競技

2016/12/08

【REPORT フリースタイル】平成29年度コンプライアンス講習会
アスリートが直面する危険から身を守るために、学び・実践する

 平成28年11月24日(木)17時より21時30分まで、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいてコンプライアンス講習会が開催され、モーグル強化指定選手15名、コーチおよび専門委員11名が参加した。本講習会は既にハーフパイプ、スロープスタイル、そしてスキークロスの強化指定選手およびコーチを対象に10月26日(水)に第1回を実施しており、本年度部内では第2回目の講習会となる。本講習会の目的は3つあり、ひとつはトップアスリートとそれを支える者としての社会的な役割や責任を再認識すること、次に法規・法令を含むルールとその違反の理解、そして最後にアスリート自らが危険から身を守る術を理解し実践することであった。

 

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強化指定選手とスタッフ総勢30名が受講した

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法規法令を説明する森弁護士

 

 講習会は三部構成で展開した。まず法規・法令の観点から、TMI総合法律事務所の森咲枝弁護士より、法律とSAJの行動規範についての講義からスタートした。そこでは選手は法規・法令のみならず、SAJの行動規範、社会ルールを守る必要があり、違反した場合は選手活動が停止される可能性がある。

 

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実例をもとに様々な犯罪に係る、セキュリティ対策についてご説明いただいた警視庁の方々

 

 

 その後警視庁からサイバー犯罪、薬物、暴力団、賭博などについて、生活安全部サイバー犯罪対策課(SNS)、組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課(薬物担当)同部組織犯罪対策第三課(暴力団担当)の各担当者が、それぞれ具体的な事例とその対応策を紹介した。Wi-Fi利用の利点と欠点および注意点、SNS利用のトラブルとその対応方法、その危険事項の相談窓口の紹介など、選手やコーチが直面しやすい問題やトラブルは非常に身近な話題であった。選手はそれぞれの課題に対し、念入りにセキュリティ対策する必要があることを強く認識した。

 最後に、SAJが取り組むマーケティング活動、スポンサーの種類、パーソナルスポンサーについて、そしてオフィシャルウエアの着用に際しての注意点など、マーケティングおよびスポンサールールを、SAJ事務局の奥富局員が説明した。

 

 

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SAJ事務局担当者も参加した

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高野フリースタイル部長による閉会の挨拶

 

 これらの講習を通じ、選手たちは“国際競技会で活躍する”という自らの夢を叶えるために、自らがとるべき行動を、スタッフはそれを下支えするために必要な行動をそれぞれ再認識した。そして選手はSNSなどの身近な問題から身を守るためには、便利と危険の両面を理解して活用すること、そして自らの立場、日の丸を背負う日本代表であればこそより危険が高まることがあることも理解した。さらにはこれらのツールの特性を十分に理解したうえで、活用できるようになれば、競技活動をより充実させることが推測される。今後は部内、そして種目内において引き続きこれらの課題から身を守り、活用するためにはどう行動したら良いのか、個人、チームとしてそれぞれ考え、具体的な行動レベルまで落とし込み、実践するべく努めて行きたい。

 

報告/フリースタイル部ヘッドコーチ 斗澤 由香子