競技

2019/10/28

【REPORT フリースタイル/スノーボード】
次世代ターゲットスポーツ育成支援事業一貫指導体制構築海外事業①

2019年10月3日から10月19日までの期間で、スイス・サースフェーにてMBP(メダルポテンシャルアスリート育成)に向けて、JSC(日本スポーツ振興センター)の次世代ターゲットスポーツ育成支援事業として、一貫指導体制構築を目的としたスノーボードクロス(以下、SBX)、スキークロス(SX)の合同遠征を行いました。

サースフェーはトレーニングに適した高地環境(コース地点標高:約3,500m)であり、フランス、スペイン、アメリカをはじめとする各国のトップチームが集まってトレーニングを行っているためSBX・SXコースのクオリティも高く、基本練習から実戦トレーニングまで充実した内容で行うことができました。また、約10日間の滑走期間で選手とスタッフが密に連携を図ることができ、多くの成果を得た遠征になりました。

SX・SBX選手とスタッフ

今回の事業にはSBXから高原宜希選手(中京大学)、手計岳隆選手(日本体育大学)、藤田華恋選手(流通経済大学)、中村優香選手(仙台大学)、広野あさみ選手(TJR)、SXから須貝龍選手(チームクレブ)、古野慧選手(慶應義塾大学)の7名が参加しました。

SBXの高原選手や中村選手、広野選手はそれぞれの基礎体力をベースに、滑走本数・量と内容の両者を貪欲に求めた結果、SBX技術の向上が見られました。とくに高原選手は、日々やれること・やるべきことをすべてやりきっており、FISワールドカップや2022年の北京五輪に向けて、自他共に文句なしの仕上がりです。中村選手と広野選手は雪上トレーニングで大きな技術向上が見られましたが、基礎体力部分に大きな課題を得ました。しかし、両者ともに自身の課題を自覚できており、次回遠征までの改善に期待大です。

手計選手、藤田選手は怪我のため、遠征委期間早々のリタイアとなりましたが、自身の基礎体力、心理面のコンディションを見つめ直し、日々の取り組みや考え方を整え、次回の遠征と最大目標に向けて今回の怪我を活かしていきます。

高原選手コーストレーニング

手計選手ジャンプトレーニング

 

SXでは日程中盤にレース形式でのトレーニング日も設けられ、ワールドカップランキング上位の選手も多数参加するなか、タイムトライアルでは須貝選手が7位につけ、シーズン序盤としては良い結果を残すことができました。決勝ヒートでは2回戦(上位8位に残るためのヒート)では残念ながら3位敗退。複数で滑るファイナル戦に入った時のクロス特有のライン取りにまだ課題が残りましたが、次回遠征での課題克服に期待大です。

古野選手は自身の得意とするスタートセクションで作れるアドバンテージを生かしながら、ターンやローラーセクションでよりスピードアップさせていくことが課題となりました。しかし、すでに夏から雪上トレーニングをしている他国選手と比較しても十分戦えており、今季のチーム目標であったフィジカル面の大幅向上の成果を感じた良い機会になりました。

SX須貝選手、古野選手、SBX高原選手のレースを想定したトレーニング

今回は上原雅也、島﨑勝行両トレーナーが帯同し、雪上トレーニング前のウォーミングアップ指導やケアをしたことで、雪上と陸上においてのコンディション調整も効率的に行えたと感じており、技術はもちろん、フィジカルにおいても調整~向上を図ることができた貴重な遠征となりました。選手自身も、技術トレーニング期のフィジカルトレーニングのボリュームや方法の確認、ウォームアップの重要性を再確認できたようです。

また、大池潤サービスマンにも帯同していただき選手たちのギアのチューンナップを担当していただきました。スピードや順位を競うSBXやSXにおいて、スキーやスノーボードの滑走性が勝負を分けるカギになり、日々のワクシング作業が非常に重要になります。しかし、トレーニングに集中しなければいけない選手たちにとって、遠征中の日々のチューンナップはときに大きな負担となります。サービスマンにサポートしていただけたことで、選手たちはよりトレーニングに集中することができました。

上原フィジカルコーチによる雪上ウォーミングアップ

上原フィジカルコーチによるウェイトトレーニング指導

今回、現地にて購入したウェイトトレーニング用具。欧州でも車で持ち運びができ、いつでもどこでも重要なウェイトトレーニングが行えました

島崎トレーナーによる身体のケア

大池サービスマンによるワクシング作業

いよいよ次回11月の遠征より、本格的にワールドカップ、コンチネンタルカップの開幕となります。本格的なシーズンインに向けて残りわずかとなりましたが、各自の課題に引き続き真摯に向き合い、選手・スタッフ共にチーム一丸となって取り組んでまいります。JAPAN SBX&SX TEAMは精一杯戦って参りますので、大きな大きな応援をどうぞよろしくお願い致します!!!

報告/SBXコーチ 押田 考史
SXコーチ 梅原 玲奈