2008/08/21

連載5 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

1933年(昭和8年)
第11回全日本スキー選手権大会
会場:北海道札幌

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 成年 伊黒 正次 北大 47.0m/51.0m
少年 佐々木 清 大泊中 43.0m/45.5m
壮年 高橋 源三 盛岡 23.5m/24.0m
ノルディックコンバインド 成年 坪川 武光 早大 243.0
少年 関戸 力 小樽商業 264.2
壮年 富田 針雄 N.S. 269.5
クロスカントリー 長距離(18km) 成年 広島 精二 青森林友 1:33:24
少年 関戸 力 小樽商業 1:38:35
壮年 南 留三郎 札幌商業 1:54:01
耐久(50km) 清水 麟一 早大 3:52:30
リレー 早稲田大学 2:34:29

ジャンプで優勝した伊黒正次は、昭和35年から昭和39年までSAJの専務理事を、昭和39年から昭和46年まで副会長を務めている。この年、札幌・大倉山にシャンツェが完成、最長不倒距離は51m(伊黒正次)だった。その伊黒正次は、2000年10月4日に逝去されている。
小樽商業の関戸力は、クロスカントリー、ノルディックコンバインドの異なる競技で2冠を達成している。その関戸力は、1936年(第4回)のガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)で開催されたオリンピックに出場している。

 

1934年(昭和9年)
第12回全日本スキー選手権大会
会場:青森県大鰐

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 成年 伊黒 正次 北大 47.00m/55.50m
少年 府榮野三郎 樺太中央 51.50m/52.00m
壮年 川合 武美 米峰 30.00m/30.5m
ノルディックコンバインド 成年 山田 伸三 青森林友 273.8
少年 吉田 康雄 豊平中 285.9
壮年 川合 武美 米峰 289.3
クロスカントリー 長距離(18km) 成年 山田 銀蔵 青森林友 1:35:05
少年 岡田 信正 新潟連盟 1:35:00
壮年 葛西儀四郎 札幌連盟 1:48:07
耐久(50km) 箕輪 正治 小樽灌友 4:21:29
リレー 青森林友 2:26:11

1940年冬季オリンピックの札幌誘致が決定した。
地元でノルディックコンバインドを制した山田伸三は、後に青森県スキー連盟の理事長(昭和35年~47年)を経て、昭和60年(~平成1年)会長に就任している。平成12年3月20日、逝去された。

 

第12回全日本スキー選手権大会、ノルディックコンバインドで優勝した青森林友の山田伸三。山田は1936年のオリンピックでノルディックコンバインド、クロスカントリーに出場した(スキー年鑑第8号より)

第12回全日本スキー選手権大会、ノルディックコンバインドで優勝した青森林友の山田伸三。山田は1936年のオリンピックでノルディックコンバインド、クロスカントリーに出場した(スキー年鑑第8号より)

第12回全日本スキー選手権大会の開催を歓迎して大鰐駅前には歓迎門が作られた(スキー年鑑第8号より)

第12回全日本スキー選手権大会の開催を歓迎して大鰐駅前には歓迎門が作られた(スキー年鑑第8号より)

 

1935年(昭和10年)
第13回全日本スキー選手権大会
会場:北海道札幌

 

競技名 種目名 優勝者 所属 記録
ジャンプ 成年 安達 五郎 札幌鉄道 58.00m/59.00m
少年 亀ヶ森 隆 北中 38.50m/56.00m
壮年 秋野 武夫 小樽潮陵 34.50m/35.00m
ノルディックコンバインド 成年 関口 勇 北大若老 393.5
少年 府榮野三郎 北中 384.0
壮年 高橋 源三 盛岡 420.7
クロスカントリー 長距離(17km) 成年 山田 伸三 青森林友 1:20:23
少年 村井 三男 名中 1:25:54
壮年 南 留三郎 札幌商業 1:36:07
耐久(56km) 岡崎 作治 大夕張 5:22:22
リレー 青森林友 2:57:25

耐久はこの年、50kmから「56km」に距離が延長されて実施されている。理由は不明だが、56kmで行われたのはこの第13回大会のみ。
(文中の敬称略)