競技

2019/10/08

【REPORT 第1次フリースタイル競技(エアリアル)タレント発掘育成事業遠征】
密度の濃い選手育成でチームの底上げを図る

QC2toto

 

 第1次フリースタイル競技(エアリアル)タレント発掘育成事業遠征として、カナダ・ケベックのウォータージャンプトレーニング施設にて、10月からの雪上トレーニングへ向け、ジャンプの基礎トレーニングから実践的トレーニングまでをバンジートランポリン、フィジカルトレーニングを交えながら、選手の育成を目的とした遠征を行いました。

 トレーニングメニューは、ウォーミングアップに体幹とジャンプ中の動作を取り入れたフィジカルトレーニングを1時間程度、その後2時間のジャンプ練習を午前・午後2回行い、バンジートランポリンでの空中感覚トレーニング、という流れががおおよそのルーティンとなり、加えて週2回はジムでのウエイトトレーニングを行いました。

 千葉隆人選手は、課題の空中フォーム改善とダブルフルの習得に取り組みました。序盤に踏切の精度を高め、その後2回転のひねりの精度改善に取り組んだものの、中盤から腰痛のためか、集中力を欠く場面が目立ちました。しかし、終盤に課題のひねりのフォームのポイントをつかみ、大きく精度を改善することができました。今後の課題は体感の強化による腰痛克服と、頭のポジションや指先までの細かな体の使い方です。

 碓氷衣織選手は、ウィークポイントである踏切と、ジャンプの小ささ克服を中心に取り組みました。序盤は1回転で基礎に取り組み、この2つのポイントに大きな改善を見せました。2回転に移行すると1つのポイントが成功しても、ほかの部分を失敗するなど、ジャンプの中での意識の途切れが目立ち、修正に時間をかけて取り組みました。終盤には一定の成果を得て、2回転2回ひねりの精度を向上させることができました。課題はフィジカルトレーニング絶対量の増加、普段の体の使い方と実際のジャンプとの動きの乖離克服などがあげられます。この点をうまくフィードバックして育成して行きたいと考えています。

 五十嵐晴冬選手は、空中感覚の経験値を上げることが一番の課題であり、この点を重点的に取り組みました。踏切の精度は非常に高いため、大きなジャンプが持ち味です。ひねりの経験をより多く積むために、トランポリンやバンジートランポリンでのトレーニングも行い、空中感覚向上に努めました。後半には実際のジャンプの中で、2回転2回ひねりのトレーニングへと移行し、経験値を蓄積することができました。フィジカルトレーニングにも真剣に取り組み、ジャンプもよく考えて工夫する選手であるため、今後もそのポイントを伸ばしながら育成して行きたいと思います。

 今回、若手3名を綿貫、田原コーチの2名体制で高密度で指導することができ、非常に充実した遠征となりました。引き続きチーム全体の底上げに取り組んで行きたいと思います。エアリアルチームへのご声援をお願いいたします。

 

報告/エアリアルコーチ 綿貫 雅弘