競技
2016/11/30【REPORT 第3回フリースタイル競技モーグル種目タレント発掘育成事業合宿】
オフシーズンのフィジカルトレーニングの成果を体力測定で確認する
2016年11月15日から11月17日まで、第3回フリースタイル(MO)タレント発掘育成事業合宿が国立スポーツ科学センターで行われ、育成選手8名が参加した。本合宿は、今年2回目の体力測定合宿であり、6月に行った1回目の体力測定の数値と比較し、これまで行ってきたフィジカルトレーニングの成果を確認するためのものである。
育成チームでは6月から有酸素能力の向上をテーマに、有酸素運動の実施に力を入れてきた。有酸素能力はモーグル競技に直結する能力ではないが、向上させることで1日のトレーニング量を増やすことができる可能性がある。そして有酸素能力を向上させるには、中・長期のスパンでトレーニングを継続する必要があり、選手達は6月から週600分の有酸素運動の実施を目標に、トレーニングを行ってきた。選手によっては学業や雪上トレーニングで目標を達成できなかった時期もあったが、前向きに取り組んできた。
本合宿で行った有酸素能力の指標となる乳酸カーブテストの結果は、個人差はあるがチーム全体として向上しており、強化した成果が確認できた。今回の体力測定の結果から、今後の課題として姿勢の改善と筋力強化を行う。運動時の正しい姿勢は、選手の持っている筋力を最大限に発揮し、怪我のリスクも下げると考えられる。特に今回行われた姿勢チェックでは、ボックスジャンプの着地で膝を内側に入れる動きをする選手が多かったため、今後のトレーニングにおいて改善する。今回の測定ではチーム全体として最大筋力が向上していなかった。これは有酸素トレーニングと相反することから、想定内であった。チーム全体として有酸素運動の能力が向上してきたことから、来年のオフシーズンは次の段階として最大筋力のトレーニング量を増やし向上させる。
また合宿では、FISジャッジの田中千香子委員によるジャッジクリニックを行った。選手、コーチ共に参加し、映像を使いながらターン、エアについての採点方法を確認した。チームとして採点方法の傾向を戦略のひとつとして取り入れることができ、ワールドカップをはじめとする国際大会を戦う準備ができた。
育成チームは、今後フィンランドで雪上合宿を行い、ワールドカップへの参加を目指す。シーズンを通して現在の体力を維持できるよう継続的にトレーニングを行い、来年はさらなる体力強化を行い選手のレベルアップを進める。
報告/モーグルコーチ 附田 雄剛