競技

2021/01/19

【REPORT 第5回スノーボード(ハーフパイプ)合宿】
競技別強化拠点における特別な環境でのトレーニング実施

2021年、新しい年が明けた最初の事業は競技別強化拠点、青森スプリング・スキーリゾートから始まりました。1月7日から1月13日の期間で行われた第5回スノーボード(ハーフパイプ)合宿では、冨田せな選手(チームアルビレックス新潟)、小野光希選手(バートン)、今井胡桃選手(プリオHDスキー部)、平野海祝選手(開志国際高校)、重野秀一郎選手(バートン)、冨田るき選手(チームJWSC)の強化指定選手、国内強化指定選手の6名が参加しました。

今回の合宿は次の遠征の中で練習期間があるので、その機会に繋げる競技力向上を見据えた新技への取り組みを一番の目的として行いました。今回のトレーニングでは競技別強化拠点を活用して世界基準での環境・セットアップを用意していただき、シーズン初旬としては最高の環境での合宿となりました。

集合写真

 

青野コーチ・コーチング風景

各選手とミーティングを行い今回の合宿の目標を定め、6日間でそれを達成できるようにその日その日の練習内容を決めて雪上トレーニングを進めました。男子の平野選手はFW1440を目標に設定し、そのためのFW1260を何回も練習し、FW1440に向けた反復練習を行いました。重野選手はFW1260を目標にFW1080の縦軸、あるいは横軸を強くしてみたり、色々と試行錯誤しながら練習を行いました。

女子選手は冨田せな選手と小野選手はF1080を目標にし、F900からF1080に返す際の目線や、肩の開き方を練習しました。グラブのつかみ方にもコツがあるので、いかに遠心力をコントロールして着地までスムーズに回せるかというのを感じながら反復練習を行いました。今井選手はB900を目標にタメの作り方、抜けるときの先行動作の入れ方を、高さを出せるようにするために練習しました。冨田るき選手はフロントサイドスピンの時に大振りしてしまう癖があったので、低回転で大振りしなくても最小限の力で回すことを体で覚えるように反復練習を行いました。

コンディショニングトレーニング風景

樋口トレーナーによる伊藤超短波さんの治療器を使用したケア風景

 

今回は着地がエアマットだったため、色々試すことができて選手たちにとっても新たな環境において向上できたと思います。コロナ禍の現状下で目標に対して進んで行くことはとても難しいですが、我々スタッフが一丸となって選手たちの目標達成に向けて少しでも近付けるようにと思い、ハーフパイプチームの活動強化拠点の青森スプリング様とミーティングを積み重ねて形にできた合宿となりました。急なお願いにも快く応えて頂いた青森スプリング・スキーリゾート様、スタッフ、ディガーの皆様、最高の環境を用意して頂き本当にありがとうございました。

次の遠征の出発はすぐとなりますが、今回練習したことを思い出しながら結果に繋げていきたいと思います。我々スノーボード・ハーフパイプチームは足を止めずに進んで参ります。

報告/スノーボード・ハーフパイプ技術コーチ 青野 令
Photo by Kosuke Shinozaki

選手からのコメント

冨田せな選手
「今回の合宿はエアマットを使用して練習をしました。初めはとても怖かったけど、徐々に慣れてきて良い練習ができたと思います。やりきれなくて少し悔いの残る部分もありましたが、良いイメージもできたので今回の合宿のことを思い出して雪上でチャレンジしたいと思います。」

冨田せな選手

小野光希選手
「今回の合宿での成果はF900ではアールからリップまでのラインを意識できたことです。F1080に向けての練習で目線の送り方や前の手、グラブの引き寄せ方の感覚を覚えることができました。リップまでのラインが斜めにならないようにすることと、F1080のときにもっと前の手を開き続けること、目線を止めないことが次の遠征に向けての課題とします。
 今回のエアマットトレーニングでは、アプローチが長かったので早いスピードに慣れることができました。着地がエアマットだったので回転することに対する怖さは雪上より少なく、できない技への挑戦もできました。」

小野光希選手

今井胡桃選手
「今回はエアマットを使用してB900をメインに練習しました。最初は難しくて飛ぶので精一杯でしたが、最終的には何本か良い軸でB900ができました。
 まだラインや抜けが不安定なので、うまくいった滑りを癖付けて安定させていきたいです。マットまでの距離を直滑降で滑って飛ぶのは怖かったし、難しかったですが、今回の合宿で自分の中の恐怖心に勝ち、精神的にも強くなれた気がします。」

今井胡桃選手

冨田るき選手
「初めてのエアマットジャンプで不安と緊張がありましたが、次に繋がる練習ができました。高回転の技までたどり着けませんでしたが、低回転で自分の悪い癖を見つけて工夫できたと思います。エアマットをできる環境を作って頂けたことにとても感謝しています。」

冨田るき選手

平野海祝選手
「今回の合宿は自分にとってすごく良い環境で、内容の濃い練習ができました。今回の目標はフロントサイドスピンでした。フロントサイドスピンは技というよりも抜けがしっかりしてないと技ができないことがわかりました。抜けが失敗した時は必ず空中も失敗するので、綺麗に着地できませんでした。これをしっかり胸に刻みハーフパイプでもチャレンジしたいです。抜けが失敗して空中がバラバラになっても痛くなく怪我をしないエアマットでのトレーニングはとても良い練習になりました。」

平野海祝選手

重野秀一郎選手
「今回の合宿ではフロントサイドダブルコーク1260の練習をしました。今回の練習の成果として1260のコツや自分が技術面で何を直さなければならないのかを学べた合宿になりました。しかし、1260を早く完成しなければならないと焦りが出てしまい、今回の合宿では完成できませんでした。
 今後は、今回のようにエアマットを使う練習ができる時は焦らず自分が今何を直さなければならないのか、何をすればその技ができるのかを考えて一本一本集中して練習し、時間が限られる中でも少しでも早く新しい技が完成するように練習の仕方を見直して次につなげていきたいです。」

重野秀一郎選手