2008/11/21

連載18 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

1966年(昭和41年)
第44回全日本スキー選手権大会

会場 :宮城県鳴子温泉・花淵山(滑降・回転)
会場 :長野県白馬村・八方尾根(大回転)
会場 :青森県大鰐町(ノルディック)

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 板垣 宏志 明大 216.8
60m 志村 直紀 拓殖銀行 213.1
ノルディックコンバインド 板垣 宏志 明大 482.63
クロスカントリー 50km 高瀬 順司 朝日鉄工 3:27.56
30km 大塚 裕 朝日鉄工 2:00.01
15km 鈴木 宏尚 谷村学院 57.41
女子10km 加藤富士子 三馬ゴム 44.28
女子5km 加藤富士子 三馬ゴム 24.36
リレー(男子) 国鉄北海道 2:20.05
リレー(女子) 三馬ゴム 1:19.35
アルペン 滑降(男子) 福原 吉春 ゴールドウイン 1:34.1
滑降(女子) 西村 蓉子 ヤマハ 1:39.6
回転(男子) 気田 義也 早大 1:42.51
回転(女子) 細井ミヤ子 東洋木材 2:14.05
大回転(男子) 福原 吉春 ゴールドウイン 2:04.0
大回転(女子) 片桐 美雪 飯山南高校 1:38.8

大鰐グラウンドで行われたクロスカントリーで、女子の加藤富士子が10km、5kmの2冠を制した。男子は、50km、30kmで強豪を揃えた「朝日鉄工」が制し、30kmではワンツーの快挙。
 
アルペンは、福原吉春が社会人になって初制覇、学連組を抑えて2種目で優勝を飾った。

 

世界選手権大会派遣選手と成績
ノルディック:オスロ(ノルウェー)

 

代表選手 参加競技と成績
ジャンプ 複合 距離
藤沢 隆 70m 16 204.3 27 387.43
90m 2 207.6
笠谷 幸生 70m 17 203.6
90m 28 173.7
田口 民夫 70m 43 182.0
90m 35 167.0
沢田 久喜 70m 51 169.9
90m 36 166.7
谷口 明見 15 412.78
大久保勝利 31 375.81
佐藤 和男 15km 27 50:44.9
30km 39 1:48:07.6
リレー 11 2:25:05.1
佐藤常貴雄 15km 31 51:22.3
30km 30 1:46:11.7
50km 20 3:23:55.7
リレー 11 2:25:05.1
北村 辰夫 15km 37 52:11.2
小川 弘 15km 40 52:20.5
リレー 11 2:25:05.1
上村 浩平 30km 40 1:48:44.5
リレー 11 2:25:05.1
今井 進 50km 棄権
高橋 弘子 5km 32 19:54,4
10km 28 41:25.1
横山 光子 5km 34 20:59.8
10km 33 43:56.6

南半球ではじめて行われた世界選手権大会は、ノルディック、アルペンが同一会場で行われた。8月という時期、選手の宿舎が標高2800メートルの高地にあり、到着後、4~5日は少し動いただけで息が切れるという厳しい環境と戦った日本チーム。その中で、ジャンプの藤沢隆が、ノルディック史上初のメダリスト(2位)となったことは大変価値あるものとなった。その藤沢は、ノルディックコンバインドにも出場、日本選手でただ一人健闘した。クロスカントリーの女子が、世界選手権大会史上初出場となった。記念すべき最初の代表選手となったのは、高橋弘子(湯沢スキークラブ)と横山光子(風間スキークラブ)両選手だった。
 

アルペン:ポルティーヨ(チリ)

 

代表選手 滑降 回転 大回転
福原 吉春 男子 47 1:44.11 失格 36 3:35.04
猪股 栄一 男子 52 1:47.54 失格 47 3:41.44
気田 義也 男子 56 1:50.99 失格 48 3:44.32
猪谷 素子 女子 31 1:48.49 29 1:51.03 33 1:43.41
片桐 美雪 女子 32 1:48.51 27 1:40.28 29 1:36.46
大杖美保子 女子 33 1:50.33 失格 31 1:40.41

男子の回転は、出場した3選手がいずれも「失格」となり、世界の厚い壁の前に敗れ去った。日本選手の最高ランクは、片桐美雪(現姓・古川)の回転27位だった。

藤沢隆がみごとノルディック史上初の銀メダルを獲得した。写真はガスが出ているのか写りはよこないが、分解写真で飛び出しから着地までを捉えている。撮影したのはジャンプのコーチとして参加した中村圭彦。残念ながら今年逝去された。

藤沢隆がみごとノルディック史上初の銀メダルを獲得した。写真はガスが出ているのか写りはよこないが、分解写真で飛び出しから着地までを捉えている。撮影したのはジャンプのコーチとして参加した中村圭彦。残念ながら今年逝去された。

1967年(昭和42年)
第45回全日本スキー選手権大会

会場 :長野県白馬村・八方尾根国際(アルペン)
会場 :北海道札幌市・テイネ/大倉山(ノルディック)
競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 90m 青地 清二 雪印乳業 202.7
60m 谷口 明見 国鉄北海道 201.6
ノルディックコンバインド 谷口 明見 国鉄北海道 455.52
クロスカントリー 50km 佐藤 和男 東洋高圧 3:13.40
30km 佐藤 和男 東洋高圧 1:43.16
15km 佐藤常貴雄 北方自衛隊 51.15
女子10km 加藤富士子 三馬ゴム 39.34
女子5km 加藤富士子 三馬ゴム 20.20
リレー(男子) 日本大学 2:19.05
リレー(女子) 三馬ゴム 1:07.56
アルペン 滑降(男子) 丸山 仁也 西沢スキークラブ 2:14.15
滑降(女子) 大杖美保子 日大 2:26.14
回転(男子) 丸山 仁也 西沢スキークラブ 2:08.33
回転(女子) 酒井美代子 KKSスキークラブ 1:48.54
大回転(男子) 丸山 仁也 西沢スキークラブ 2:34.08
大回転(女子) 酒井美代子 KKSスキークラブ 2:20.83

丸山仁也がアルペン史上、初の3冠を達成した。他の種目でも谷口明見がジャンプ、ノルディックコンバインドの2冠、佐藤和男がクロスカントリー2冠、女子も加藤富士子、アルペン女子の酒井美代子がそれぞれ2冠を達成、実力者が遺憾なく力を発揮した大会となった。
(文中の敬称略)