競技

2015/10/05

【REPORT 第2次スノーボード競技(AL)タレント発掘育成事業】
「再現性」をテーマにターンの基本に取り組んだ遠征

 9/7~28の日程でニュージーランド マウントハットにて雪上およびフィジカルトレーニングを実施しました。雪上では11月からの実戦的なトレーニングを前に、フリーライディングをメインにしたトレーニングをおこない、フィジカルでは春から取り組んでいる体力強化の継続的な底上げを主な目的としておこないました。

 

 午前中におこなう雪上トレーニングの大きなテーマは、「ターンの再現性を上げる」と「ターン前半の捉え」です。ワールドカップクラスを目指す育成選手にとって、ターン切り返し後に自らボードへ積極的に働きかけてターン弧を作れないと速く滑ることはできません。さらに、この動きを10ターンやって10ターンともミスなく行えるようになることを目指すことが、「ターンの再現性を上げる」ということです。しかし、これは容易なことではありません。なぜなら、滑って行く中でスピードが上がっていったり、斜度や雪質が変化していく中で理想的なターンを継続することは、スキーでもスノーボードでも滑走経験のある方であればその難しさをご理解いただけるかと思います。

 

 これらの雪の状態やスピードなどをいかに予測しながら、体の連動性を高めていくかが本遠征での大きなテーマでした。また、この動きをハイスピードで継続的に行えるようになるためには、基礎的な体力が求められることから、雪上トレーニング後にはフィジカルトレーニングを欠かさず実施しました。有酸素運動、体幹、インターバルトレーニングなど、約2時間のメニューになります。これらのメニューをこなし、翌日に向けてボードのチューンナップをおこない、当日滑ったビデオチェックをし、食事を自分たちで作って食べたら倒れ込むように寝る、というスノーボードに没頭できる3週間を過ごすことができました。

 

 目に見える成果という部分では、まだやっと芽が出たというレベルですが、選手たちが今後やるべき方向性を体感を持って確認できたことで、11月から始まる本格的なシーズンインに繋がる遠征となりました。本遠征もtotoによる事業助成や、ご理解ご協力いただきました関係各位の皆さまに、選手、スタッフ一同感謝申し上げますと共に、今後ともご支援の程よろしくお願いいたします。

報告者:SBALコーチ 森 治人

 

遠征参加選手。遠征を通じて天候に恵まれる日が多く、十分な滑走日数を取ることができた

ケガの予防や滑走時のパフォーマンスアップを目的に、雪上トレーニング前にはラダーなどを利用したウォームアップを実施する

食事は当番制で自炊。夕食時は選手達がゆっくりできる数少ない時間

フリーランメインの遠征だったが計4回ゲートトレーニングをおこない、フリーランで練習した成果をゲートで確認する機会を設けた

悪天候でスキー場がクローズになった時には、プール施設を利用したトレーニングを実施