競技
2016/11/30【REPORT 第3回フリースタイル・モーグル合宿】
2016/2017シーズンに向けて、最終チェック
平成28年11月12日から11月16日まで、国立スポーツ科学センター(JISS)および味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)にて、第3回フリースタイルモーグル合宿が開催され、強化選手9名が参加した。
11月12日にモーグル強化チームはNTCに集合し、翌日13日に米澤和洋S&Cコーチにシーズン中に行うトレーニング種目の指導を受けた。14日~16日はJISSにてフィットネスチェックを実施した。また、パフォーマンス向上と身体を守るためにマウスガードを作成し、ルールを熟知するためにジャッジクリニックを育成チームと合同で受講した。
米澤和洋S&Cコーチのトレーニングでは、オフシーズンに高めた基礎体力を、モーグル競技に必要な専門的体力へと変換していく種目を中心に行われた。ジャンプの正確性、筋力発揮の左右差、衝撃に備えた体幹保持エクササイズなど、選手個々に必要な要素が考慮されたメニューで、選手達もイメージが沸きやすく意欲的にトレーニングに励んでいた。フィットネスチェックでは、オフシーズン中にトレーニングした成果を確認し、向上した種目、維持している種目、低下した種目をそれぞれ分析し、最終日に選手一人ひとりに今後の取り組み方をフィードバックした。
伊藤みき選手は「12月のワールドカップ開幕に向けて、国内での最終調整として強化チームの合宿がJISSで行われました。合宿初日はトレーニングを行い、残りの3日間はフィットネスチェックでした。まず、初日のトレーニングでは、前回の海外遠征の雪上で個々の選手たちが足りないと感じたところを、米澤S&Cコーチに事前に連絡しておき、そこを補うために必要なメニューを選手ごとに組み立てて頂きました。各自がそれぞれそのメニューを持ち帰り、これから始まる海外遠征でS&Cコーチが不在でもしっかりとトレーニングしていくための大切な準備となりました。今の自分にあったメニューを組み立てて頂けることは本当にありがたいです。海外遠征では、選手個人で自分の身体と向き合わなければならないので、そのためにしっかりとした準備ができました。そして、2日目からはフィットネスチェックを行いました。オフシーズンを通して、自分の身体がどの状態まで作れてきているかを確認することが目的です。今の自分の状態を知ることはとても大事なことなのですが、結果があまり良くないと、これまで信じて取り組んできたことに不安が生じるため、このフィットネスチェックではいつも緊張します。特に今年は9月に少し膝の痛みがあったため、その間は別メニューで取り組んできたこともあり、どのような結果になるか不安な面がありました。しかし筋力に関してはここ数シーズンで一番高い数値が出たため、大きな自信になりました。そして今年もジャッジクリニックがありました。ルールの変更点を実際に滑っている映像を見て自分たちで採点することは、より実践的でジャッジ目線でしか発見できないことが見つかるため、いつも重要視しているセミナーのひとつです。今回の合宿では、自分ではトレーニングしているだけでは、気付けなかった問題点や、成長している部分など、それぞれの専門の方の観点から分析していただけ、更にシーズンに向けて大きな収穫のある合宿になりました。今回の合宿で、サポートしてくださった方々、チームスタッフ、チームに感謝しています。」
星野純子選手は「今回のフィットネスチェックでは、怪我後、初めて全項目を測定しました。過去の結果と比較することで、今の自分に何が足りないのかを数値で明確に知ることができるので、課題がより明確になりました。まもなくシーズンを迎えますが、少しでもその課題を克服していけるようトレーニングに励んでいきたいと思います。」
西伸幸選手は「今回の合宿を振り返って、自分は怪我後、初の全てのフィットネスチェックを行いました。怪我前と比べると数値が下がってしまっている種目もありましたが、左右差や自分のくせなどが明確にわかったので、次に繋がるものを沢山得られた合宿になりました。」
ワールドカップ開幕戦はフィンランド・ルカで12月10日(土)に開催され、モーグルチームは11月25日(金)より現地ルカにて雪上合宿に入ります。
報告/モーグルコーチ 城 勇太