競技

2020/02/03

【REPORT 第5次スノーボード(ハーフパイプ)遠征②】
WCマンモスマウンテン大会 先に繋げる挑戦

 スノーボード・ハーフパイプチームは1月26日よりヨーロッパでのワールドカップ・ラークス戦(スイス)、第3回ユースオリンピック冬季競技大会(ローザンヌ・スイス)、アメリカでのX Games参戦を経て、チーム全員が再合流しWCマンモスマウンテン大会(アメリカ)へと臨みました。

チーム集合写真

 男子は戸塚優斗選手(ヨネックス)、平野流佳選手(ムラサキスポーツ)、平野海祝選手(開志国際高校)の3名で臨み、平野海祝選手はワールドカップのデビュー戦となりました。それぞれの選手が持つ課題、試合での演技内容、戦略をコーチと事前に共有し準備を進めました。3名すべての選手において、本試合での結果獲得以上に、先に繋げていくための内容を見据えて臨みました。

 参戦した3名全員が予選を通過し、決勝では新たな演技構成への挑戦を行いました。段階的に難易度を上げていく他者との駆け引き、点数の出具合を見ながら演技内容を構成していく戦略的な取り組みも併せて進め、戦略的な勝ち方への取り組みを進めました。

戸塚優斗選手 photo/U.S. Ski & Snowboard

男子表彰

男子表彰式

国際インタビューを受ける戸塚選手

 戸塚選手は3本目の演技でFS DBL1440 – CabDBL1260 – SWBS900 – Cab1080 – FS DBL1260の高難易度の構成を完璧に決め97.20ポイントを叩き出し、今季4試合連続2位が続いたのちの初優勝を飾りました。

 平野流佳選手においても本大会中1、2の高さの演技で圧倒。FSDBL1260 – BS900 – FSDBL1440 – CabDBL1080 – FS1260を決めて3位に入り、今季4戦連続の表彰台を獲得しました。

 平野海祝選手は決勝では演技が噛み合わず9位でデビュー戦を終えることとなりました。これから経験を積み上位を目指します。戸塚選手、平野流佳選手においては今季ここまで出場した全ての試合で表彰台に上がっており、安定感のある結果を得ています。今持っているベースを基に、先を見据えた内容への取り組みを進め、さらなる進化に挑んでいきます。

平野流佳選手 Photo/U.S. Ski & Snowboard

平野海祝選手 Photo/U.S. Ski & Snowboard

 女子では今井胡桃選手(プリオHDスキー部)、小野光希選手(スノーヴァ溝の口-R246)、松本遥奈選手(クルーズ)、冨田るき選手(開志国際高校)の4名で臨みました。冨田るき選手が予選で演技が噛み合わず予選敗退となりました。ラークスでしっかりと準備をして挑んだ大会だっただけにトレーニングしてきたことを出せずに悔しい結果となってしまいました。

 今井選手、小野選手、松本選手の3名は決勝へと駒を進め、決勝では皆1本目から攻めた演技構成で挑みました。小野選手、松本選手は演技を決めきれずに終わってしまいましたが、今井選手は2本目、3本目としっかりと演技を決め6位入賞。しかしながら、上位5人の選手たちは高さ、演技構成、グラブバリエーション、長さなど細かな点においても一段階上の次元の内容で、日本人選手との現状での差を感じることとなりました。課題が明確であるため、どの様にして改善していくかの方法を選手たちと考え取り組んでいきたく思います。

公式トレーニング中の小野選手と村上コーチ

ワールドカップリーダーの証であるイエロービブ

 本試合では選手たちは目先の結果獲得に走らず、先に繋げる戦い方で臨んでいました。自分たちが目指している目標の設定が予選通過なのか優勝、表彰台獲得なのかで、そこに取り組む内容、方法も変わってくることを現場コーチたちと選手たちで共有して、自身のベースを上げていく取り組みを進めていきます。

 今年は天候にも恵まれ、素晴らしい環境のなかで試合に臨むことができました。この素晴らしい環境を用意いただいたマンモスマウンテンスキー場、US Snowboardingの運営に感謝いたします。

スタートワックス作業

HPS前田トレーナーのケアサポート

 本遠征はまだまだDew Tour参戦、その後にはWCカルガリー大会(カナダ)参戦と続きます。引き続き2020北京オリンピックでのパフォーマンス発揮を見据え、チームとして準備をして参ります。

報告/スノーボード・ハーフパイプチーム ヘッドコーチ 治部 忠重