競技
2019/02/26【REPORT 第2次スノーボード(ハーフパイプ)遠征】
これまでの成果と現在の課題が見えた大会参戦遠征
2019年1月11日〜2月18日(38泊40日)で行われた第2次スノーボード(ハーフパイプ)遠征では、チームにおける本シーズン最大目標と設定した世界選手権大会とワールドカップ2戦を含む試合参戦に臨みました。
<ラークス(スイス)WC遠征(1/12~1/20)>
2019年最初の大会は、スイスで行われたラークスオープン(ワールドカップ)でした。公式トレーニングから悪天候の影響で思い通りの練習ができず、不安や焦りが残る中で大会が進んでいきました。
それでも、シーズン前半のオーストリア合宿などで積み重ねてきた練習が自信となり、男子では戸塚優斗選手(ヨネックス)が2位、片山來夢選手(バートン)が4位、平野流佳選手(ムラサキスポーツ)が5位と健闘しました。
女子においては怪我明けの冨田せな選手(チームJWCS)も試合復帰し参戦。目標としていた全員決勝進出を達成することができず悔しい結果となりました。
ラークスのハープパイプは斜度があり、練習は悪天候で高さが出しづらかったものの、本番は天気も良く普段よりもスピード感や高さの出る状況になり、うまくアジャストできなかったことを敗因として考えます。試合では常に同じ状況ではないので、普段からもっとスピードを出して技を仕掛けたり、どんなスピードでも技ができるようにしていくことが課題です。しかし、選手個々で、次のX-GAMES、世界選手権大会に向けてやるべき事が見えた大事な大会となりました。
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ラークスオープン
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スタート前の光景
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HPS(ハイパフォーマンスサポート)によるトレーニングサポート
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男子入賞者
<コロラド(アメリカ)トレーニング遠征(1/20~2/3)>
世界選手権大会への調整を良い環境で行うため、アメリカ・カッパーマウンテンに戻りトレーニングを進めました。この期間ではチームを離れ個人でX-GAMESに参戦する選手と、カッパーマウンテンに残ってトレーニングを行う選手とに分かれて調整を進めました。
カッパーマウンテンでのトレーニングでは、世界選手権での演技構成に向けて集中したトレーニングを行い、コーチを始め映像スタッフ、栄養士、トレーナー2名の体制で効率の良いトレーニングを行うことができました。
雪上トレーニング終了後も栄養学を学びながら献立を考えたりと、選手達の今後に繋がる充実した合宿を行うことができました。また、X-GAMESに参戦した戸塚選手がLAAX大会に続き2位に入り、世界選手権に向けて弾みをつけました。
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HPSによる映像サポート
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HPSの栄養サポート
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HPSによる雪上での映像サポート
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HPSのケアサポート
<パークシティ(アメリカ)世界選手権遠征(2/3~2/9)>
今シーズン、チームで最大の目標にしていた世界選手権大会。他の競技が中止になるほどの悪天候、競技施設のコンディションが難しい状況でしたが、選手達は気合いが入っていて気持ち的にとても良い状態で挑むことができました。
結果、男子では戸塚選手が2位でメダルを獲得し、穴井一光選手(株式会社玉越スノースポーツクラブ)が6位と健闘しました。女子においても、今井胡桃選手(プリオHDスキー部)が7位と入賞には届かなかったものの、これまでの練習の成果・成長が出た大会となりました。
穴井選手と今井選手に関しては、X-GAME組とは別で行ったカッパーマウンテンでの雪上トレーニングの成果が発揮できたと思います。しかしながら、チームにとっても本大会の目標に対しては決して満足と言える結果にはなりませんでした。各選手においても大会終了後はとても悔しそうに涙を拭う選手がほとんどでした。その姿にスタッフ一同、改めてまだまだ先のある選手たちであると感じました。一試合一試合結果を出すのはもちろんですが、選手一人一人が自分の満足のできる滑りをさせてあげられるようにサポートしていきたいと思います。
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サービスサポート
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チームミーティング
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初の世界選手権で2位に入った戸塚選手、6位の穴井選手
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世界選手権
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片山選手のFS900
<カルガリー(カナダ)WC遠征(2/9~2/17)>
第2次遠征の締めくくりとなるカナダ・カルガリーでのワールドカップでした。世界選手権で悔しい思いをした選手たちが、初日の公式トレーニングからとても気合いが入った状態で臨みました。期間中、-20℃を超える厳しい寒さの中での大会でしたが、日本選手全員が決勝に進出し、決勝では今できる全ての力を発揮できたと思います。
男子は、戸塚選手が今シーズン初優勝を飾り、同時にFIS WC STANDINGS(種目別ランキング)で1位となりイエロービブを手にしました。平野選手も今季2度目となる2位を獲得。片山選手は4位、穴井選手は5位と健闘しました。
女子は冨田選手が3位表彰台を獲得、今井選手が4位と健闘しました。ラークスとは真逆でカルガリーのハーフパイプは斜度がなくスピード、高さが出しにくい状況だったため、やはりどんな状況でも技ができるよう、そしてパイプの壁に入る板の角度を自在に操れるように、もっと臨機応変に対応できるようになることが必要だと感じました。
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今季ワールドカップで初優勝した戸塚選手、2位の平野選手
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怪我明けながらも必死に頑張って掴み取った3位冨田選手
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カルガリーWC
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片山選手
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平野選手
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戸塚選手
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穴井選手
今回も沢山のスタッフに支えられ、大きな怪我もなく遠征を終える事が出来ました。第1次、第2次の長期遠征を終え、選手個々においては今後の課題が明確になり次の大会へと目を輝かせています。
2022北京五輪に向けて選手もスタッフも一丸となって強くなっているのが遠征ごとに感じられます。スノーボード・ハーフパイプチームはまだまだ進化していきます。応援ありがとうございました。
報告/スノーボード・ハーフパイプ技術コーチ 青野令