連載40 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
フリースタイルの世界選手権大会は、すでに第1回は1986年にティーニュ(フランス)で行われていました。1989年の第2回と合わせて掲載します。
1989年(昭和64年/平成元年)
第67回全日本スキー選手権大会
アルペン:長野県山ノ内町 志賀高原東館山(スピード系)/北海道名寄市ピヤシリコース (技術系)
ノルディック:岩手県安代町田山シャンツェ/田山クロスカントリーコース
■アルペン
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 滑降 |
P・MUELLER(SUI) 1:40.93 |
W・ZECHNER(AUT) 1:41.89 |
A・EVERS(AUT) 1:42.00 |
女子 滑降 |
A・WACHTER(AUT) 1:51.94 |
加藤 祐希(双葉高) 1:52.77 |
川島 加奈(日体大) 1:53.77 |
男子 スーパーG |
P・MUELLER(SUI) 1:54.79 |
D・CADUFF(SUI) 1:55.00 |
W・ZECHNER(AUT) 1:56.38 |
女子 スーパーG |
A・WACHTER(AUT) 1:38.09 |
白河 三枝(早大) 1:43.17 |
加藤 祐希(双葉高) 1:43.73 |
男子 大回転 |
G・BENEDIK(JUG) 1:08.90/1:20.98 2:29.88 |
岡部 哲也(デサント 1:09.18/1:21.31 2:30.49 |
G・HOOP(LIE) 1:09.20/1:21.33 2:30.53 |
女子 大回転 |
岡崎 若華(日大山形高) 1:03:04/1:11.01 2:14.05 |
丸山 有紀(白馬高) 1:04.78/1:10.31 2:15.09 |
北嶋真智恵(東洋実業 1:04.15/1:11.64 2:15.79 |
男子 回転 |
G・BENEDIK(JUG) 53.36/52.08 1:45.44 |
岡部 哲也(デサント) 54.86/52.62 1:47.48 |
押切 敬司(日体大) 55.69/52.06 1:47.75 |
女子回転 | 岡崎 若華(日大山形高) 48.83/48.87 1:37.70 |
丸山 有紀(白馬高 49.31/42.62 1:37.93 |
佐藤ひろみ(双葉高) 50.04/48.47 1:38.51 |
滑降に、後にダウンヒラーとしてワールドカップの滑降で総合優勝した若きペーター・ミューラーや、女子のワールドカップで総合優勝したアニタ・バハターらが出場した。また、技術系2種目で優勝したユーゴスラビア(当時)のグレガ・ベネディックは、2年前、岡部哲也がサラエボの最終戦に出場して初の2本目ラップ、4位入賞した時にワールドカップ初優勝した選手。この大会でも2種目とも1位ベネディック、2位岡部と彼を破ることはできなかった。
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 山本 直鋭 | 明治大学 | 207.0(3) | 47:12.0(1) |
2 | 阿部 雅司 | 東京美装 | 212.9(1) | 48:41.1(3) |
3 | 伊藤 克彦 | 東洋実業 | 196.7(7) | 47:52.8(2) |
■少年 | ||||
1 | 藤原 和行 | 東海大四高 | 182.8(5) | 49:32.3(2) |
2 | 古川 純一 | 東奥義塾高 | 201.7(2) | 52:35.4(14) |
3 | 竹内 稔 | 関根学園高 | 188.2(3) | 51:22.4(8) |
■クロスカントリー
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 15km C |
清水 寛仁 (中大)46:56.7 |
佐々木一成 (北野建設)47:19.1 |
川野部和良 (東京美装)47:35.5 |
男子 30km C |
佐々木一成 (北野建設)1:35:41.6 |
川野部和良 (東京美装)1:37:17.5 |
桜田 孝 (東京美装)1:40:41.9 |
男子 50km C |
佐々木一成 (北野建設)2:36:16.0 |
宗片 博文 (冬戦教)2:44:32.8 |
渡辺 博文 (日体大)2:45:02.7 |
男子 15km F |
佐々木一成 (北野建設)40:24.0 |
片桐 一茂 (野沢温泉SC)41:21.3 |
渡辺 博文 (日体大)41:24.7 |
男子 リレー |
冬戦教A 1:55:09.9 |
東京美装 1:57:13.0 |
冬戦教B 1:57:49.4 |
女子 10km C |
佐藤恵美子 (中野実業高)35:49.9 |
青木富美子 (日大)36:47.7 |
猪又 由美 (日大)37:32.0 |
女子 10km F |
青木富美子 (日大)32:54.9 |
佐藤恵美子 (中野実業高)33:27.6 |
猪又 由美 (日大)33:35.6 |
女子 15km C |
青木富美子 (日大)54:40.2 |
三上 佳子 (冬戦教)55:51.0 |
桑原 弥生 (十日町高)56:39.4 |
女子 30km C |
三上 佳子 (冬戦教)2:05:25.7 |
会田 範子 (日体大)2:09:41.0 |
伊藤 美香 (リクルート)2:11:28.0 |
女子 リレー |
日本大学 52:26.4 |
新井高校 52:36.8 |
中野実業高校 52:50.1 |
少年 15km C |
福原 賢 (安塚松之山分校)47:36.2 |
渡部 忠夫 (十日町実業高)47:39.7 |
青柳 泰 (金山高)47:57.0 |
少年 30km C |
山口 聡久 (利根商業高)1:42:56.1 |
清水 博樹 (同志社大)1:43:40.1 |
室田 栄 (冬戦教)1:44:48.4 |
少年 15km F |
青柳 泰 (金山高)42:24.7 |
大嶋 次郎 (十日町高)42:56.4 |
清水 博樹 (同志社大)42:58.4 |
15kmクラシカルは敗れてしまったが、佐々木の強さは際立っており、2位とのタイム差を比べてみればわかるが、まさに圧倒的な強さを誇っていた。
女子リレーでは、10kmで優勝した佐藤を擁する中野実業高校が北村山高校、日本体育大学、リクルートなど有力チームを抑えてはじめて表彰台に立った。
■ジャンプ
順位 | ラージヒル | 順位 | ノーマルヒル |
---|---|---|---|
1 | 清水 貞雄(デサント) 116.0m/101.5m 210.5 |
1 | 東 昭広 (日本空調サービス) 87.0m/85.0m 222.5 |
2 | 沢田 和泰(NTT北海道) 106.5m/108.0m 202.0 |
2 | 竹内 卓哉(東洋実業) 84.0m/82.0m 212.3 |
3 | 東昭広(日本空調サービス) 110.0m/105.5m 201.5 |
3 | 田中 信一(たくぎん) 85.0m/80.0m 211.6 |
■少年
1 | 葛西 紀明(東海大四高) 111.5m/100.0m 202.0 |
1 | 木戸 幹雄(東海大四高) 73.5m/65.0m 160.3 |
2 | 東輝 (駒大岩見沢高) 87.0m/103.0m 167.5 |
2 | 竹内 稔 (関根学園高) 75.0m/65.0m 159.1 |
3 | 岡部 孝信(駒大岩見沢高) 96.0m/77.0m 142.5 |
3 | 葦本 祐二(余市高) 66.0m/72.0m 156.7 |
少年組のラージヒルで表彰台に立った3選手は、いずれも現役選手として今も頑張っている。現在、岡部38歳、東37歳、葛西36歳だが、高校時代はライバル関係。葛西が一歩リードで先に世界デビューを果たした。
第9回全日本フリースタイル選手権大会
会場 長野県飯山市 斑尾高原スキー場
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
バレエ | 1 | 松本 和俊(東京) | 19.75 | 1 | 田中由香子(東京) | 19.25 |
2 | 生沼 英幸(東京) | 18.75 | 2 | 上村 祐代(東京) | 18.25 | |
3 | 小倉 慎一(京都) | 17.65 | 3 | 福山 博子(京都) | 15.75 | |
モーグル | 1 | 山崎 修 (北海道) | 20.45 | 1 | 里谷 多英(北海道) | 13.85 |
2 | 蟹沢 正美(長野) | 18.42 | 2 | 中林ひとみ(北海道) | 13.54 | |
3 | 芳沢 秀雄(長野) | 18.31 | 3 | 小田島ミホ(北海道) | 13.46 | |
エアリアル | 1 | 永井 祐二(東京) | 162.050 | 1 | 工藤千鶴子(北海道) | 126.150 |
2 | 武用 健 (東京) | 137.320 | 2 | 藤井 博子(東京) | 93.020 | |
3 | 待井 寛 (東京) | 131.870 | 3 | 福本 望 (北海道) | 78.820 | |
総合 | 1 | 山口 茂樹(京都) | 43 | 1 | 藤井 博子(東京) | 16 |
2 | 大野 佳之(東京) | 45 | 2 | 福本 望 (北海道) | 18 | |
3 | 山本 修 (兵庫) | 55 | 3 | 宮越 緑 (北海道) | 21 |
里谷多英がモーグル選手としてデビューを飾った。それも12歳で、全日本スキー選手権史上最年少記録の誕生である。
FIS世界選手権大会
ノルディック
開催国:フィンランド(FIN)
開催地:ラハティ(Lahti)
■ジャンプ
70m(1本) | 90m | ||||
---|---|---|---|---|---|
20 | 東輝 | 82.5m 96.0 | 54 | 清水 貞雄 | 84.0m/74.0m 120.5 |
54 | 葛西 紀明 | 75.5m 81.1 | 56 | 東輝 | 77.5m/81.5m 119.9 |
清水 貞雄 | 棄権 | 57 | 葛西 紀明 | 88.5m/71.0m 117.0 | |
団体 | |||||
15 | 清水・東・葛西 | 359.5 |
■ノルディックコンバインド
個人戦 | 団体戦 | ||||
---|---|---|---|---|---|
27 | 宮崎 秀基 | 42:31.6 | 10 | 児玉・宮崎・丸山 | 1:34:07.7 |
33 | 丸山 寿明 | 43:46.7 | |||
38 | 児玉 和興 | 45:08.0 |
■クロスカントリー
種目 | 順位/選手名 | ||
---|---|---|---|
男子15km C | 15位/佐々木一成 42:40.7 |
||
男子15km F | 7位/佐々木一成 41:29.1 |
||
男子30km C | 13位/佐々木一成 1:27:50.4 |
||
男子50km F | 11位/佐々木一成 2:20:51.1 |
クロスカントリーは佐々木一成選手ただ1人の参加で、今回も女子は不参加。佐々木は15kmフリーで入賞に迫る7位、その他の種目でもすべて15位以内というこれまでの世界におけるクロスカントリーの歴史を考えると、素晴らしいの一語に尽きる成績だ。
■アルペン
開催国:アメリカ(USA)
開催地:ベイル(Vail)
選手名 | DH | SL | GSL | SG | CB | |
---|---|---|---|---|---|---|
押切 敬司 | 男子 | 14位 2:13.20 |
32位 2:49.38 |
48位 1:43.56 |
||
森 信之 | 男子 | 途中棄権 | 34位 2:49.91 |
54位 1:45.33 |
||
岡部 哲也 | 男子 | 途中棄権 | 途中棄権 | |||
川端 絵美 | 女子 | 5位 1:48.32 |
17位 1:38.27 |
24位 2:42.67 |
16位 1:20.87 |
11位 記録不明 |
大関 千秋 | 女子 | 20位 1:39.29 |
28位 2:46.36 |
|||
山本さち子 | 女子 | 途中棄権 | 23位 2:41.78 |
川端絵美は、滑降で猪谷千春の銀メダル獲得以来アルペン史上2人目、そして女子では初の5位入賞を飾った。女子選手の入賞の記録は五輪、世界選手権大会を通じて今日まで入賞はない。とくに滑降という種目を考えると、男女を通じて今後、二度と破られることのない記録かも知れない。
1986フリースタイル
開催国:フランス(FRA)
開催地:ティーニュ(Tignes)
アクロ | モーグル | エアリアル | 複合(総合) | |
---|---|---|---|---|
男子 | 14位/角皆 優人 34.9 |
41位/喜田 一彦 27.12 |
14位/横山 岳男 239.540 |
14位/角皆 優人 100.00 |
男子 | 28位/松本 和俊 記録不明 |
42位/角皆 優人 26.37 |
28位/角皆 優人 221.190 |
|
男子 | 36位/工藤 哲史 181.430 |
|||
男子 | 40位/松浦 崇人 150.400 |
|||
女子 | 18位/吉田 光枝 34.7 |
■1989フリースタイル
開催国:ドイツ(GER)
開催地:オーベルヨヒ(Oberjoch)
アクロ | モーグル | エアリアル | 複合(総合) | |
---|---|---|---|---|
男子 | 18位/丹野 正義 21.85 |
26位/山崎 修 32.14 |
11位/永井 祐二 281.13 |
6位/中野銀次郎 記録不明 |
男子 | 21位/松本 和俊 20.75 |
33位/蟹沢 正美 27.58 |
19位/横山 岳男 268.14 |
|
男子 | 38位/中野銀次郎 11.50 |
43位/中野銀次郎 11.50 |
26位/武用 健 241.53 |
|
男子 | 32位/中野銀次郎 195.75 |
|||
女子 | 18位/上村 祐代 18.10 |
11位/藤井 博子 193.81 |
||
女子 | 19位/工藤千鶴子 158.99 |
3種目の複合で、全種目にトライした中野が6位と初のシングルランクを記録した。この当時、フリースタイルは競技本部ではなく教育本部の管理下にあった。
(本文中の敬称は略)