競技

2017/07/27

【REPORT 第1回フリースタイル競技モーグル種目
タレント発掘育成事業合宿】

集合

 

 2017年7月14日から20日まで北海道札幌において、第1回フリースタイル競技モーグル種目タレント発掘育成事業合宿が開催され、候補選手男女7名が参加しました。本合宿は選手の最終選考合宿と、そこで選考された選手に育成プログラムを提供する合宿という2つの機能を併せ持つ合宿です。

 

 初めに行われた最終選考合宿では選手に作文を提出してもらい、そのうえで部長、強化委員長、強化委員を交えて面談を実施しました。そしてそのタレントを認められた選手に対し、引き続き育成プログラムを提供しました。

 

 育成合宿のテーマは、「現状を知ること」、「知識を獲得して実践すること」、「チームになること」の3つです。

 

体力測定1

■最大パワー計測を行う村田優太郎選手と柳本理乃選手

 

 まず「現状を知ること」では、体力測定やメディカルチェック、体力トレーニングなどを通じて、現在の自分の身体の状態や身体能力を数値化したり、できる動作・できない動作をトレーナーの指導により認識したりすることで、現在の自分の能力を“知る=認識する”よう努めました。

 具体的には初日のガイダンスと講習に続いて、2日間にわたり体力測定を、その後、フリーウエイト、有酸素トレーニングを主とした体力向上トレーニングを実施しました。今回の合宿選手は女子がU-17、男子がU-19という年齢もあり、ウエイトトレーニングを本格的に導入していない選手もおり、まずは正しいフォームを獲得することに注意しながら行いました。最初はぎこちない動作も見られましたが、ストレングストレーナーの熱心なone on oneの指導により、一気に上達しました。若い選手の知識、技能吸収能力の高さには、目を見張るものがああります。

 

体力測定2

■脚筋力を計測する村田選手

 

 

 次に「知識を獲得し実践する」では、大学や専門学校で教鞭をとる専門家によるスポーツ栄養学、スポーツ心理学、トレーニング論、体力測定学、ケア・コンディショニング論、トップスポーツ論など、各スポーツ科学に基づく理論を連日学びました。講習は計14時間にわたって行われ、選手は自分が強くなるために理解しておくべきスポーツ科学の知識を獲得しました。そして学習で得た知識を、体力測定、体力トレーニング、食事、ウォームアップ、クールダウンなどの実技を通じて実践しました。特に食事では、栄養講習後そのまま管理栄養士とともに夕食会場に向かい、米の摂取量をスケールにて計量、自分が食べるべき量を実際に確認しました。予想以上の大盛りご飯に、選手はかなり苦戦をしていたようです。

 

授業1

■理論とその実技が示されたコンディショニングの講義

 

 

 

 

栄養指導

■講義後、夕食会場にて栄養指導を受ける西沢岳人選手

 

 

 最後の「チームになること」では、強化指定選手としての心がまえ、特に日本を代表するエリート選手としての使命を自覚することに始まり、互いに助け合い切磋琢磨してトップを目指す集団になることを認識しました。また、選手による話し合いや心理プログラムを通じて、チームとしての結束を高めました。

 選手たちは試合会場で顔を合わせたことがあるものの、初めて代表チームに召集されたフレッシュな選手たちばかりです。初めてラボテストを受ける選手もおり、すべてが初めて尽くしの中、新しい環境に対する戸惑いや不安が見て取れました。それでも選手同士の、そしてスタッフとのコミュニケーションが増えるにつれ、徐々に環境に慣れていきました。選手は試合ではライバル同士となりますが、同時にフリースタイル競技のモーグルを愛し、オリンピックでのメダル獲得という夢を追いかける同士でもあります。どの選手も全ての課題に対し、自分たちのするべきことに真剣に取り組もうと努力しており、今後の成長がとても楽しみです。

 

ウエイト

■スクワットの基本姿勢を確認する

 

 フリースタイル競技モーグル種目タレント発掘育成事業は、スポーツ振興くじの助成を受けて実施しています。今回の第1回を皮切りに3月まで、国内合宿5回、海外遠征が3回予定されています。本事業は「Learn to compete」という 「国際競技会で競うことを学ぶ年代」に必要な心・技・体・智を獲得すること、そしてアスリートとして、ひとりの人として豊かな人間性を獲得することを目指し、今後も選手に様々な刺激を与えていきます。

 

報告:フリースタイル部ヘッドコーチ 斗澤 由香子