2009/08/13

連載54 記録に見る日本のスキー競技史
1923年、日本のスキー競技ははじまった

2003年(平成15年)
第81回全日本スキー選手権大会

 

  

アルペン :長野県野沢温泉村 野沢温泉スキー場(技術系)
:岩手県雫石町 雫石スキー場(スピード系)
ノルディック :長野県白馬村 白馬ジャンプ競技場/スノーハーブ(JP/NC)
:北海道札幌市 白旗山クロスカントリー競技場(CC)
:秋田県真室川町 秋山クロスカントリーコース(CC)
フリースタイル :福島県猪苗代町 リステルスキーファンタジア
スノーボード :新潟県塩沢町 上越国際スキー場

 

■アルペン

   

種目 1位 2位 3位
男子
スーパーG①
田島あづみ
(小賀坂SC)1:35.16
佐藤照友旭
(山形県庁スキー)1:35.20
土井 俊幸
(道東海大) 1:35.68
男子
スーパーG②
本田 浩樹
(日大) 1:39.76
八木橋拓史
(中大)   1:40.06
田島あづみ
(小賀坂SC)1:40.10
女子
スーパーG①
三原 優以
(一宮女高)1:46.41
三浦 美里
(立命館大)1:46.72
安田かずみ
(歌志内高)1:47.19
女子
スーパーG②
長谷川絵美
(六日町高) 1:42.24
安部実和子
(道東海大) 1:43.46
奥井 迪
(早大) 1:43.49
男子
大回転
生田 康宏(東京美装)
56.20/56.73 1:52.93
大瀧 徹也(野沢温泉)
56.86/56.89 1:53.75
関塚 真一(日大)
57.01/57.29 1:54.30
女子
大回転
清澤恵美子(専修大)
1:01.02/1:02.59 2:03.61
梅原 玲奈(日大)
1:01.19/1:02.45 2:03.64
福島のり子(白馬村SC)
1:02.58/1:01.92 2:04.50
男子
回転
湯淺 直樹(道東海大)
46.05/53.16 1:39.21
生田 康宏(東京美装)
45.64/54.22 1:39.86
大瀧 徹也(野沢温泉)
46.02/54.20 1:40.22
女子
回転
梅原 玲奈(日大)
45.89/43.79 1:29.68
滝下 樹理(日大)
46.16/44.18 1:30.34
高橋 育美(大東文化大)
47.05/44.59 1:31.64

雫石のスーパーGは、今大会で10回目を数え、次回のスピード系は長野県・白馬村で開催されることになっている。技術系は、新鋭、湯淺直樹が2本目にラップタイムを叩き出して生田康宏を逆転、初優勝を飾った。現在、スキークロスに転向した東京出身の梅原玲奈が回転優勝、大回転でも100分の3秒差の2位と活躍した。

 

当時のジャパンチームAランク選手
男子 佐々木明

 

■ノルディックコンバインド

順位 選手名 所属 飛躍点 距離タイム
萩原 貴則 トーエネック 195.0(17) 44:01.6(2)
佐藤 純 東京美装 211.0(5) 45:16.8(5)
湊  祐介 鷹巣農林高 206.0(12) 44:59.2(4)

ジャンプで2本K点越えをマークした田中耕介(中大)が2位に28秒差をつけてリードした。後半のクロスカントリーは、ラップに2分30秒差の17番でスタートした萩原貴則が16人をごぼう抜きして優勝を飾った。後半、ラップタイムをマークしたのは高校生の沖津悠太(飯山南高)で、ジャンプ28位から総合5位とみごとな走りを披露した。

 

当時のジャパンチームAランク選手
高橋大斗

 

■クロスカントリー

     

種目 1位 2位 3位
男子
10km C
大山 勝広
(東京美装)27:07
青木 正和
(陸自冬戦教)27:09
笠原 史人
(JR北海道)27:22
男子
複合
大山 勝広
(東京美装)1:07:21.6
溝渕 勇司
(日大) 1:08:01.0
山岸 修
(アインズSC)1:08:06.1
男子
スプリント
溝渕 勇司
(日大)
畔上 大地
(NTT長野)
堀米 光男
(志賀高原)
男子
30km F
溝渕 勇司
(日大) 1:20:11.3
島田 武彦
(東京美装)1:22:00.3
駒村 俊介
(池の平SC)1:22:09.9
男子
50km C
駒村 俊介
(池の平SC)2:40:07.5
工藤 博
(同和鉱業SC)2:42:40.4
細川 勝人
(陸自冬戦教)2:46:09.7
男子
リレー
陸自冬戦教A
1:36:45.5
日本大学
1:36:52.4
早稲田大学
1:38:16.6
女子
5km C
目黒 香苗
(陸自冬戦教)15:29.4
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)15:35.6
大高 友美
(陸自冬戦教)15:53.7
女子
複合
目黒 香苗
(陸自冬戦教)44:09.1
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)44:55.6
大高 友美
(陸自冬戦教)46:16.5
女子
スプリント
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)
大高 友美
(陸自冬戦教)
越田 夕香
(陸自冬戦教)
女子
15km F
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)45:39.4
福田 修子
(弘果SRC)45:47.4
目黒 香苗
(陸自冬戦教)45:53.5
女子
30km C
曽根田千鶴
(陸自冬戦教)1:54:36.7
福田 修子
(弘果SRC)1:55:19.0
富澤 幸絵
(日体大) 1:55:51.9
女子
リレー
陸自冬戦教
56:30.4
旭川大学高校
59:52.4
飯山北高校
1:00:19.2

50kmクラシカルで優勝した駒村俊介は、10km地点、20km地点、30km地点すべてで1位通過し、完全優勝を飾った。女子の曽根田千鶴は、前年2勝、今大会でも3種目で優勝を飾った。

 
当時のジャパンチームAランク選手
男子 今井博幸・恩田祐一
女子 夏見 円

 

■ジャンプ

順位 ラージヒル 順位 ノーマルヒル
岡部 孝信(雪印スキー部)
116.5m/112.0m 209.3
山田 大起(北野建設)
94.5m/95.5m 251.5
一戸 剛 (アインズSC)
120.5m/103.5m 199.2
原田 雅彦(雪印スキー部
93.5m/94.0m 251.0
伊東 大貴(下川商業高)
108.0m/115.5m 198.3
岡部 孝信(雪印スキー部)
95.0m/91.0m 245.0

■女子(ノーマルヒル)

山田いずみ(ロイズスキー部)
84.0m/85.0m 205.5
金井理恵子(大東文化大)
82.0m/88.0m 198.0
葛西 賀子(北海道工業大)
78.0m/80.5m 181.0

今大会から中学生の参加が認められ、岐阜・久々野中学の船渡裕太がノーマルヒル、ラージヒルに出場した。ノーマルヒル74位、ラージヒル72位とデビュー戦だったが、その後、船渡はジャパンチームのメンバーとなった。

ノーマルヒルは、常勝原田雅彦をわずかに抑えて山田大起が初優勝を飾った。

 
当時のジャパンチームAランク選手
葛西紀明・宮平秀治・船木和喜

 

第23回全日本フリースタイル選手権大会

種目 男子 得点 女子 得点
モーグル 1 益川 雄 (飯山南高) 23.55 1 伊藤あづさ(奥伊吹SC) 20.35
2 新田健太郎(HOT&CRAZY) 23.34 2 水谷 夏女(日大三高) 19.43
3 尾崎 快(川口玉置組) 23.26 3 伊藤 みき(奥伊吹SC) 19.41
デュアルモーグル 1 上野 修 (野沢温泉) 1 伊藤あづさ(奥伊吹SC)
2 中村 綱樹(藤野バンパイ) 2 福田 咲(ブラックダイヤモンド)
3 中村 彰宏(BUMPS) 3 久保田裕実(SCSバンパイ)
エアリアル 1 水野 剣 (ノースランドSC) 158.59 1 千田 直美(白馬村SC) 91.38
2 瀬上 悟 (白馬村SC) 142.35 2 金子 愛 (エクステック東松山) 67.70
3 西川 史朗(スカーゼFSST) 133.65 3 逸見 佳代(スキーチームセロ) 53.71

モーグルは、悪天候の中で行われ、決勝が行われるころには吹雪となって予選の結果を決勝として試合を成立させた。伊藤あづさは初の2種目制覇、妹のみきも3位と初の全日本選手権の表彰台に立った。

 
当時のジャパンチームAランク選手
男子モーグル 附田雄剛
女子モーグル 里谷多英・上村愛子

 

第9回全日本スノーボード選手権大会

種目 男子 得点 女子 得点
PGS 1 戸崎 啓貴(小嶋アカデミー) 1 竹内 智香(小嶋アカデミー)
2 森野 伊智(道東海大) 2 飯田 蘭 (ホクトスポーツ)
3 和田 吉広(白馬村SC) 3 塚本芽衣子(札幌スポーツ館)
HP 1 村上 大輔(クルーズ) 36.9 1 吉川 由里(ユーピースポーツ) 31.4
2 石原 崇裕(山梨県庁SC) 34.8 2 中島 志保(大垣スキー協会) 29.9
3 成田 童夢(夢くらぶ) 34.2 3 太谷 美果(白馬村SC) 28.1
PSL 1 川口 晃平(日体大) 1 竹内 智香(小嶋アカデミー)
2 後藤 友樹(秋田SBC) 2 飯田 蘭 (ホクトスポーツ)
3 藤本 光海(バットマンクラブ) 3 家根谷依里(道東海大)

パラレル系の第一人者、飯田蘭を抑えて新鋭、竹内智香がパラレルGS、SL2種目を制し、頭角を現した。竹内は、この優勝をきっかけに一気にこの種目のトップへ駆け上がった。神戸市出身の家根谷依里も3位と初の表彰台にたった。家根谷は札幌にボード留学し、確実に実力をつけている。

 
当時のジャパンチームAランク選手
男子ハーフパイプ 成田童夢・中井孝治・村上大輔
女子ハーフパイプ 山岡聡子
女子スノーボードクロス 三宅陽子

FIS世界選手権大会

ノルディック

開催国:イタリア(ITA)
開催地:バルディフィエメ(Val di Fiemme)

 

■ジャンプ

NH 3/葛西 紀明
99.0m/104.0m 259.5
4/宮平 秀治
101.0m/101.0m 259.0
15/船木 和喜
94.5m/99.0m 235.5
26/高野 鉄平
91.5/96.5m 221.5
LH 3/葛西 紀明
131.0m/130.5m 286.5
5/宮平 秀治
130.0m/130.5m 264.4
16/船木 和喜
125.0m/119.5m 237.6
38/東  輝
108.0m 91.9
団体 2/船木・東・宮平・葛西 1010.1

 

■ノルディックコンバインド

個人 10/高橋 大斗+2:21.8 18/森  敏+4:06.2 26/小林 範仁+5:22.0 33/青木 純平+6:07.3
スプリント 29/高橋 大斗+1:58.3 32森  敏+2:09.3 43/小林 範仁+3:13.7 45/富井 彦+3:30.1
団体 6/小林・高橋・青木・森 844.5

金メダルには届かなかったが、葛西紀明が3種目でメダルを獲得、気をはいた。荻原健司が抜けたノルディックコンバインドチームは、高橋大斗を若きリーダーとして挑んだが、団体でかろうじて6位入賞、しかし個人戦では10位に終わった。

 

■クロスカントリー

15kmC 34/神津 正昭
37:42.8
49/堀米 光男
38:31.8
今井 博幸
棄権
恩田 祐一
棄権
CC複合 43/神津 正昭
49:35.0
52/金丸 富男
50:19.0
56/堀米 光男
50:44.9
61/蛯沢 克仁
51:43.1
30kmC 18/蛯沢 克仁
1:14:00.7
25/今井 博幸
1:14:59.8
36/金丸 富男
1:16:45.3
神津 正昭
棄権
スプリント 17/恩田 祐一
50kmF 9/今井 博幸
1:56:33.5
20/堀米 光男
1:58:04.6
32/神津 正昭
1:58:53.2
45/蛯沢 克仁
2:02:41.7
リレー 9/蛯沢・今井・堀米・神津 1:33:58.2
15kmC 17/福田 修子
42:03.1
19/横山寿美子
42:03.7
36/石田 正子
43:24.9
39/夏見 円
44:50.5
10kmC 30/横山寿美子
28:07.3
37/石田 正子
28:40.3
47/越田 夕香
30:02.4
CC複合 32/横山寿美子
27:45.3
39/福田 修子
27:58.7
56/夏見 円
29:56.3
57/越田 夕香
30:06.4
30kmF 34/福田 修子
1:21:38.8
42/越田 夕香
1:25:58.3
スプリント 16/夏見 円
3:41.15
リレー 12/石田・福田・横山・越田 54:12.1

長距離のスペシャリスト、今井博幸が50kmでフリーという苦手な走法ながらシングルランクに入ったのが好材料。期待されたスプリントの夏見円は、16位に終わった。

 

アルペン

開催国:スイス(SUI)
開催地:サンモリッツ(ST.Moritz)

男子滑降 欠場
男子スーパーG 38/佐々木 明 1:44.37
男子回転 22/木村 公宣 1:43.03 佐々木 明    棄権 皆川賢太郎 棄権
男子大回転 佐々木 明   棄権 大瀧 徹也   棄権
男子複合 佐々木 明   棄権
女子滑降 欠場
女子スーパーG 欠場
女子回転 29/廣井 法代 1:45.54 38/柏木久美子 1:49.36
女子大回転 33/柏木久美子 2:38.95
女子複合 欠場

男子回転は、木村公宣の後継者といわれ、大会前のウェンゲンで行われたワールドカップで2位に入った佐々木明に期待がかけられたが、残念ながらコースアウト、皆川賢太郎も同じくコースアウトして日本スラローム陣は結果を残すことができなかった。

 

フリースタイル

開催国:アメリカ(USA)
開催地:ディアバレー(Deer Valley)

 

男子エアリアル 24/桑原 豪
189.14
30/水野 剣
35.53
男子モーグル 11/附田 雄剛
25.32
20/益川 雄
22.85
23/上野 修
21.83
男子デュアルモーグル 2/附田 雄剛 17/益川 雄 17/下山 研朗 33/上野 修
女子エアリアル 千田 直美 棄権
女子モーグル 14/上村 愛子 14/里谷 多英 14/畑中みゆき
女子デュアルモーグル 6/里谷 多英 17/上村 愛子 畑中みゆき棄権

ワールドカップでも、なぜかデュアルの方が圧倒的に成績がいい附田雄剛が、みごと戸国のデュアルで銀メダルを獲得した。回転が速く、しかも切れのいいスキー操作で、わすかの差で金メダルを逃したが、レベルの高いトップ選手に混じって賞賛に値するメダル獲得だった。

 

スノーボード

開催国:オーストリア(AUT)
開催地:クライッシュベルグ(Kreischberg)

男子HP 1/成田 童夢
29.6
35/村上 大輔
22.3
45/中井 孝治
15.5
52/村上 史行
8.0
藤本光海 棄権
川口晃平 棄権
男子PGS 33/川口 晃平
49.08
藤本 光海
棄権
男子PSL 26/川口 晃平
21.06
37/藤本 光海
男子SBX 欠場
男子BA 12/中井 孝治
15.9
17/石川 健二
女子HP 9/山岡 聡子
29.0
27/吉見 茉保 30/岩渕千代子
女子PGS 33/飯田 蘭
55.84
39/竹内 智香
56.95
44/家根谷依里
58.89
48/塚本芽衣子
1:00.15
女子PSL 13/家根谷依里
23.71
29/飯田 蘭
25.20
30/竹内 智香
25.37
41/塚本芽衣子
27.95
女子SBX 27/三井 香織

出場全選手を通じて最も良かったのが、ハーフパイプ女子、山岡聡子の9位だった。パレレル系を含めて、今大会も世界の厚い壁を突破することはできなかった。