競技

2016/10/03

【REPORT 第2次フリースタイル・エアリアル遠征】
ウォータージャンプトレーニング適応能力と基礎技術の向上

 8月24日から9月22日、カナダのケベック州ラックボーポールにて第2次フリースタイル・エアリアルの遠征を行い、田原直哉、南隆徳の2名が参加しました。

 

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左から南隆徳選手、田原直哉選手、綿貫コーチ

 

 このケベックのウォータージャンプ施設には、日本チームは毎年遠征しており、なじみの深い施設です。ここではすべてのジャンプ台がエアリアル用とフリースタイル用(スロープスタイル、ハーフパイプなどのフリースタイルの他種目)の2段階に調整可能なため、カナダのエアリアルナショナルチームはもちろん、フリースタイルの他の種目のチームや選手も多くトレーニングを行っていました。

 到着3日後の8月27日、FISレースの Mondial Acrobatx 2016に参戦しました。短時間の調整でしたが健闘し、田原選手が3位、南選手も10位で予選を通過しました。最終結果は田原選手10位、南選手7位となりました。異なる会場に素早く対応する能力は確実に向上しています。

 

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カナダ、ケベック州ラックボーポールのウォータージャンプ施設” Centre Acrobatx Yves LaRoche” 3回転スタート地点より撮影

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Mondial Acrobatx 2016の決勝進出者10名を紹介する、ショウケースの一場面。(右から3番目が田原選手、左から1番目が南選手)

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ウォータージャンプで練習を行うカナダの選手

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ウォータージャンプ練習時の風景。プールサイドを歩くのは田原直哉選手

 

 FISレース参戦後、じっくりと腰を据えて細部にわたり技術強化を行いました。練習では、田原選手は踏切の安定度のさらなる向上と、3回転目に2回ひねる3回転4回ひねり(bFFdF)の習熟を、南選手は3回転における踏切時のスタンス(立幅)とスキーコントロール技術の向上を中心に取り組みました。細かな身体操作に集中しながらジャンプを跳ぶ、そして修正、を繰り返しました。地味な反復練習が続きますが、田原選手、南選手とも粘り強く取り組みました。また、フィジカルトレーニングとリカバリーも欠かさず行いました。

 メイプルリーフがうっすらと紅葉を始めた9月20日、4週間弱に及ぶ長期遠征も、大きな怪我なく無事終了することが出来ました。また今回は到着後すぐに試合に参戦するという難しい日程をクリアし、両選手とも経験値を上げたようです。その後じっくりと行ったトレーニングでは基礎技術のレベルアップを果たしました。冬に向けた課題も得て、今後の両選手のトレーニングビジョンも明確になりました。この後、田原選手と南選手は長野県白馬さのさかウォータージャンプで行われる全日本ウォータージャンプ選手権への調整に入ります。このようにエアリアルチームは本番の雪上に向け、順調に強化を行っています。今後も応援をよろしくお願いします。

 

報告/エアリアルコーチ 綿貫 雅弘