOP(LIE)
1:09.20/1:21.33 2:30.53
女子
大回転
岡崎 若華(日大山形高)
1:03:04/1:11.01 2:14.05
丸山 有紀(白馬高)
1:04.78/1:10.31 2:15.09
北嶋真智恵(東洋実業
1:04.15/1:11.64 2:15.79
男子
回転
G・BENEDIK(JUG)
53.36/52.08 1:45.44
岡部 哲也(デサント)
54.86/52.62 1:47.48
押切 敬司(日体大)
55.69/52.06 1:47.75
女子回転 岡崎 若華(日大山形高)
48.83/48.87 1:37.70
丸山 有紀(白馬高
49.31/42.62 1:37.93
佐藤ひろみ(双葉高)
50.04/48.47 1:38.51

滑降に、後にダウンヒラーとしてワールドカップの滑降で総合優勝した若きペーター・ミューラーや、女子のワールドカップで総合優勝したアニタ・バハターらが出場した。また、技術系2種目で優勝したユーゴスラビア(当時)のグレガ・ベネディックは、2年前、岡部哲也がサラエボの最終戦に出場して初の2本目ラップ、4位入賞した時にワールドカップ初優勝した選手。この大会でも2種目とも1位ベネディック、2位岡部と彼を破ることはできなかった。

 

■ノルディックコンバインド

順位 選手名 所属 飛躍点 距離タイム
山本 直鋭 明治大学 207.0(3) 47:12.0(1)
阿部 雅司 東京美装 212.9(1) 48:41.1(3)
伊藤 克彦 東洋実業 196.7(7) 47:52.8(2)
■少年
藤原 和行 東海大四高 182.8(5) 49:32.3(2)
古川 純一 東奥義塾高 201.7(2) 52:35.4(14)
竹内 稔 関根学園高 188.2(3) 51:22.4(8)

 

■クロスカントリー

種目 1位 2位 3位
男子
15km C
清水 寛仁
(中大)46:56.7
佐々木一成
(北野建設)47:19.1
川野部和良
(東京美装)47:35.5
男子
30km C
佐々木一成
(北野建設)1:35:41.6
川野部和良
(東京美装)1:37:17.5
桜田 孝
(東京美装)1:40:41.9
男子
50km C
佐々木一成
(北野建設)2:36:16.0
宗片 博文
(冬戦教)2:44:32.8
渡辺 博文
(日体大)2:45:02.7
男子
15km F
佐々木一成
(北野建設)40:24.0
片桐 一茂
(野沢温泉SC)41:21.3
渡辺 博文
(日体大)41:24.7
男子
リレー
冬戦教A
1:55:09.9
東京美装
1:57:13.0
冬戦教B
1:57:49.4
女子
10km C
佐藤恵美子
(中野実業高)35:49.9
青木富美子
(日大)36:47.7
猪又 由美
(日大)37:32.0
女子
10km F
青木富美子
(日大)32:54.9
佐藤恵美子
(中野実業高)33:27.6
猪又 由美
(日大)33:35.6
女子
15km C
青木富美子
(日大)54:40.2
三上 佳子
(冬戦教)55:51.0
桑原 弥生
(十日町高)56:39.4
女子
30km C
三上 佳子
(冬戦教)2:05:25.7
会田 範子
(日体大)2:09:41.0
伊藤 美香
(リクルート)2:11:28.0
女子
リレー
日本大学
52:26.4
新井高校
52:36.8
中野実業高校
52:50.1
少年
15km C
福原 賢
(安塚松之山分校)47:36.2
渡部 忠夫
(十日町実業高)47:39.7
青柳 泰
(金山高)47:57.0
少年
30km C
山口 聡久
(利根商業高)1:42:56.1
清水 博樹
(同志社大)1:43:40.1
室田 栄
(冬戦教)1:44:48.4
少年
15km F
青柳 泰
(金山高)42:24.7
大嶋 次郎
(十日町高)42:56.4
清水 博樹
(同志社大)42:58.4

15kmクラシカルは敗れてしまったが、佐々木の強さは際立っており、2位とのタイム差を比べてみればわかるが、まさに圧倒的な強さを誇っていた。
女子リレーでは、10kmで優勝した佐藤を擁する中野実業高校が北村山高校、日本体育大学、リクルートなど有力チームを抑えてはじめて表彰台に立った。

 

■ジャンプ

順位 ラージヒル 順位 ノーマルヒル
清水 貞雄(デサント)
116.0m/101.5m 210.5
東 昭広 (日本空調サービス)
87.0m/85.0m 222.5
沢田 和泰(NTT北海道)
106.5m/108.0m 202.0
竹内 卓哉(東洋実業)
84.0m/82.0m 212.3
東昭広(日本空調サービス)
110.0m/105.5m 201.5
田中 信一(たくぎん)
85.0m/80.0m 211.6

 

■少年

葛西 紀明(東海大四高)
111.5m/100.0m 202.0
木戸 幹雄(東海大四高)
73.5m/65.0m 160.3
東輝 (駒大岩見沢高)
87.0m/103.0m 167.5
竹内 稔 (関根学園高)
75.0m/65.0m 159.1
岡部 孝信(駒大岩見沢高)
96.0m/77.0m 142.5
葦本 祐二(余市高)
66.0m/72.0m 156.7

少年組のラージヒルで表彰台に立った3選手は、いずれも現役選手として今も頑張っている。現在、岡部38歳、東37歳、葛西36歳だが、高校時代はライバル関係。葛西が一歩リードで先に世界デビューを果たした。

 

第9回全日本フリースタイル選手権大会
会場 長野県飯山市 斑尾高原スキー場

 

種目 男子 得点 女子 得点
バレエ 1 松本 和俊(東京) 19.75 1 田中由香子(東京) 19.25
2 生沼 英幸(東京) 18.75 2 上村 祐代(東京) 18.25
3 小倉 慎一(京都) 17.65 3 福山 博子(京都) 15.75
モーグル 1 山崎 修 (北海道) 20.45 1 里谷 多英(北海道) 13.85
2 蟹沢 正美(長野) 18.42 2 中林ひとみ(北海道) 13.54
3 芳沢 秀雄(長野) 18.31 3 小田島ミホ(北海道) 13.46
エアリアル 1 永井 祐二(東京) 162.050 1 工藤千鶴子(北海道) 126.150
2 武用 健 (東京) 137.320 2 藤井 博子(東京) 93.020
3 待井 寛 (東京) 131.870 3 福本 望 (北海道) 78.820
総合 1 山口 茂樹(京都) 43 1 藤井 博子(東京) 16
2 大野 佳之(東京) 45 2 福本 望 (北海道) 18
3 山本 修 (兵庫) 55 3 宮越 緑 (北海道) 21

里谷多英がモーグル選手としてデビューを飾った。それも12歳で、全日本スキー選手権史上最年少記録の誕生である。

 

FIS世界選手権大会

ノルディック
開催国:フィンランド(FIN)
開催地:ラハティ(Lahti)

 

■ジャンプ

70m(1本) 90m
20 東輝 82.5m 96.0 54 清水 貞雄 84.0m/74.0m 120.5
54 葛西 紀明 75.5m 81.1 56 東輝 77.5m/81.5m 119.9
清水 貞雄 棄権 57 葛西 紀明 88.5m/71.0m 117.0
団体
15 清水・東・葛西 359.5

 

■ノルディックコンバインド

個人戦 団体戦
27 宮崎 秀基 42:31.6 10 児玉・宮崎・丸山 1:34:07.7
33 丸山 寿明 43:46.7
38 児玉 和興 45:08.0

 

■クロスカントリー

種目 順位/選手名
男子15km C 15位/佐々木一成
42:40.7
男子15km F 7位/佐々木一成
41:29.1
男子30km C 13位/佐々木一成
1:27:50.4
男子50km F 11位/佐々木一成
2:20:51.1

クロスカントリーは佐々木一成選手ただ1人の参加で、今回も女子は不参加。佐々木は15kmフリーで入賞に迫る7位、その他の種目でもすべて15位以内というこれまでの世界におけるクロスカントリーの歴史を考えると、素晴らしいの一語に尽きる成績だ。

 

■アルペン
開催国:アメリカ(USA)
開催地:ベイル(Vail)

 

選手名 DH SL GSL SG CB
押切 敬司 男子 14位
2:13.20
32位
2:49.38
48位
1:43.56
森 信之 男子 途中棄権 34位
2:49.91
54位
1:45.33
岡部 哲也 男子 途中棄権 途中棄権
川端 絵美 女子 5位
1:48.32
17位
1:38.27
24位
2:42.67
16位
1:20.87
11位
記録不明
大関 千秋 女子 20位
1:39.29
28位
2:46.36
山本さち子 女子 途中棄権 23位
2:41.78

川端絵美は、滑降で猪谷千春の銀メダル獲得以来アルペン史上2人目、そして女子では初の5位入賞を飾った。女子選手の入賞の記録は五輪、世界選手権大会を通じて今日まで入賞はない。とくに滑降という種目を考えると、男女を通じて今後、二度と破られることのない記録かも知れない。

 

1986フリースタイル
開催国:フランス(FRA)
開催地:ティーニュ(Tignes)

 

アクロ モーグル エアリアル 複合(総合)
男子 14位/角皆 優人
34.9
41位/喜田 一彦
27.12
14位/横山 岳男
239.540
14位/角皆 優人
100.00
男子 28位/松本 和俊
記録不明
42位/角皆 優人
26.37
28位/角皆 優人
221.190
男子 36位/工藤 哲史
181.430
男子 40位/松浦 崇人
150.400
女子 18位/吉田 光枝
34.7

 

■1989フリースタイル
開催国:ドイツ(GER)
開催地:オーベルヨヒ(Oberjoch)

 

アクロ モーグル エアリアル 複合(総合)
男子 18位/丹野 正義
21.85
26位/山崎 修
32.14
11位/永井 祐二
281.13
6位/中野銀次郎
記録不明
男子 21位/松本 和俊
20.75
33位/蟹沢 正美
27.58
19位/横山 岳男
268.14
男子 38位/中野銀次郎
11.50
43位/中野銀次郎
11.50
26位/武用 健
241.53
男子 32位/中野銀次郎
195.75
女子 18位/上村 祐代
18.10
11位/藤井 博子
193.81
女子 19位/工藤千鶴子
158.99

3種目の複合で、全種目にトライした中野が6位と初のシングルランクを記録した。この当時、フリースタイルは競技本部ではなく教育本部の管理下にあった。
(本文中の敬称は略)