競技

2014/01/22

【REPORT スノーボードW杯HPストーンハム大会】
男女優勝から見えた今後の収穫

1月16,18日にカナダのストーンハムでHPのワールドカップが開催された。会場となったケベックシティーは期間中比較的暖かい日が続き、ハーフパイプのコンディションは壁が氷状、ボトムがシュガースノー状の柔らかな状態で、急激なコンディション変化に対応するのが非常に難しい状況であった。

 

予選では男子・青野令、女子・岡田良菜がコンディション状況に苦戦する選手が多い中、高さを出した演技を最後まで繋ぎ、圧倒的な点差で1位で決勝へと駒を進めた。他の日本人選手達も勝負強く自分の演技を決め全員がセミファイナルへ進んだ。日を別に行われたセミファイナルでも、冷静な試合運びを行いミス無く全員で決勝の舞台で戦う状況となった。

 

男子12名中5名、女子6名中4名が日本人選手となった決勝の舞台では、他国の実力をつけてきている選手達も果敢に攻めてくる状況となり、我々も決して油断する事ができる状況ではなかった。

 

女子からスタートした決勝1本目では、日本人選手達が次々と演技を決めた。その中でも予選同様に高さと演技の精度を上げる事で臨んだ岡田も演技を決め86.5ptを出し、1本目の折り返しで暫定1位の位置につけた。2本目でも他の選手達も追い上げの為攻めてくるも高さでは岡田が圧倒し、2本目の演技の前に優勝が確定しウイニングランとなった。本人は更なる点数の上積みを狙い難易度を上げた演技構成で臨んだ。FS900を決めたものの着地で減速し高さを失い点数の上積みはできなかったが、岡田の上を狙う果敢な姿勢は先を見据えた闘争心が伺えた。

 

男子の決勝でも1本目から日本人選手が演技を決めてくるも70点台と点数が伸びなかった。高さと細かなミスが要因と考えられた。予選1位で決勝最終出走者の青野は予選同様高さ重視で臨んだ。ハーフパイプのコンディションが難しい中でも全ての技に高さを出した演技を決め1人90点台の92ptを出した。女子の岡田同様に2本目の演技の前に優勝が決まった状況であったが、青野も決勝2本目では難易度を上げた演技構成で臨み果敢に攻めた。最後のCabDoublecoke1080の着地で惜しくも転倒してしまったが、決めていればどのくらいの点数が出たのか見てみたかった。

 

2013-2014FISワールドカップの最終戦となった今大会では、男女共に優勝並びに女子では降旗由紀が2位、大江光が3位と日本人が表彰台を独占し、男子においても全員がファイナルの舞台で演技を出し切った形で幕を閉じた。

 

本大会で得た結果はもとより、各選手今後に活かせるゲームマネージメントができた事が大きな収穫であり、選手達にとっても今後世界と戦って行く上でも大きな自信になったのではないかと思う。今回は確実に結果を残せた事は喜ぶべき事ではあるが、他国の選手達も確実に実力を上げて来ているので更なる強化が必要と感じている。シーズンを通して参戦してきた試合の中で、確実に各選手達の成長が実感できたシーズンであった。世界で戦う上での課題も明確に見え、今後のトレーニングに生かしていきたい。

 

多くの応援ありがとうございました。

 

報告者:SB HPチームコーチ 治部忠重

 

NT参戦メンバー

NT参戦メンバー

青野

青野

岡田

岡田

男子表彰

男子表彰

女子表彰

女子表彰

男子ツアー表彰

男子ツアー表彰

男女優勝者

男女優勝者

参戦メンバー

参戦メンバー