競技

2017/08/03

【REPORT 第1次スノーボード競技(SBX)タレント発掘育成事業遠征】
コンチネンタルカップ自己最高リザルトとFISポイントの獲得

本遠征はtotoによる助成金を受けて行われている

 

 

 第1次スノーボード競技スノーボードクロス・タレント発掘育成事業として、7月21日から31日にかけて、オーストラリアのマウント・ホッサムで開催されたオーストラリア・ニュージーランド選手権(COC=コンチネンタルカップ)2戦への大会参戦遠征を行ないました。遠征に参加したのは手計岳隆選手(日本体育大学)。

 

 南半球に位置するオーストラリアは現在、真冬のハイシーズンで、マウント・ホッサムスキー場は決して降雪量の多い地域ではありませんが、今大会もスタートセクションからバンクやジャンプセクションまで、スピード域の高いすばらしいコースとなっていました。今大会におけるチーム目標はベスト8進出。また、遠征全体の目的としては、4月からのフィジカルトレーニング進捗度の雪上確認と、フィジカルトレーニングと滑走技術のリンク、そしてレース経験値の向上を目指しました。

 

ラダートレーニングを行う手計選手

 

 結果は第1戦では予選6位、決勝9位で104ポイントを獲得。第2戦では予選なし、決勝4位入賞で180ポイント獲得と大健闘しました。コンチネンタルカップ4位、FISポイント180pt獲得は、手計選手にとってともに自己最高の結果です。4月からのフィジカルトレーニングによる全身のパワーアップや体重の2kg増といった日々の成果を感じることができ、海外の同世代のトップ選手ともスタートから張り合えるようになり、ベスト8という遠征目標も達成することができました。

 

ANC第2戦表彰式。手計選手4位入賞(写真一番右)

 

 また、以前から詰めてきた点にも成果が見られました。ひとつは、ベストパフォーマンスを発揮するために集中力を高める一連の動作、ルーティンを具体的に取り入れたことです。ウォーミングアップから脚部屈伸運動、呼吸法などの3段階を意図して行ない、スタート前の集中力を安定して高いものにさせていくことができました。2点目は、イメージトレーニングについてのチームミーティングを重ねて行なうことができ、それによって手計選手が大きな気づきを得たことです。

 その結果、第2戦では全レースにおいて彼自身のルーティンの完成度をひとつレベルアップさせることができ、前の晩に行なったイメージトレーニングを大会滑走でシンプルに身体で表現することができました。完成形ではまだまだありませんが、選手にとって意義あるものにし続けるために今後も慎重に見守っていきたいと思います。

 

ビッグファイナル直前、集中力を高める手計選手

スタートゲートイン(写真一番右)

 

 

 手計選手は大きな成功体験をまたひとつ積み上げたことで、帰国後のトレーニング、この先の10月ヨーロッパ遠征、11月ヨーロッパ大会遠征、そしてワールドカップや長期目標である2022年、2026年のオリンピックへ向けてやる気と自信をのぞかせていました。11月までの課題として、継続的なフィジカルトレーニングによる全身のパワーアップ、体重をさらに2kg増で74kgに到達させること、スタートセクションでの細かいリズムの速く強い動きの動作練習を陸上トレーニングで行なうことが挙げられます。ワールドカップ初参戦へ向けて盤石の構えで臨みます。

 

スタートセクションを競う手計選手(写真一番右)

 

 最後に、本遠征はtoto(スポーツ振興くじ)による助成金のもと行なわれ、多くのスタッフや手計選手を応援している皆様のご協力により、大変有意義なものにできたことをあらためて感謝申し上げます。

 

報告=スノーボードクロスコーチ 押田考史