競技

2016/11/28

第1次フリースタイルモーグル遠征報告
ツェルマットの氷河で夏のトレーニング成果を結実させる

平成28年9月27日から10月25日まで、スイス・ツェルマットにて、第1次フリースタイルモーグル遠征が開催され、強化選手9名が参加した。

 

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9月27日にモーグル強化チームは日本を発ち、同日に現地ツェルマットに到着した。翌日28日から10月23日までの期間で、オフを挟みながら約17日間の雪上練習を6クールに分けて行った。

 

 

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■各クールに陸上トレーニングを継続して実施

 

 

期間中は整地バーンでターンの質を向上する基礎練習と各選手の癖を修正する練習、そしてオフシーズン実施してきたエア合宿での基礎練習を第1クールで集中して行った。次の第2クールではモーグルコースへと移行し、コブの中でゆっくり滑りながら基礎練習で身に着いたスキルをコブへと繋げていき、エアにおいては難度を上げた練習へと移行した。現地は標高が高いため、この期間までは練習強度を落とし、練習時間も短く設定して行った。そして第3クールから第6クールにかけて総合滑走力を高めるため、スタートからゴールまで完走する練習を増やしていき、平行して選手の課題に応じた練習へと強度と練習の質を高めた。

 

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■例年よりもミドルセクションが長いコース

 

今年のモーグルコースは例年よりも第1エアがスタートよりに設置され、ミドルセクションが長く設定されていた。そのためミドルセクションは長い距離を滑ることができ、練習に適していた。その反面、疲労が溜まりやすくなるため練習量の調節が難しくなった。さらには、コブの間隔が一定ではなく所々に氷河が露出しており、難しいコース設定だった。このような難しいコースで選手達はウォータ・ジャンプで練習してきた成果を十分に発揮し、男子はbdF(バックダブルフル)と10oA(コークスクリュー1080)、女子はbF(バックフル)といった高難度のエアを積極的に練習した。ターンにおいてはボディポジション、ライン取り、ポールワークなど、ジャッジに評価されるための練習をこの難しいコースの中で練習ができ、遠征の終盤には大会の滑りへと繋げることができた。

 

 

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■肉眼でも分かるほど氷河が出ている

 

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堀島行真選手:天候も良く、とても良い状況で雪上練習をする事が出来ました。怪我をしてしまった選手や、怪我から復帰してきた選手達と一緒に練習をさせてもらったことで、スキーができることの大切さを改めて感じました。怪我の怖さも身近に感じました。練習後のケアを欠かさず行い、今シーズンも精一杯、戦っていきます。

 

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■バックダブルフルの完成度にさらに磨きがかかった。(堀島行真選手)

 

 

四方元幾選手:今年のスイス遠征のテーマは、フラット技術の向上と、ウォーター・ジャンプにて練習したエアの確認でした。フラットの技術は試行錯誤を繰り返している最中で、まだまだ課題が残っていますが、最終クールには手応えが掴めました。フィジカルトレーニングは雪上練習とのバランスを考えて取り組み、最後まで体の痛みの無い状態でトレーニングが出来ました。エアですが今年はバックレイアウトを練習して基本が良くなったので、バックダブルフルも以前より良くなり、自信がつきました。次の遠征では今回取り組んだことを基にして、試合に向けた練習に移行させ、良いシーズンにしたいと考えています。

 

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■高難度のバックダブルフルと10opAのルーティーンで安定して通していた。(四方元幾選手)

 

原大智選手:スイス遠征での目的は、ターンの向上(主にターンの安定とスピード向上)、エアの成功率向上(バックダブルフル、10oA)でした。そして遠征後半は全てを合わせて、通す練習を計画していました。しかし合宿途中に右太ももを痛めてしまい、最後まで治すことができませんでした。痛めた原因は、主に疲労からくるものだと思います。その痛みが練習にも影響し、なかなか技術が向上せず、特に通す練習ができなったことが悔やまれました。しかしこれがワールドカップ開幕戦前でなかったことは、良かったと思っています。この反省をいかし、開幕戦前の練習量は体と相談して、無理せず攻めて行きたいと思っています。

 

 

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■ウォーター・ジャンプ練習の成果がバックレイアウトに表れた。(原大智選手)

 

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今年はワールドカップに参加するほとんどの国がここスイス・ツェルマットに集まっており、選手達は良い刺激を受けながら練習できたことが非常に良かった。約4週間と長期遠征だったが、天候にも恵まれ、充実した練習ができた。モーグル強化チームは12月にフィンランド・ルカで開催されるワールドカップ開幕戦に向けて、約一ヶ月間日本に滞在し、体力測定合宿を実施して調整する。

 

報告者:城 勇太