競技

2020/12/25

【REPORT 第1次スノーボード競技(ハーフパイプ)
タレント発掘育成事業遠征】TOPチームとの練習環境で得た成長

 12月4日〜12月22日の日程において、アメリカ・コロラド州カッパーマウンテンにて第1次スノーボード競技(ハーフパイプ)タレント発掘育成事業遠征を実施いたしました。本遠征には国内強化指定選手より、今季ワールドカップに参戦を予定している重野秀一郎選手(バートン)、冨田るき選手(チームJWSC)、松本遥奈選手(クルーズ)、鍛治茉音選手(TJR)の4名が参加し、今シーズンの試合参戦に向けての準備として位置づけしたトレーニングを行いました。

 本遠征は新型コロナウィルスが世界的に感染拡大している中での実施となり、遠征前から感染対策の徹底、対応の準備を施し慎重に臨み、現地での生活環境においても宿泊部屋数を増やし、密環境の軽減やマスク・手洗い・消毒などを徹底しリスク軽減に努めた生活を行いました。

 

 

整備されたハーフパイプ

 

松本選手とTOPチームコーチ

 

 

 トレーニング会場となったカッパーマウンテンでは、本遠征期間に予定されていたワールドカップがコロナの影響で中止となってしまいましたが、スキー場ではハーフパイプの競技施設の造成を進め、1日1枠2時間、25名での限定した環境の中でのトレーニングとなりました。時間が決まっていること、人数が少ないことで、短い時間の中ではありましたが、毎日が大会の公式トレーニングの様な状況となり、緊張感のある集中したトレーニング環境で質の高いトレーニングを行うことができたと思います。

 

 

スノーモービルを活用したトレーニングの効率化

 
 

追尾撮影を行う映像サポート佐藤氏

 

 

 

 本遠征においてはトップチームの第2次遠征も併催されており、同会場にてトップ選手と一緒にトレーニングを行う環境を用意し、選手たちの競争意識、相乗効果を生む環境となりました。

 今回参加した選手にはオリンピック、ワールドカップなどの国際大会を豊富に経験している経験値の高い選手から、ワールドカップ未経験の将来有望な若手選手もおり、それぞれの置かれている状況に応じてワールドカップ参戦に向けて今回の遠征の中での目標設定を行い、日々の練習で取り組みを進めました。

 特にジュニア年代の重野選手(15歳)、鍛治選手(16歳)においては、これまでのジュニア世代の環境から一段階上がったトップチームとの練習環境となり、吸収するものが多く、成長と気付きも多くあった合宿になったことと思います。

 

 

現地コーディーネタ−のスキーアメリカ様

 

 

 

 国内、世界的にもコロナウィルス感染拡大においてはまだまだ余談を許さない状況であります。そのような状況の中でも選手たちは自分たちの目標達成に向けてリスクを顧みずに必死に足を止めずに進んでおります。今回の遠征合宿実施にあたっては環境を用意していただいたスキー場様、現地コーディーネートをして頂いたスキーアメリカ様、ご支援頂いているスポンサー様、応援頂いている皆様からのご協力・ご理解があり、このような状況下においても強化活動を足を止めずにできているということを改めて感じました。我々チームも選手の目標達成に向けて益々の精進、向上意識を持って進めていきたく思います。

 

 

toto助成によるサポートに感謝

 

 

報告/ハーフパイプチーム ヘッドコーチ 治部 忠重
All Photo: @mjvision011

 

 

 

以下、本遠征参加選手からの報告。

重野秀一郎選手
「今回の目標は、トップ選手と練習できるということで、自分はまだ世界のトップ選手と比べ差があり、多くを吸収することを目標にしました。その為に、トップ選手の練習の仕方を見ました。その結果、練習の効率が良くなって新技が何度もトライできたり、難しい技も何度もトライできるようになりました。この先、今までよりも難易度が高くなり恐怖で何度もトライするのが難しくなってしまうことが起きてしまうかもしれません。でも、今回の練習で得たものを生かし何度もトライできるようにしていきたいです。コロナ対策では、マスクかフェイスマスクの着用は絶対で、その他にも手洗いやうがいを徹底して行いました。最後に今回の遠征は短いようでとても良い練習になり、やりたかった技に加え新技にもトライでき繋げることができたので、とても濃い2週間になりました。」

 

重野選手のエア

 

 

冨田るき選手

「今回、コロナウィルスの影響で大会がなくなってしまいましたが、練習をできる環境を作っていただけたことにとても感謝しています。昨年まで大会でやっていたルーティーンに加え、新しい技への挑戦ができ自分の自信に繋げることができた2週間だと思います。次の遠征から大会が予定されているので、今回の合宿でやってきたことを活かせるように頑張ります。」

 

冨田るき選手のエア

 

 

松本遥奈選手
「今回の合宿ではbs540、cab720の抜けを直すことを目標として臨みました。bs540はエアのラインから直し、cab720はキャバからやり直ししました。bsのラインは良くなり、キャバする時はラインなど変えられたと思いますが、まだcab720になると力が入ってしまいうまくできなかった部分がありました。今後に向けてはbsエアをするようにbs540をできるようにしていきます。キャバする時のようなラインで入り、力まないで、上に飛ばせるようなcab720をすることを心がけてトレーニングに取り組んでいきます。今回合宿では特に手洗い、消毒を徹底し、マスクを常に付けて生活をしていました。」

 

松本選手のエア

 

 

鍛治茉音選手
「今回のアメリカ合宿では、高さを上げ、技のクォリティを上げてワールドカップに向けて準備するのを大きな目標として取り組みました。合宿の前半は、高さを出すためのラインどり・ポジショニング確認を中心にエアで整え、F720・CB720のためのF360・CB360、F900のためのF540、B540の高さ上げに取り組みました。エアの高さも上がり、グラブの長さや見せ方を上手くできるようになりました。F540もB540もエアと同じように高く飛べるようになって、昨シーズンよりもグラブをする時間が長くなり前半でのトレーニングでF900などのイメージを掴むことができました。
 合宿の後半は、難易度を上げたF720・CB720・F900の完成度、高さ上げ、ヒットのさせ方を気にして練習に取り組みました。F720の回転の仕方、CB720に繋がる着地のさせ方を理解しCB720も高さが上がり終盤にかけてどんどん良くなっていきました。F900は、ヒットのさせ方・1回転目の腰の使い方で高さのあるF900ができることがわかりました。
 今回の合宿でやった事を踏まえて、今後は全体的にもっと高さを上げて1つ1つの技にスタイルを加え磨きをかけていくことに取り組み、さらに良い滑りができるように研究し取り組んでいきたいと思いました。また、今回は初めてのコロナ対策をしながらのトレーニングでした。基本的に部屋ではマスクをし、外から帰ったら手洗いうがいを必ずしたり、使ったテーブルなどは消毒したりとしっかりと感染予防をしていました。今回の合宿で私は、コロナ対策をはじめ技の色々なことを気にしながら集中して合宿に参加できたと思います。練習時間の短い中でどこまでやるのか細かく計画を立ててトレーニングできて良かったです。」

 

鍛治選手のエア