競技

2018/12/12

【REPORT 第6次スノーボード競技
(スノーボードクロス)タレント発掘育成事業遠征】
春からのフィジカルトレーニングの成果を雪上で!

 オーストリア、ピッツタールにて第6次スノーボード(スノーボードクロス)タレント発掘育成事業遠征が行われました。今回の遠征の目的はヨーロッパカップ、ジュニアレース参戦、雪上トレーニングでした。ジュニアのほとんどの選手にとっては今回が2度目となる海外大会参戦となりました。

 

 

Uチーム集合写真

 

 

 ピッツタールの練習環境は標高3000m。体感温度マイナス20度を下回る環境ですが、とても良い練習ができます。素晴らしい練習ができるクロスコースが2つ常設されており、世界各国のトップ選手も多数訪れていますので、良い練習パートナーと一緒に練習ができます。

 

 スノーボードクロスは実際のレース同様に、多人数での滑走練習から学べることがとても多く、他国のトップ選手とのレース形式の練習はここでしかできず、良いトレーニングとなりました。自分のレベルを上げていくには技術面での向上はもちろんですが、体力面でもしっかりとした準備がなければ、このような過酷な環境下でのレベルアップは難しくなります。この春から取り組んできた体力面の強化、毎月の合宿での測定やトレーニング方法のアップデートなど、各選手しっかりとフィジカル面の準備を整えて来たことで、この環境下で納得のいく内容のトレーニングをする事ができました。

 

 

公開練習

 

中村選手

 

 

 ヨーロッパカップには手計岳隆選手(日本体育大学)、佐藤聖悟選手(オールアルビレックス)、藤田華恋選手(日本体育大学荏原高校)、中村優花選手(TEAM MAC)の4選手が参戦。この大会はコンチネンタルカップの中でもっともレベルが高く、ワールドカップ選手も多数参加する中でレースを経験することができました。コンチネンタルカップ2日間及び、その数日後に行われたジュニアレースの結果は下記のとおりです。

 

コンチネンタルカップ 第1戦 第2戦
手計 岳隆 61位 31位
佐藤 聖悟 97位 86位
藤田 華恋 24位 41位
中村 優花 32位 26位

 

ジュニアレース 第1戦 第2戦
西川 士温 42位 48位
塚原 悠翔 63位 56位
庄司 圭太 55位 37位
佐藤 聖悟 49位 32位
藤田 華恋 20位 35位
中村 優花 7位 10位

 

 

 

インスペクション風景

 

西川選手

 

 

 スノーボードクロスは経験を積むたびに戦略の引き出しが増えていきますが、世界ではジュニアの同世代でもすでに経験を積んでいて、技術も戦略も持っている選手がいることに気づくことができ、今後自分達が具体的に何をすべきなのかを身をもって感じることができました。フリースタイル要素が必要となるスタートセクションや精度の高いターン技術が必要となるバンクジャンプセクション、戦略のカギとなるコースのライン取りなど、レースをしたことで本当に自分が強化していくべき課題が明確となりました。

 

 生活面では、食文化の違うヨーロッパでも体重が減らないように、工夫をしながら生活することの大変さと大切さを知ることができました。一流選手になるためには、もっとたくさんのことに気を配って生活していくべきなのだと感じられたようです。

 

 トップ選手と同じ環境で練習やレースができたことで、彼らにとって今後とても大きな影響を与えるであろう素晴らしい経験をさせてもらうことができました。今後もこのチームが、彼らが一流選手になっていくための気づきを与え、導いていける場所でありたいと思います。

 

 

報告/スノーボードクロスコーチ 西山 宏美