競技

2020/02/17

【REPORT 第4回アルペン競技タレント発掘育成事業合宿】
「世界で勝つ」選手を育てるために

 2月9日〜12日、今年度よりDivision.2(アルペン、スノーボードアルペン競技)の競技別強化拠点として新設された菅平高原パインビークスキー場にて、国内強化指定U16選手の合宿が行われました。1月に予定されていた合宿が雪不足の影響で中止となったため、アルペン国内チームにとって今シーズン初めての拠点合宿となりました。

 

国内強化指定U16メンバー

 

 この年代は特に自分で考えることや他者への感謝や尊敬といった内面の部分が大きく形づくフェーズであるため、世界で”勝つ”ための人間力を養うことに重視しました。この部分が今後、「自分の為にどれだけ打ち込めるか」「自己を追い込めるか」「心が折れそうなときに踏ん張れるか」「迷った時、自分で闇を歩めるか」と言った分かれ道における鍵となります。
 今後も若い年代だからこそ”人間力の向上”にプライオリティを高く置き、強化を行っていきます。

 

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 また、今回の雪上ではスピードトレーニングをメインに行いましたが、低速域でのベーシックトレーニングを組み合わせることで、トレーニング前のウォーミングアップとしてのルーティーン作りを目指しています。スキー性能が格段に上がっているなか、「スキー性能で曲がる」と言う概念を「自ら曲げる」と言った意識にしなければ、どんな斜度、地形、雪質でも速く滑るアルペンスキー競技では通用しない世界があります。それがヨーロッパカップ、ワールドカップと言ったレベルの世界です。
 この世代よりアルペン競技の主戦場であるヨーロッパをターゲットにしたエクササイズが重要と考えます。

 

 

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 雪上後のフィジカルトレーニングでは、「正しい身体の動かし方」「姿勢の徹底」「下半身の各関節の連動運動」を中心に3日間、朝夕と反復し基本動作習得を目指しました。雪上で何度も何度もできないことを反復することも大切ですが、陸の上でできない動作が雪上で突然できるようになることはありません。高い技術をスキーという道具を使い表現するには身体の構造から理解をし、陸上で確実に行えるようになることが絶対条件です。
 さらに、ユース時期に伸びる有酸素性運動能力の向上を目指し、普段から継続して取り組んでもらえるよう、具体的な時間を示し各選手への宿題としました。

 

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 身体のしくみを理解し、陸上で確実に再現することが技術習得には必要です。
 U16、U19という年代は可能性に溢れており、アルペンスキーという最高峰の舞台で活躍するスターの原石を磨いていくことが我々の役目と強く考えています。
国内ではなく「世界で勝つ」選手をこの世代から育てていくためにも、競技別強化拠点での体験を通し、様々な知識や経験を与えていけるよう今後も努めて参ります。

 

報告/アルペン国内ヘッドコーチ 佐々木 明