2008/11/06

連載16 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

1962年(昭和37年)
第40回全日本スキー選手権大会
会場:北海道ニセコ(アルペン)北海道札幌円山綜合グラウンド/大倉山
 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 菊地定夫 雪印乳業 230
60m 菊地定夫 雪印乳業 213.6
ノルディックコンバインド 谷口明見 国鉄北海道 447.7
クロスカントリー 50km 栗田栄治 山叶証券 2:58.45
30km 河村昭夫 東洋高圧 1:53.47
15km 成田正志 国鉄北海道 54.42
女子10km 高橋弘子 湯沢クラブ 46.12
リレー(男子) 東洋高圧 2:25.56
リレー(女子) 小樽双葉高校 1:07.20
アルペン 滑降(男子) 武田 孝 明大 2:16.6
滑降(女子) 大杖美保子 米子西高校 1:27.7
回転(男子) 玉井 武 国鉄北海道 2:14.6
回転(女子) 中家千鶴子 東洋木材 2:02.0
大回転(男子) 大平義博 早大 2:06.3
大回転(女子) 松島初子 野沢温泉SC 1:51.7

滑降10位の木村仁(羽幌炭鉱)は、現役引退後、多くのジュニア選手を育てた。中でも、アルペンのワールドカップではじめて表彰台に立った岡部哲也のジュニア時代、そして現在、ジャパンチームのリーダーである佐々木明も、小・中学生時代に木村の指導を仰ぐため函館から小樽まで通っていた。
 

このほか、リザルツにはSAJアルペン部長を務めた野戸恒男、海野明、高校の名門である東奥義塾高校を長年指導した川村勝儀の名前もある。
 

ジャンプは、実力者である菊地定夫と高校生、笠谷幸生(余市高校)の一騎打ちとなったが、3本目(当時は3本の合計)の86メートルの最長不倒距離をマークした菊地が逃げ切った。

高校生、笠谷との一騎打ちを制した菊地定夫のジャンプ

高校生、笠谷との一騎打ちを制した菊地定夫のジャンプ

世界選手権大会派遣選手と成績
スコーバレー(アメリカ)/開催期間:2月18日~2月28日

 

代表選手 参加競技と成績
ジャンプ 複合 距離
松井 孝 70m 21 200.1
90m 29 199.5
吉田力雄 70m 22 199.7
志村直紀 70m 32 194.3
90m 46 188.3
若狭繁行 70m 50 181.3
90m 18 208
江遠要甫 90m 30 199.3 10 411
二川原練造 18 383.5
松橋高司 15km 27 1:00:43.8
30km 29 2:02:44.7
リレー 10 2:36:45.3
北村辰夫 15km 29 1:01:03.6
30km 50 2:10:02.8
リレー 10 2:36:45.3
矢口 賢 15km 34 1:01:31.2
30km 47 2:09:46.2
50km 31 3:31:37.9
リレー 10 2:36:45.3
高橋秀蔵 30km 38 2:04:47.2
50km 28 3:29:34.0
佐藤常貴雄 リレー 10 2:36:45.3

アルペン:シャモニ(フランス)

 

代表選手 滑降 回転 大回転
富井 一 男子 31 2:38.19 26 1:48.62
福原吉春 男子 39 2:41.70 17 2:36.25 21 1:47.01
藤島幸造 男子 41 2:45.18 失格
伊藤敏信 男子 棄権 失格 33 1:53.39
見谷昌禧 男子 21 2:41.45 28 1:48.76
松島初子 女子 35 2:32.13 31 2:32.00 38 1:56.13
河畑栄子 女子 38 2:44.94 26 2:07.58 40 1:58.37
大杖美保子 女子 40 3:07.47 棄権 34 1:52.67

この大会から女子が参加した。大杖美保子は、1968年グルノーブルオリンピックに、日本の女子選手として初出場を果たした。引退後、男子の全日本3冠王であり、現在アルペンのFIS TDを務める丸山仁也の奥さんとして白馬村にある「バイサーホフ八平」のおカミさんである。

1963年(昭和38年)
第41回全日本スキー選手権大会

会場 :長野県白馬村・白馬八方尾根(アルペン)
会場 :北海道札幌円山綜合グラウンド/大倉山(ノルディック)
競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 江遠要甫 苗場スキークラブ 227.1
60m 菊地定夫 雪印乳業 227.3
ノルディックコンバインド 田中英一 芝工大 479.52
クロスカントリー 50km 佐藤義勝 羽幌炭鉱 3:02.27
30km 高橋秀蔵 日曹 1:43.45
15km 北村辰夫 日大 47.32
加藤富士子 小樽双葉高 39.49
リレー(男子) 東洋高圧 2:37.42
リレー(女子) 記録の記載なし
アルペン 滑降(男子) 福原吉春 明大 2:13.32
滑降(女子) 猪谷素子 東京スポーツマン 2:08.80
回転(男子) 福原吉春 明大 2:20.9
回転(女子) 細井ミヤ子 東洋木材 1:34.3
大回転(男子) 富井 一 日大 2:53.28
大回転(女子) 西村蓉子 東洋木材 2:06.47

ジャンプで、全日本初の100メートル越えが飛び出した。5位の大内誠一(国鉄北海道)が3本目に101メートルを記録、社会人1年目の笠谷幸生(余市スキークラブ)が同じく3本目に100メートルジャンプで6位に食い込んだ
 
アルペン競技がはじめて八方尾根で開催された。プレオリンピック帰りの福原吉春(明治大学)が力の違いを見せて滑降、回転の2種目を制した。

 

圧倒的な強さで優勝を飾った東洋高圧チーム。左から越田、国本、清水、河村の各選手

圧倒的な強さで優勝を飾った東洋高圧チーム。左から越田、国本、清水、河村の各選手