競技

2020/01/21

【REPORT 女性アスリートの強化支援 SESSION3】
スロープスタイル・ビッグエア⼥⼦選⼿のための教育プログラム

1月16~20日、北海道のニセコ花園RESORTで、独立行政法人日本スポーツ振興センター委託事業「女性アスリート強化支援」(女性アスリートの競技大会等プログラム)の第3回目が開催されました。

本事業は、「若年化している日本のスノーボード・スロープスタイル/ビッグエアにおいて、成長期の女性アスリートが抱える女性特有の課題に関する正しい知識を得ることにより、課題解決に必要な体制を整備し、国際競技力向上ならびに国内における女子競技者層の拡大に資する競技会・教育プログラムの提供を目的」としており、今回は夏季に行なわれたSESSION1・2に参加した継続受講者26名と、競技大会のみの参加者2名を加えた28名の女子選手とその保護者が参加しました。

参加者の集合写真

コース練習

SESSION3は雪上の競技大会形式をメインとし、ビッグエア大会、スロープスタイル大会を実施しました。コースレイアウトは、6mレール、7mフラットダウンボックス、10mダウンキッカー、14mダウンキッカーで、ビッグエアは14mダウンキッカーで実施しました。全国的に少雪の時期でしたが、ニセコ花園RESORT様のおかげで十分なアイテムで試合をすることができました。

競技コース

ダウンボックス

大会は、小学5・6年生クラスと中学生以上のオープンクラスで行なわれました。ビッグエアでは14mキッカーの隣に小さめのキッカーも設置していただきましたが、中には昨年はスモールキッカーしか飛べなかった小学生もビッグキッカーを飛べるなどして、自分を超えるという勇気と取り組みの成長結果を見ることができました。この経験は大きなステップアップになったと思います。

キッカー

ディガーさんに感謝

また競技大会以外のプログラムでは、食事のチェック、ジャッジ講習、脳振盪講習、振り返りのワーク、保護者の振り返りのワークなど、継続して取り組んできたものを持続的に実施しました。本事業を通じて取り組みしてきたことを自フィールドでも継続していただきたいと思います。

食事チェック

ジャッジ講習

脳振盪講習

今回は今まで学んできたことを踏まえて自主的に動けるようにというテーマでSESSION3を実施しました。雪上期に入るとどうしても滑ることだけに気持ちや考えが集中し、体と心のコンディショニングへの意識が薄れてしまう傾向も見られましたが、それらを思い起こさせる声かけをした後は、皆思い出したような動きがありました。この種目は楽しさが大きいですが、大変リスクの高い種目でもあります。高い技術を磨くためにたくさん技術練習をするには、それを十分にできるフィジカルとメンタルの強さが必要です。皆さんには質の高い準備ができる選手になって欲しいと思います。

ウォーミングアップ

振り返りワーク

保護者の振り返りワーク

2ヵ年にわたり実施してきた本事業もこれをもって終了となります。参加いただいた選手の皆さんには、本事業で学ばれたことを生かして今後の競技力発展のために引き続き努めていただければと思います。将来この中から世界で活躍する選手が出てくることに大きな期待をいたします。また、保護者や地域指導者の皆様には、参加に関わり貴重なお時間とご協力をいただき深く感謝申し上げます。

スロープスタイル小学5・6年生クラス表彰者

スロープスタイルオープンクラス表彰者

本事業実施に関わりご協力をいただいた、東北クエスト、富山キングス、スノーパーク尾瀬戸倉、猫魔スキー場、ニセコ花園RESORTの各社様、各大会運営本部、ならびに各プログラムを支えていただきました講師の皆さま他、様々に運営で関わっていただきましたスタッフの皆さまへ、充実した事業が実施できましたことを心より御礼申し上げます。

ビッグエア小学5・6年生クラス表彰者

ビッグエアオープンクラス表彰者

自分を超える力、JAPANスロープスタイル・ビッグエアチームのテーマは“自超力”です。競技を通じて今の自分を超える連続を果たし、競技だけではなく、生き方そのものに力のある、魅力ある選手へ成長して欲しいと願います。

自分の夢に向かってぜひがんばってください。次回、より成長した姿に会えることを楽しみにしています。

報告/スノーボードSSBAヘッドコーチ 上島しのぶ