競技

2016/09/15

【REPORT 第1回フリースタイル・モーグル合宿】
ウォータージャンプ練習、勝利に向けて基礎技術向上を目指す

 8月1日から8月10日まで、長野県白馬村さのさかウォータージャンプ場及び国立スポーツ科学センター(JISS)にて、第1回フリースタイルモーグル合宿が開催され、強化選手6名が参加した。

 8月1日にチームは白馬村の合宿地に集合し、翌日2日から8日までの期間でウォータージャンプ練習及びフィジカルトレーニングを行った。期間中は午前に2時間半のウォータージャンプを行い、午後に3時間のフィジカルトレーニングのスケジュールで練習をした。

 

 ウォータージャンプでは大会で使用するエアの完成度点を8.0点(excellent)以上獲得するため、アプローチ(エアを飛ぶための準備姿勢)、テイクオフ(エア台の踏切り動作)、空中の演技、ランディング(着水姿勢)で、それぞれのポイントを意識して練習をした。特に集中して練習をしたのがアプローチとテイクオフだった。それはアプローチでのポジションの良し悪しがテイクオフに大きく影響を及ぼし、テイクオフの質が空中の演技とランディングの良し悪しを決めるためである。このアプローチとテイクオフをおろそかにするとエア演技点で8.0点以上の得点を獲得することは難しい。本合宿ではビデオカメラを用いて、アプローチ姿勢とテイクオフを正面、横、後方から撮影し、選手達に即時フィードバックをしながら練習した。映像でエアを確認することは、アプローチでのポジションやテイクオフのタイミングなど、主観では判断しにくいところが確認できるため、選手の課題が明確化され、少ない本数で効率のよい練習を行うことができる。本合宿ではこの練習を繰り返したことにより、結果的に空中の演技の質がよくなった。

 

1

7opA(コークスクリュー720)のアプローチ姿勢

2

bL(バックレイアウト)のアプローチ姿勢、腕をブロック(頭上に伸ばす)することにより、テイクオフを安定させている

3

bF(バックフル)アプローチとテイクオフが改善され、空中の体の締め(体を真っすぐにする)が改善された

4

10opA(コークスクリュー1080)高難度のエアも安定した

 

 

 また、午後のフィジカルトレーニングではモーグルに必要なパワー、スピードを高めるためのトレーニング(アジリティ、プライオメトリクス、レジスタンストレーニング等)を、米澤ストレングス&コンディショニングコーチが指導した。屋外、室内、芝生、坂など様々な地形でトレーニングをした。トレーニング後は乳酸カーブの値を改善するためのトレーニング(有酸素運動)を各自行い、それぞれの目標強度で週600分の課題を消化した。

 ウォータージャンプ合宿後、1日の移動日を挟んだ8月10日にJISSで、乳酸カーブテストを実施した。テスト結果をJISSの専門家にフィードバックをして頂き、今後の有酸素運動の量とターゲット心拍数を設定した。

 

 

5

アジリティトレーニング、つま先の向きや体軸を意識しながら

6

股関節のダイナミックストレッチを遊び感覚を取り入れながら

8

レジスタンストレーニング(オーバーヘッドスクワットのフォーム確認)

 

 本合宿を終えて、技術練習ではアプローチとテイクオフが改善されたことにより、空中の演技とランディングが安定し始めた。フィジカルトレーニングではパワーとスピードのトレーニングを取り入れ、雪上に向けた準備段階に入った。今後の課題は、今回練習した基礎技術をより高難度のエアへ繋げていく練習と、その練習に耐えられる体作りを継続して行うことが必要である。

 

 

報告/モーグルコーチ 城 勇太