連載47 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
1996年(平成8年)
第74回全日本スキー選手権大会
アルペン | :長野県山ノ内町志賀高原西館山スキー場(技術系) |
:岩手県雫石町 雫石スキー場(スピード系) | |
ノルディック | :長野県白馬村 白馬ジャンプ競技場/スノーハーブ |
:北海道札幌市 白旗山クロスカントリー競技場 | |
フリースタイル | :長野県飯山市 斑尾高原スキー場 |
スノーボード | :新潟県湯沢町 苗場スキー場 |
■アルペン
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 スーパーG① |
川口 城二 (北海道東海大)1:34.14 |
田島あづみ (小賀坂SC)1:35.78 |
浦木 健太 (日本ノルディカ)1:36.19 |
女子 スーパーG① |
悪天候中止 | ||
男子 スーパーG② |
悪天候中止 | ||
女子 スーパーG② |
悪天候中止 | ||
男子 大回転 |
浦木 健太(日本ノルディカ) 55.72/58.38 1:54.10 |
BUECHEL Marco(LIE) 55.55/59.01 1:54.56 |
VOGT Achim(LIE) 56.26/58.43 1:54.69 |
女子 大回転 |
悪天候中止 | ||
男子 回転 |
木村 公宣(ロシニョール) 53.06/52.89 1:45.95 |
平澤 岳(志賀高原SC) 53.75/53.38 1:47.13 |
POOL Thomas(SUI) 54.37/53.15 1:47.52 |
女子 回転 |
廣井 法代(神立高原SC) 55.73/53.57 1:49.30 |
池田 和子(ロシニョール) 56.89/53.63 1:50.52 |
山川 純子(日大) 58.06/53.60 1:51.66 |
スピード系種目は、開催地の決定が大幅に遅れた関係で、他の大会スケジュールと調整ができず、滑降の日程が取れないことからスーパーG2戦を行うことになった。しかし、2日間を通して悪天候の見舞われ、男子1戦は開催できたが男子1戦、女子は2戦とも中止となった。また、志賀高原(西館山)で行われた技術系でも、女子大回転が悪天候のためキャンセルとなった。
当時のジャパンチームAランク選手
男子 木村公宣
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 坂大 徹 | 大山体協SC | 140.0(12) | 47:10.1(3) |
2 | 富井 正樹 | 雪印乳業長野 | 163.0(2) | 49:11.4(12) |
3 | 河野 智海 | 明治大学 | 161.0(4) | 49:00.1(9) |
競技は、ジャンプ、クロスカントリーとも悪天候の中で行われた。選手の安全を考慮してジャンプはスピードがでないように低速にセットしたが、そのため差がつかず、後半のクロスカントリーでは、10分間に60選手がスタートする激戦となった。降雪の上、タイムが接近していることで走力のある選手の争いとなり、12番にスタートした坂大徹が最後のゴール前の直線でかわして初タイトルを獲得した。
当時のジャパンチームAランク選手
荻原健司・荻原次晴・大竹太志・高沢公治
■クロスカントリー
種目 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
男子 10km C |
長浜 一年 (シークラフト) 29:37.1 |
堀米 光男 (志賀高原)29:39.5 |
今井 博幸 (NTT信越)30:07.0 |
男子 複合 |
長浜 一年 (シークラフト) 1:06:45.7 |
堀米 光男 (志賀高原)1:06:58.5 |
渡辺 博文 (イセト紙工)1:07:30.0 |
男子 30km C |
今井 博幸 (NTT信越)1:25:58.4 |
長浜 一年 (シークラフト) 1:28:57.0 |
蛯沢 克仁 (川田工業)1:31:02.3 |
男子 50km F |
西田 篤史 (冬戦教) 2:44:22.0 |
渡辺 博文 (イセト紙工)2:44:44.5 |
福士 鎮顕 (冬戦教) 2:45:01.7 |
男子 リレー |
冬戦教 1:55:53.4 |
東京美装 1:56:24.4 |
同志社大学 1:57:28.1 |
女子 5km C |
青木富美子 (真室川R) 16:34.9 |
横山寿美子 (日大) 17:04.9 |
大高 友美 (日大) 17:34.0 |
女子 複合 |
青木富美子 (真室川R) 45:16.5 |
横山寿美子 (日大) 46:08.2 |
横山久美子 (昭和電機) 47:15.4 |
女子 15km C |
横山寿美子 (日大) 49:59.8 |
青木富美子 (真室川R) 51:06.8 |
古澤 緑 (弘果SRC)51:55.9 |
女子 30km F |
廣山みゆき (リクルート)1:47:19.1 |
古澤 緑 (弘果SRC)1:48:10.0 |
原田 史子 (リクルート)1:49:11.9 |
女子 リレー |
日本大学 1:03:34.4 |
花輪高校 1:08:44.1 |
リクルート 1:08:54.2 |
2年後の開催される長野オリンピックのクロスカントリー会場、スノーハーブ(女子20kmと男子30kmはサッポロで開催)で行われた。五輪開催とワールドカップ開催(翌年)に向けて大会運営のチェックという目的もあっての開催となった。そのため報道陣も27社約100名が訪れた。
当時のジャパンチームAランク選手
女子 青木富美子
■ジャンプ
順位 | ラージヒル | 順位 | ノーマルヒル |
---|---|---|---|
1 | 西方 仁也(雪印乳業) 125.5m/123.0m 248.3 |
1 | 西方 仁也(雪印乳業) 94.0m/94.0m 250.5 |
2 | 斉藤 浩哉(雪印乳業) 123.0m/120.0m 239.4 |
1 | 原田 雅彦(雪印乳業) 94.5m/91.5m 246.5 |
2 | 葛西 紀明(地崎工業) 123.0m/119.0m 237.6 |
3 | 斉藤 浩哉(雪印乳業) 91.0m/94.5m 245.5 |
ザコパネ(ポーランド)のワールドカップを欠場してトップ選手が全員顔を揃えレベルの高い大会となった。選手はラージヒル57名、ノーマルヒル82名のエントリーがあった。ノーマルヒルの1本目、千葉勝利は80.km/hという低速(82選手中57位)ながら92mののベストをマーク、好ジャンプが光った。優勝したのは、94mを2本揃えた西方仁也。2位、3位も原田、斉藤と雪印乳業チームが表彰台を独占した。
ラージヒルは、100m越えが24人も飛び出し、その中で西方125.5m、葛西123.0m、斉藤123.0m、原田121.mをそれぞれマークして優勝争いは4人に絞られた。2本目も100m越え20本という展開の中、ベストの123mをマークした西方がノーマルヒルに続き2冠を制した。
当時のジャパンチームAランク選手
原田雅彦・斉藤浩哉・西方仁也
第16回全日本フリースタイル選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
アクロ | 1 | 長谷川宏太郎(港区MFF) | 20.70 | 1 | 田中由香子(港区MFF) | 20.00 |
2 | 山本 修 (氷上郡スキー) | 19.20 | 2 | 近藤有希子(三英電業) | 19.75 | |
3 | 小倉 慎一(ウェスターナ) | 16.80 | 3 | 伊地智麻子(横浜教職員) | 19.40 | |
モーグル | 1 | 三浦 豪太(エスビー食品) | 23.08 | 1 | 里谷 多英(北海道東海大) | 22.34 |
2 | 附田 雄剛(北海道東海大) | 22.03 | 2 | 坂下 美香(福井MSC) | 19.52 | |
3 | 坂本 豪大(チームバンプス) | 21.95 | 3 | 小林 神奈(ロデオSC) | 18.36 | |
エアリアル | 1 | 原 隆司 (チームリステル) | 139.03 | 1 | 岩渕千代子(エクストリーム) | 115.45 |
2 | 丸本 健 (スカーゼ) | 134.19 | 2 | 大竹 文子(クラリオン) | 98.63 | |
3 | 荒瀬 裕基(チームリステル) | 129.43 | 3 | 松井 陽子(早稲田大学) | 76.49 |
バレエの種目名がワールドカップの名称変更に伴い「アクロ」に変わった。
当時のジャパンチームAランク選手
女子アクロ田中由香子
男子モーグル 三浦豪太
女子モーグル 里谷多英
第2回全日本スノーボード選手権大会
種目 | 男子 | 得点 | 女子 | 得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
GAL | 1 | 大日方俊之(ホクトスポーツ) | 1:33.98 | 1 | 内山 康恵(水上SC) | 1:53.29 |
2 | 佐々木耕司(チームシ・ドーロ) | 1:36.53 | 2 | 熊谷 昭美 | 1:53.40 | |
3 | 中村 基嗣(ミナミスポーツ) | 1:36.53 | 3 | 山本いずみ | 2:03.08 | |
HP | 1 | 今井 孝雅(チームレイブ) | 75.4 | 1 | 武山 香里(アメリカン) | 52.0 |
2 | 渡辺 伸一(アメリカン) | 74.3 | 2 | 吉川 由里(チームUP) | 52.0 | |
3 | 江藤 孝史(フラミンゴ) | 71.7 | 3 | 山口 利美(川崎SC) | 51.4 |
チーム結成以来、初のAランク選手となったハーフパイプの渡辺伸一。しかし、実力者、今井孝雅にわずか及ばず2位だった。現在、ハーフパイプチームのチーフコーチを努める綿谷直樹は、ジャパンチームのメンバーに入っていたが、この大会には出場しなかった。
当時のジャパンチームAランク選手
男子ハーフパイプ 渡辺伸一
FIS世界選手権大会
スノーボード
開催国:オーストリア(AUT)
開催地:リエンツ(Lienz)
種目 | 男子 | 女子 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ハーフパイプ | 11 | 渡辺 伸一 | 67.8 | 7 | 堤 千寿子 | 37.6 |
14 | 井沢 貞登 | 60.3 | 10 | 本吉 里子 | 23.9 | |
25 | 今井 孝雅 | 55.3 | ||||
パラレルSL | 22 | 二星 謙一 | 28.46 | 21 | 箭木 孝美 | 35.59 |
33 | 松里 啓 | 31.51 | 22 | 五十嵐一美 | 36.10 | |
39 | 中村 基嗣 | 37.18 | 23 | 町田 祥子 | 39.72 | |
GSL | 26 | 二星 謙一 | 2:04.31 | 18 | 箭木 孝美 | 2:36.70 |
34 | 中村 基嗣 | 2:11.92 | 19 | 町田 祥子 | 2:15.59 | |
35 | 松里 啓 | 2:18.46 | 失 | 五十嵐一美 |
第1回のスノーボード世界選手権大会は、他の競技が開催していないこの年に行われた。北井されたハーフパイプは、女子の堤千寿子が7位と入賞目前まで迫ったが、わずかに届かなかった。
(本文の敬称略)