競技

2019/12/19

【REPORT フリースタイル/スノーボード】
次世代ターゲットスポーツ育成支援事業一貫指導体制構築海外事業②

2019年11月17日から12月4日までの期間で、オーストリア・ピッツタールにてMBP(メダルポテンシャルアスリート育成)に向けて、JSC(日本スポーツ振興センター)の次世代ターゲットスポーツ育成支援事業として、一貫指導体制構築を目的としたスノーボードクロス(以下、SBX)、スキークロス(SX)の合同遠征を行いました。

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今回はの遠征も前回同様、上原雅也、島﨑勝行両トレーナーが帯同し、雪上トレーニング前のウォーミングアップやトレーニング・試合後のケアなどを選手に指導していただきました。また、持ち運べるトレーニング器材の活用により、フィジカルにおいても調整~向上を図ることができた貴重な遠征となりました。

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★【スキークロス】須貝龍を中心に実戦で手応え

SXチームは今回、雪上トレーニングで取り組んできたことをレースでの滑りに繋げることと同時に、春よりチームとして強化をしてきたフィジカルをレースではどう活かせるかが非常に重要なポイントとなる遠征となりました。

11月23日はオーストリア選手権、11月24日はヨーロッパカップ開幕戦の2レースが行われましたが、日本チームからは須貝龍選手(チームクレブ)、古野慧選手(慶応義塾大学)、古野哲也選手(ライフケア神戸・MRSC)の3名が参戦しました。

1日目はシーズン初戦ということもあり、各選手緊張した面持ちでインスペクション(コースの下見)に取り組んでいましたが、公式トレーニングへ進むにつれて次第に表情の強張りも薄れ、レースに集中する姿勢が見て取れました。

レース前の選手たちの様子

1日目は須貝選手が順位決定戦まで勝ち進み3位でゴールし7位、古野慧選手が27位となり、残念ながら古野哲也選手は予選通過できませんでしたが、チームとしてフィードバックを行い、課題や対策共有ができたことで同じコースで行われる2日目のヨーロッパカップへ向けてチーム一丸となって臨むことができたように感じます。

スタートゲート

瀧澤ヘッドコーチから指示を受ける選手たち

2日目のヨーロッパカップは、前日とは雪のコンディションが異なっていたため、チームとして作戦を立て直し臨みました。選手もレース勘を取り戻し、非常に落ち着いた様子で予選タイムトライアルを出走し、前日より良い成績で予選を終えることができました。

古野哲也選手は1回戦を突破できず30位となりましたが、古野慧選手16位と、共に1回戦を突破しヨーロッパカップでの自身最高順位を、また、須貝選手は3位表彰台という成績を残すことができました。

前日のオーストリア選手権から得た情報や課題をチームとして有意義に2日目のヨーロッパカップへ活かせたこと、チーム全体でレースに挑む意欲や行動が結果に結びついたのではないかと感じました。

また、フィジカル強化がスタートセクションの強化にも着実に結びついており、今後もフィジカル強化は必須であると再確認できる機会にもなりました。

ヨーロッパカップ表彰台

これより本格的なシーズンが始まってまいりますが、SXチーム一丸となってより一層努力してまいりますので、これからも皆さまからの応援をよろしくお願いいたします。

報告/SXコーチ 梅原 玲奈

★【スノーボードクロス】中村優花選手ジュニアレース優勝!!

SBXチームは雪上トレーニングとヨーロッパカップそしてジュニアレースに参戦しました。

  ジュニアレースでは中村優花選手(仙台大学)が見事優勝を飾りました! 中村選手はスタートセクションが最後まで決まらず常に3番手か4番手でのレース展開となりました。30秒かからない短いコース、抜きどころは少なくスタートが決まらず不利なポジションでのレースの中、中村選手は第2バンクから第3バンクを抜けるまでをしっかりとスピードを繋げ前の選手を抜いていく、素晴らしい試合運びで優勝を手にしました。また、佐藤聖悟選手(オールアルビレックス)は9位、川村隼佑選手(クルーズ)は13位と、同世代の選手達とのレースの中で様々な収穫があったと思います。

ジュニアレース

ジュニアレース表彰式

ヨーロッパカップでは高原宜希選手(中京大学)が13位、手計岳隆選手(日本体育大学)が19位、中村選手が11位とワールドカップ上位選手達も多く出場していた中で、しっかり戦える結果を出してくれました。手計選手は決勝ラウンドは残念ながら1回戦敗退ではありましたが、予選を17位のタイムで通過し、昨シーズンからしっかりと成長した姿を見せてくれました。高原選手は2回戦、2番手で第4バンクに入りましたが、先頭の選手がアウトに膨らんできた際にラインがなくなり惜しくもコースアウトしてしまったものの、世界のトップ選手達と対等に戦えると確信を持てるものでした。中村選手もワールドカップのトップ選手とのヒートでたしかな可能性を見せてくれました。

ヨーロッパカップのスタートセクション

今回の遠征の中で、今シーズンから契約しているサービスマンのJeffery Sadisさんによる選手達へのワクシング講習の機会がありました。その講習ではプロの技術だけでなく、道具を大切にすることの大切さも教えていただきました。若い選手達がこれからトップ選手へと成長していくために本当にためになる素晴らしい講習でした。

Jeffery Sadisによるワックス講習

シーズン最初のオーストリア遠征で選手達はたしかな手応えを感じたと思います。もたろんまだ足りていない部分も明確になったでしょう。選手達には課題にしっかりと取り組んでもらい、さらなる成長を遂げてもらいたいと思います。そして私たちスタッフも選手達が成長できるようしっかりとサポートを続けていきたいと思います。

今後ともSBXチームへの応援をよろしくお願いいたします!

報告/SBXコーチ 押田 考史