競技
2017/09/26【REPORT 第1次スノーボード(ハーフパイプ)遠征】
2017/2018シーズン 平昌五輪に向けてのはじめの一歩
スノーボード・ハーフパイプチームにおいて、いよいよ平昌五輪を迎える2017/2018シーズンが幕を明けました。新生チームの第1次遠征が、8月13日〜9月21日の日程で南半球のニュージランドで行われました。本遠征にはオリンピックの出場資格を満たすためのワールドカップ参戦も含まれており、チームとしても確実な結果を求めて臨む遠征となりました。
本年度のチームには前回のソチ五輪でメダルを獲得した平野歩夢選手(木下グループ)、平岡卓選手(バートン)の実績のある選手に加え、昨年度の全日本選手権を制してチーム入りを果たした15歳の戸塚優斗選手(ヨネックス)、近年確実に実力を付けてきている片山來夢選手(バートン)の層の厚い選手4名が男子ではそろいました。また、女子は昨季から実績を上げてきている、松本遥奈選手(クルーズ)、 大江光選手、今井胡桃選手(ともにバートン)に、新たに冨田せな選手(開志国際高校)が加わった4名、総勢8名での遠征となりました。
本遠征では今季初戦となるワールドカップにおいて、確実な結果を出すための準備に取り組みました。この試合参戦に向けた準備は、今後の平昌五輪本番を見据えたものであり、選手がパフォーマンスをフルに発揮するためのチーム全体としての取り組みとなります。個人種目のハーフパイプ競技ではありますが、コーチやトレーナー、サービスマンなど、現場で選手と関わるサポートスタッフとの関係・連携が、最終的に選手自身のパフォーマンスを後押しする重要な力となることを過去の教訓から学び、強化に取り組んでいます。
迎えたワールドカップ初戦には、確実な調整・準備を進めて行くことができまし た。試合期間に入ってからは天候との戦いとなり、与えられた環境における最善の対応ができるようにと気持ちを切らさないように誘導を心がけました。予選、準決勝、決勝という流れの予定でしたが、予選を終わった段階で天候によっては準決勝、決勝をまとめて行う、また、試合方法も3本の試技を2本に変更して行う可能性も示唆されるなかで進められました。
男子予選においては片山選手、平野選手が直接の決勝進出を決め、平岡選手、戸塚選手が準決勝へと進むこととなりました。女子はアメリカ、中国の強豪選手が参戦するなか、大江選手が唯一決勝へと駒を進めました。準決勝当日は天気の悪化の予報を見据え前倒しで進行することとなり、イレギュラーな進行のなかでの試合展開となりました。
男子決勝では平野選手、戸塚選手が1本目の試技をしっかりと決め、上位に付けて2本目の試技に臨める優位な展開となりました。2本目の試技を最初に迎えたワールドカップ初出場の戸塚選手が快心の演技を決め、平野選手のスコアを上回り暫定1位につけると、平野選手も難易度を上げた演技構成で臨み再逆転を狙いましたが、ミスが出てしまい惜しくも2位に留まる結果となりました。
戸塚選手がワールドカップ初出場、初優勝という偉業を成し遂げ、日本人選手がワンツーフィニッシュとなる、HPチームにとって幸先の良いシーズンのスタートを切ることができました。女子の大江選手は持ち味の勝負強い演技を決めたものの5位という結果に終わり、併せて課題も明確に見えた試合となりました。確実な結果につなげていくために、やるべきことを確実に取り組んでいく必要があります。
平昌五輪の舞台ではそこまで準備してきたことをすべて出し切きるための準備をし、結果につなげられるようチーム感を大事にして取り組んでいきたいと思います。
報告/スノーボード・ハーフパイプコーチ 治部 忠重