競技

2019/03/05

【REPORT 第6次スノーボード(アルペン)遠征】
2022北京に向けて鍵を握るアジア遠征を終えて

 スノーボード・アルペンのAチームは2月13日から25日までの期間、第6次スノーボード(アルペン)遠征として、韓国と中国で開催されたワールドカップに参戦しました。前回の五輪開催地だった平昌(韓国)、そして次の北京五輪の会場となる可能性が高いシークレットガーデン(中国)にて2週にわたり行われた大会ですが、大きな意味合いを感じる遠征となりました。

 

 

01

斯波正樹選手(RIZAP)

02

神野慎之助選手(トヨタ自動車スキー部)

 

 

 

 韓国のレースでは残念ながら3選手とも決勝進出ならず悔しい結果となりましたが、中国のレースにおいてはパラレルGSで佐藤江峰選手(谷口板金工業所)が決勝に進出し13位という結果を残しました。日本チームにとって厳しい結果となった反面、今回くっきりと浮き彫りになったのは中国チームの成長と層の厚さです。

 

03

佐藤江峰選手(谷口板金工業所)

04

神野慎之助選手(トヨタ自動車スキー部)

 

 

 もともとソチ五輪で竹内 智香選手(広島ガススキー部)がアジア勢として初めて銀メダルを獲得し、前回の平昌五輪で韓国の男子選手がアジア男子勢で初の銀メダルをとりました。そんななか、次の自国開催に向け急激に強化を行なっている中国が今大会で女子は初優勝、男子はベスト4という成績を収めました。ひと昔前は「アジア人は勝てない」と言われたこの種目の壁を竹内選手が破ったのを皮切りに、アジア冬季五輪が続く背景もありアジア人の成長と活躍が目立つようになってきました。

 そしてなによりも中国の場合、選手の層が非常に厚く、トップ選手の下にはハッキリとしたレベルごとのピラミッドが存在していることを中国大会で実感しました。他にも中国大会でのポールセット、上位選手のライン取りや滑り方など、北京までの傾向がおおよそ定まったと思えるようなシチュエーションを次々と実感し、日本のみならず世界中の選手、コーチ陣が緊張感を強く感じています。

 

 日本でも3月に入り全日本選手権やFISレースが続きますが、シーズンも終盤となり、選手ひとりひとりの体のコンディションにも不具合が出てきたりと、チームとしても判断を求められることも増えてきました。

 3月4日からヨーロッパに向かい、残りワールドカップ2戦とヨーロッパカップ1戦の出場を予定していますが、こういう時期だからこそ選手のコンディションを第一に考え、日本と世界の距離を縮めるために今チームに必要なものは何なのかをしっかりと見極め、SNOW JAPANとしての活躍につなげられるよう、これからも選手、スタッフ一同努力して参ります。引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。

 

05

シークレットガーデン(中国)でのワールドカップ

 

 

 

報告/スノーボード・アルペン アシスタントコーチ 戸崎 啓貴