競技

2018/12/05

【REPORT スノーボード・スロープスタイル・ビッグエア】
女性アスリートの強化支援SESSION2 女子選手のための教育プログラム

 

 11月29日~12月2日、宮城県の東北クエストにて、独立行政法人日本スポーツ振興センター委託事業「女性アスリートの強化支援」(女性アスリートの競技大会等プログラム)の第2回目が開催されました。

 

集合写真SS2

 

 

 本事業は、国際競技力の向上ならびに国内における女子競技者層の拡大に資する競技会・教育プログラムの提供を目的としています。今年度4回のセッションが行われるうちの第2回目で、全国各地から小学5年~高校3年の24名のスロープスタイル・ビッグエアの女子選手とその保護者が参加しました。

 

 

ミドルキッカーでジャンプ

 

 

 また今回は、国内招聘選手として岩渕麗楽選手(バートン)、海外招聘選手並びにコーチとしてニュージーランドチームから、平昌オリンピック女子ビッグエア銅メダリストのZoi Sadowski選手とMitch Brownコーチにお越しいただきました。

 

 

Zoi選手からアドバイスをもらう

Mitchコーチはジェスチャーで指導

 

 

<実施プログラム>

  • ジャンプトレーニング、模擬大会

 今回はミドルキッカーのアプローチに雪付けを行い、テイクオフまでのエッジの使い方、ポジションの取り方も意識して練習することができました。また、ナショナルチームでも活用している映像転送システムにより即時フィードバックをスタート前に行いました。Zoi選手やMitchコーチからもジェスチャーや簡単な英語で基本的なアドバイスをもらいました。模擬大会ではビッグとミドルのキッカーに分かれて実際の大会ルールに則った方法で実施し、岩渕選手はビッグキッカーで世界レベルの技を披露しました。

 

ビッグキッカーの長いアプローチ

雪付けを行なったミドルキッカー

 

 

  • 目標設定、スキルシート記入

 オリンピックに向けて、自身はどこのオリンピックをどういう順位を目標にして目指すのか、目標設定の仕方を学び、今回の技の課題を各自シートに記入してやるべきことの見える化を図りました。

 

スタート台では転送された映像をチェック

 

 

  • トップ選手&コーチ講話

 Zoi選手とMitchコーチにこれまでの彼らの4年間の体験談をお話しいただき、参加選手全員からの質問(数名英語での質問にチャレンジした人もいました!)に応えてもらいました。また、平昌オリンピックの銅メダルも見せてもらいました。

 

お手本を見せる岩渕選手

 

 

 

  • エクササイズ、アライメントチェック

 傷害予防、動作改善のウォーミングアップにも活用できるエクササイズをおさらいしました。アライメントチェックではジャンプ練習の後のセルフケア不足が認められ、クールダウンのストレッチも取り入れながらプログラムを進行しました。

 

動作機能改善エクササイズ

 

 

  • 食事の管理、補食購入実習

 ジャンプ練習の合間に取る水分、エネルギーの補給として、実際に補食を自分で選び購入する実習を行いました。また、運動に十分なエネルギーを取るための食事の栄養素や摂取のタイミングの重要性を講義で学びました。

 

ビュッフェ式の食事で自主的な栄養管理

 

 

  • 脳震盪の危険性

 競技特性上、どうしても多くなる頭部外傷の危険性について、どのようなケース、症状があるのか、ケガをした場合はどのように対応すべきなのか、メーカーが推奨しているヘルメットの被り方はどのようなものなのかを学びました。

 

 

<保護者向けプログラム>

  • オリンピックまでのプロセス

 オリンピックを目指していくためには、まずどの大会に出る必要があるのか、その大会に出るためにどのような会員・競技者登録をしなければならないのかを説明しました。

 

 

  • コーチングの基礎、ワークショップ

 コーチングの基礎的考え方、それを踏まえた保護者としての選手へのかかわり方をディスカッションしました。

 

 

  • 成長期女性アスリートへの心の支援の仕方

 成長期にあるアスリートにある心理的な特徴はどのようなものかを学び、不安定な時期に対してどのように支援をすればよいのかを考えました。

 

保護者も真剣にワークショップ

 

 

  • トップ選手保護者講話(平野英功氏)

 ソチ、平昌と2回のオリンピックで銀メダルを獲得した平野歩夢選手ら、3人のスノーボード選手を育てた平野氏の体験談、親として選手の支援への考え方、今後のサポート環境のビジョンなどについてお話をいただき、2つの銀メダルも見せていただきました。

 

平野英功氏を囲む保護者の参加者

平野歩夢選手のメダルを持たせてもらって重さを実感

 

 

 今回のプログラムも内外からの講師、スタッフに支えられ、充実した内容で実施することができました。また、遠方より数日間、選手とともにご参加いただいた保護者の皆さまのお力も大きかったと思います。この場を借りて深く感謝申し上げます。参加者の皆さんにはたくさんのことを吸収して今後の競技活動に活かしていただければ嬉しく思いますし、チームとしても近い将来の新しいナショナルチーム選手をこの中から迎えられれば光栄です。

 

 

楽しくそして真剣に

 

 

 次回の本事業SESSION3は2019年2月16日~19日にスノーパーク尾瀬戸倉(群馬県)、SESSION4は2019年3月14日~17日に猫魔スキー場(福島県)にて開催されます。この2事業では競技大会と教養プログラムが開催され、競技成績は2019年のジュニア世界選手権大会の参考大会に位置付けられています。参加者は以下の締め切り日まで募集中です。世界を目指す女子アスリートのご参加をお待ちしております。

 

 

【スノーボード・スロープスタイル/ビッグエア

「女性アスリートの強化支援」事業参加者募集】

SESSION3 2月16日~2月19日@スノーパーク尾瀬戸倉/募集締め切り 2月2日

SESSION4 3月14日~3月17日@星野リゾート猫魔スキー場/募集締め切り 2月28日

 

 

報告/スノーボードSSBAヘッドコーチ 上島しのぶ