競技

2018/02/27

【REPORT 第5回フリースタイル競技モーグル種目
タレント発掘育成事業合宿】
トレーニングサイクルの確立へ

 2018年1月29日から2月4日まで、秋田県田沢湖スキー場において、第5回フリースタイル競技モーグル種目タレント発掘育成事業合宿が開催され、選手5名が参加しました。

 今回の合宿の目的は、前回の海外遠征で実践した試合に向けてのコンディショニングを洗練させることでした。具体的には①技術トレーニングとフィジカルコンディショニングの融合、②栄養摂取の実践、③心理コンディションの実践の3点でした。これらは、すべて試合で最高のパフォーマンスを発揮するために必要なものです。

 

集合写真

 

 

 まずひとつ目の技術トレーニングとフィジカルコンディショニングの融合については、ウォーミングアップとクールダウンはもとより、フィジカルトレーニングを加えて実践しました。毎週のように試合が立て込むハイシーズンでは、技術トレーニングが中心になり、フィジカルトレーニングが後回しになる傾向があります。そこで本合宿では、アップに続いて10時から13時までを雪上トレーニング、昼食と休憩を挟んで16時から18時までダウンを含めたコンディショニングトレーニングを、宿舎に併設されている体育館で実施しました。

 

 

写真1

宿舎に併設されている体育館を利用してのアップ

 

 

 田畑トレーナーの指導のもと、選手はアップではしっかり筋肉に刺激を入れて動ける体にして雪上トレーニングに臨み、ダウンでは自分の体と対話して、体の変化に耳を澄まして必要部分をケアしました。そして、トレーニングでは疲れすぎないレベルで体力を強化するよう、量と強度に注意して実施しました。

 雪上での技術トレーニングでは、9月から実践しているトレーニングをさらに洗練させるべくトレーニングをしました。このように選手は自分の身体の変化に気付く習慣が、少しずつ備わってきているようです。

 

 

写真3

合宿前半は整地でのスキートレーニングも実施。コーチの後について滑る

写真4

エア演技を横から撮影。踏切の良し悪しがすぐにわかるので、横からの映像は貴重で重要

 

 

 二つ目の栄養摂取の実践では、エネルギー切れせず衝撃に強い体づくりを目指して、ご飯を多く食べることと毎食の乳製品とビダミンを含む果物の摂取に努めました。毎月の管理栄養士による栄養指導に加え、このように合宿や遠征でバランスよく食事を食べることで、栄養摂取についての実践が深められてきています。

 

写真6

ダウンも体力トレーニングも、体育館を利用して実施した

 

 

 三つ目の心理コンディションの実践では、心理の吉田先生と1 on 1のセッションを通じて、試合でのルーティンを確認し、個々の選手の心理的課題を整理しました。特に今回は試合が土日の2連戦で行われました。そこで1日目と2日目で気持ちの切り替え方や気持ちの振り返り方を中心に、自らが気づき、言葉にしていく作業を続けました。

 

 

写真7

心理サポートでは、吉田先生との問答を通じて、感覚を言葉にしていった

 

 

 そうしたトレーニングを経て迎えた試合ですが、結果は以下のとおりとなりました。

【2018フリースタイルスキー秋田・田沢湖モーグル競技会】

●モーグル種目・決勝

女子 梶原有希  5位

   柳本理乃  23位

   宮本珠里  25位

男子 西沢岳人  3位

   村田優太郎 5位

   小山貴史  6位   

●デュアルモーグル種目

女子 柳本理乃  3位

   梶原有希  6位

   宮本珠里  15位

男子 村田優太郎    3位

   小山貴史  5位

   西沢岳人  9位

 

 

写真5

小山選手のコーク720

 

 

 選手には、「トレーニングの成果を試合で試し、その試合から課題を見つけ、また最終目標の大会でのパフォーマンス発揮に向けてトレーニングに励む」というトレーニングサイクルが確立しつつあります。今後はこの合宿での学びを、2月半ばからのコンチネンタルカップ遠征、そして3月の国内大会に向けて、さらにトレーニングして行きます。

 

 

 フリースタイル競技モーグル種目タレント発掘育成事業は、スポーツ振興くじの助成を受けて実施されています。今回を含め今シーズンは、国内合宿5回、海外遠征が3回予定されています。本事業は「Learn to compete」という 「国際競技会で競うことを学ぶ年代」に必要な心・技・体・智を獲得すること、そしてアスリートとして、ひとりの人として豊かな人間性を獲得することを目指して実施されています。

 

文責:斗澤 由香子