連載31 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
1980年(昭和55年)
第58回全日本スキー選手権大会
会場 | :アルペン | 青森県大鰐町・大鰐スキー場 |
会場 | :ノルディック | 青森県大鰐町・90mジャンプ(札幌市・大倉山ジャンプ競技場)/湯ノ沢シャンツェ/あじゃら運動公園 |
■アルペン
順 | 滑降 | 回転 | 大回転 |
---|---|---|---|
■男子 | |||
1 | 相原 博之(北照高) 1:00.42/58.93 1:59.35 |
上山 利治(西沢スキー) 51.77/47.60 1:39.37 |
上山 利治(西沢スキー) 1:30.98/1:34.46 3:05.44 |
2 | 佐藤 譲 (北照高) 1:00.29/59.39 1:59.68 |
大高 弘昭(デサント) 52.46/47.57 1:40.03 |
大高 弘昭(デサント) 1:31.70/1:36.25 3:07.95 |
3 | 佐藤 利之(留萌スキー) 59.88/1:00.22 2:00.10 |
岩谷 高峰(三井物産) 52.60/47.77 1:40.37 |
千葉 一之(札幌第一高) 1:33.20/1:36.14 3:09.34 |
■女子 | |||
1 | 佐藤 祐子(トーモク) 1:09.51(2本合計) |
大道 和子(デサント) 51.51/47.29 1:38.80 |
大道 和子(デサント) 1:44.59(2本合計) |
2 | 成田 早瀬(聖愛高) 1:09.74 |
石川 園代(札幌第一高) 51.91/47.80 1:39.71 |
成田 早瀬(聖愛高) 1:44.95 |
3 | 大道 和子(デサント) 1:10.13 |
小島 景子(日本楽器) 51.92/48.70 1:40.62 |
武田 彰代(日体大) 1:46.25 |
滑降で優勝した相原博之は東海大学スキー部監督、2位の佐藤譲は選手引退後、デモンストレーターとして人気を集めた。現在は、ガーラ湯沢でスキー学校を運営する。技術系2種目で2位だった大高弘昭は、上村愛子が着用する競技ウェアなどをサプライするジャパーナに勤務するなど、それぞれの道を歩んでいる。
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 所属 | 飛躍点 | 距離点 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 斉藤 智治 | 東洋実業 | 202.0 | 199.779 | 401.779 |
2 | 小林 雄二 | 国鉄北海道 | 206.1 | 195.154 | 401.254 |
3 | 柏谷 学 | 遠軽高 | 201.8 | 193.383 | 395.183 |
■少年 | |||||
1 | 柏谷 学 | 遠軽高 | 201.8 | 193.383 | 395.183 |
2 | 田中 隆博 | 下高井農林高 | 173.3 | 204.267 | 377.567 |
3 | 松川 幸男 | 東奥義塾高 | 175.9 | 178.911 | 358.557 |
優勝した斉藤智治は、現在、ジャンプ部長としてチーム復活へ乗り出した。来年のオリンピックは、初采配となる。
■クロスカントリー
リレー | 15km | 30km | 50km | |
---|---|---|---|---|
■男子 | ||||
1 | 東京美装 2:17:52.71 |
早坂毅代司 (東京美装) 46:10.08 |
早坂毅代司 (東京美装) 1:24:38.37 |
早坂毅代司 (東京美装)2:57:02.00 |
2 | 冬戦教A 2:17:54.24 |
滝沢 芳明 (あるむ) 47:24.82 |
上原子義男 (日大) 1:36:41.66 |
大川 繁 (カザマスキー) 3:05:41.44 |
3 | 日本大学 2:19:22.78 |
馬渕 豊和 (朝日鉄工)48:07.44 |
滝沢 芳明 (あるむ) 1:37:09.91 |
牧 千代春 (冬戦教) 3:07:44.36 |
■女子 | (5km) | (10km) | (少年) | |
1 | 日本大学 1:25:41.59 |
藤木 弘美 (北野建設)21:02.14 |
藤木 弘美 (北野建設)36:17.21 |
佐々木一成 (東奥義塾高)51:23.17 |
2 | 大東文化大 1:31:11.01 |
戸島 淳子 (日大) 21:13.04 |
戸島 淳子 (日大) 37:01.93 |
横橋 雄二 (鳴子スキー)51:39.16 |
3 | 湯沢北高 1:33:28.37 |
平井 礼子 (小出高)21:36.69 |
平井 礼子 (小出高)37:11.00 |
小野 候 (弘前工業高)52:38.11 |
男子は早坂毅代司が前年に続いて連続3冠お達成、国内無敵を誇った。女子は2種目、順位、選手とも同じというめずらしい結果となった。
■ジャンプ
順位 | 90m | 70m | 少年 |
---|---|---|---|
1 | 岩崎 基志(たくぎん) 108.0m/104.0m 244.8 |
敦賀 栄(たくぎん) 86.5m/84.0m 242.3 |
斉藤 孝行(北照高) 85.0m/79.0m 228.3 |
2 | 今 巧(専大) 101.0m/103.0m 231.6 |
渡瀬弥太郎(雪印乳業) 83.0m/86.5m 235.7 |
沖田 智則(札幌第一高) 75.0m/78.5m 196.6 |
3 | 秋元 一広(国鉄北海道) 105.0m/95.5m 222.2 |
岩崎 基志(たくぎん) 82.0m/85.0m 232.7 |
及川 靖典(東海大四高) 73.0m/79.0m 192.2 |
70mで2位になった渡瀬弥太郎は、現在、ジャンプの女子チームを率いている。初採用となった今年のノルディック世界選手権大会では、残念ながらメダルには届かなかったが、娘のあゆみが日本選手最高の10位になった。
第13回冬季オリンピック
開 催 日:2月13日~24日 |
開 催 国:USA(アメリカ) |
開 催 地:Lake Placid(レークプラシッド) |
日本選手:男子46人・女子4人(主将:久保田三知男) |
■ジャンプ
70m級 | 90m級 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2 | 八木 弘和 | 87m/83.5m 249.2 | 10 | 秋元 正博 | 104m/108m 234.7 |
29 | 川端隆普実 | 79m/71.5m 207.2 | 32 | 川端隆普実 | 102.5m/90m 201.4 |
42 | 会沢 仁康 | 69.5m/68m 176.9 | 35 | 会沢 仁康 | 95m/93.5m 195.3 |
八木和弘が、1972年札幌オリンピック以来のメダルを獲得した。チームの両輪だった秋元はわずかにメダルに届かず、悔し涙を流した。
■ノルディックコンバインド
順位 | 選手名 | 成績 |
---|---|---|
25 | 久保田三知男 | 364.415 |
27 | 花田 敏博 | 349.145 |
主将を努めた久保田三知男、花田敏博両選手が挑戦したが、上位進出することは出来なかった。
■クロスカントリー
15km | 30km | 50km | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
43 | 佐藤 志郎 | 46:15.29 | 39 | 佐藤 志郎 | 1:35:52.77 | 37 | 佐藤 志郎 | 2:48:33.02 |
女子の参加はなく、男子も佐藤志郎1人の参戦となった。前回の男子は50位の壁を破れなかったことを考えると、大いなる前進だった。その佐藤は、現在、クロスカントリー部長として来年、オリンピックに挑む。
■アルペン
滑降 | 回転 | 大回転 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
21 | 片桐 幹雄 | 1:49.77 | 15 | 沢田 敦 | 1:49.94 | 29 | 海和 俊宏 | 2:48.78 |
海和 俊宏 | 棄権 | 36 | 沢田 敦 | 2:54.05 | ||||
児玉 修 | 棄権 |
児玉修は、オリンピック直前にワールドカップ・レングリース大会(当時の西ドイツ)で行われた回転で、日本選手としてはじめて1秒の壁(2本トータル)を破るラップと0.96差の6位に入賞、レークプラシッドに乗り込んだ。しかし、本番では残念ながら失敗してしまった。また、ダウンヒラー、片桐幹雄も全長4.2kmを誇るウェンゲン(SUI)で優勝したカナダのケン・リードに1秒55差の13位(これまでの日本選手最高ランクでポイント獲得も初)に入り、オリンピックで期待されたが21位に終わった。
(本文の敬称略)