2008/10/02

連載11 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

1952年(昭和27年)
第30回全日本スキー選手権大会
会場:北海道札幌及び富良野
 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 柴野 宏明 早大 76.5m/76.5m
ノルディックコンバインド 藤田 三郎 函館営林 444.0
クロスカントリー 長距離 菊地 重雄 三馬ゴム 1:14:57
耐久 平野 文雄 三井芦別 3:00:31
リレー 秋田営林A 2:39:32
アルペン 新複合(男子) 金丸 睦郎 東洋高圧 4.19
新複合(女子) 寺岡 敏子 三馬ゴム 6.10
滑降(男子) 斉藤 貢 小樽櫻陽高 3:39:3
滑降(女子) 寺岡 敏子 三馬ゴム 4:19:2
回転(男子) 金丸 睦郎 東洋高圧 166.7
回転(女子) 富山 トヨ 大鰐クラブ 147.3

国民体育大会と分離した第1回の大会は北海道札幌を中心に開催されたが、新設された札幌岳滑降コースが雪不足で競技不能となり、滑降競技を急遽、富良野町の北の峯コース(現在の富良野スキー場)に移すことで解決、豊平町黄金山バーン(回転)、札幌(ノルディック)の3会場に分けての開催となった。

 

第6回冬季オリンピック
オスロ(ノルウェー)/開催期間:2月14日~25日
 

代表選手 参加競技と成績
純飛躍 複合 距離
渡部 龍雄 59m/59m 27位
藤沢 良一 57.5m/55.5m 34位 396.333 14位 長距離1:14:41 61位
吉沢 広司 59.5m/56.5m 36位
川島 弘三 59.5m/56m 42位
山本 謙一 長距離1:08:49 22位
アルペン
滑降 回転 大回転
猪谷 千春 2:45:0 24位 2:05:7 11位 2:36:1 20位
水上 久 失格 失格 2:40:9 26位

アルペンが初参加したオリンピックで、日本にとって戦後初の参加となる。猪谷千春は、回転で11位と健闘、十分上位に進出できる力があることを証明した。

 

ジャンプで優勝したノルウェーのアルフィン・ベルグマン

ジャンプで優勝したノルウェーのアルフィン・ベルグマン

日本の渡部龍雄は34位だった

日本の渡部龍雄は34位だった

回転のゴールドメダリスト、オテマール・シュナイダー(オーストリア)

回転のゴールドメダリスト、オテマール・シュナイダー(オーストリア)

回転11位と十分世界で戦えることを証明した猪谷千春

回転11位と十分世界で戦えることを証明した猪谷千春
 

水上久は回転と滑降は失格したが大回転は26位だった

水上久は回転と滑降は失格したが大回転は26位だった

 

1953年(昭和28年)
第31回全日本スキー選手権大会
会場:秋田県大館市・大湯町

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 吉沢 広司 早大 81.0m/79.0m
ノルディックコンバインド 藤沢 良一 明大 454.20
クロスカントリー 耐久(50km) 小西 健吾 三井砂川 3:40.57
長距離(15km) 角 昭吾 秋田営林局 57:49
リレー 秋田営林局 2:33:19
アルペン 滑降(男子) 橋本 茂生 三井芦別 2:30.2
滑降(女子) 林 和子 沼田女高 2:21.4
回転(男子) 斉藤 貢 早大 170.6
回転(女子) 寺岡 敏子 三馬ゴム 86.0

アルペンの新複合が廃止され、すべて単体の種目となって現在の形態となった。
アルペンの滑降で38位になった丸山庄司(当時、白馬高校)は、平成13年から18年までSAJ専務理事を務め、平成19年11月、その長年の活動が認められて「旭日双光章」を受章した。現在は長野県白馬村にある対岳館を子息に任せ、自身は離れたところからスキー界を見つめながら自適の生活を送っている。
(本文の敬称略)