連載1 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった
1923年、大正12年、第1回の全日本スキー選手権大会がスタートした。日本スキー競技史のはじまりである。全日本スキー選手権大会(ノルディックのみ)からはじまった日本の競技は、オリンピックへの初出場、全日本学生スキー選手権大会の開催、アルペン競技の登場、世界選手権大会、全国高等学校選手権、全国中学校へと進んでいく。
その中で、それぞれの大会で頂点を極めた幾多の選手たちがいる。ここでは、日本の競技の変遷を記録で紹介していく。
なにしろ、80年以上前の記録であり、記録、名前、所属などに誤りがあることも考えられる。当時を知る方がいましたら、どうぞご指摘いただければ幸いである。
連載第1回の今回は、全日本スキー選手権大会がはじめて行われた1923年、翌1924年の記録から。第2回からは全日本スキー選手権大会を中心に、その年の五輪代表選手と成績、そしてトップ選手への登竜門ともいうべき全国高等学校スキー大会、全国中学校スキー大会などを年代別に紹介していきたい。なお記事の更新は、毎週は毎週木曜日を予定しています。
1923年(大正12年)
第1回全日本スキー選手権大会会場:北海道小樽市
競技名 | 種目名 | 優勝者 | 所属 |
---|---|---|---|
ジャンプ | 讃岐 梅二 16.10m | 小樽高商 | |
クロスカントリー | 1km | 上野 秀麿 5:59 | 小樽中学 |
4km | 秋山 広治 27:04.4 | 樺太・豊原 | |
10km | 島本 孫一 1:03:40 | 樺太・豊原 | |
リレー(8km) | 北海道(小樽商業) 49:05 | ||
テレマークスラローム | 深澤 謹吾 | 信越 | |
クリスチャニアスラローム | 船津 皐二 | 北海道 |
※青森県スキー連盟からクロスカントリーの距離が違うのではないかとのご指摘を受け、確認しましたところ第1回、第2回は「1km」、「4km」、「10km」でした。お詫びし、訂正します。
また、アルペン競技にあたる「テレマークスラローム」、「クリスチャニアスラローム」が第1回と第2回に開催されておりました。重ねてお詫びし、改めて掲載します。
1924年(大正13年)
第2回全日本スキー選手権大会会場:新潟県高田市(現在の上越市)
競技名 | 種目名 | 優勝者 | 所属 |
---|---|---|---|
ジャンプ | 緒方 直光 20.40m | 北大 | |
クロスカントリー | 1km | 山崎 正広 2:50 | 妙高クラブ |
4km | 矢沢 武雄 12:42 | 高田中学 | |
10km | 中川 新 56:54 | 早大 | |
リレー(8km) | 早稲田大学 36:15 | ||
テレマークスラローム | 萱場 哲雄 | 樺太 | |
クリスチャニアスラローム | 相川 正義 | 北海道 |
この年、第1回の冬季オリンピック大会がフランスのシャモニで開催された。
日本は同大会がテスト開催だったこともあり不参加。参加国16、参加者258名で行われた。