競技

2021/04/30

【REPORT 第3回アルペン合宿】パラレル種目への挑戦

第3回アルペン合宿

場所北海道釧路市阿寒湖畔スキー場

日程2021年3月22日~24日

目的パラレルスラロームスタートトレーニングとムービーによる動作解析用動作映像の収集

 

 

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※撮影のために同方向を向いているので一時的にマスクを外している選手もいます。

 

 近年ワールドカップの個人種目としても加わったパラレル種目は、世界選手権やオリンピックでのチームイベントにもなっており、日本も個々の種目同様に注力する必要のある種目です。パラレルの面白いところはなんと言ってもエンターテイメント性にあります。対戦相手が横にいることで視界に入り、それによってバランスやタイミングを崩すことでミスへ繋がることも多く、力のある選手が勝つとは限りません。また新種目だからこそルールも発展途上であり、ルール変更に各国が都度対応していくことが必要であり、世界各国と同じタイミングで動き出すことが可能です。今後日本チームが新体制になり技術系種目でメダル獲得を目指し強化していく中で、パラレル種目にも力を入れることで2026年、そして2030年のオリンピックでのメダル獲得の可能性は大きく近づきます。 

 

 2030年でのメダル獲得のターゲットとなる年代が国内強化指定選手であり、特にU16世代の選手になります。
 今季のジュニアオリンピックでは、K1がGSとPGS、K2はGSとSL、そしてPGSが実施され、PGSが新種目として採用されました。直前合宿となるこの合宿では目前となったジュニアオリンピックへ向ける意味もありますが、それ以上に10年後の日本チームが確実にメダルを獲得するためのデータ収集という 意味が多くありました。

 パラレル種目は通常の技術系種目とは異なり、スタートゲートを使用します。日本の選手が集中してスタートのみのトレーニングを行うのは初めてであり、レースと同じスタートシステムを使用したトレーニングを実施できたことで、選手だけではなく関わったスタッフも設置の場所や角度、時間など、あらゆることが見えた素晴らしい体験となり、今後の日本スキー界にとって大きな一歩となったと感じています。

 

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 選手達はオーストリアスキー連盟のパラレル競技スタートマニュアルの写真を見ながら、自らいくつかの方法を確かめることでトライ&エラーを繰り返し、選手個人のパワーや体格の差を考慮しながら取り組みを変化させており、夏から繰り返し伝えていた「思考を止めない考えられるアスリート」としての成長も実感することができました。

 この競技がジュニア世代のレースで増えていくことはエンターテイメントの面からもジュニア世代が盛り上がる素晴らしい種目です。 今合宿のトレーニングでも今まで以上に選手とコーチの距離が縮まるような空気が生まれ、コーチと選手の関係性にも良い影響をもたらしてくれたのではないかと思います。スタートトレーニングに7割の時間を割いた合宿となりましたが、収穫の多い時間となりました。

 

 

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 また今合宿もJ:COM(ジュピターテレコム)様、Just Loving Ski様のサポートで事業を行いました。誠にありがとうございます。スタッフ陣に関しましてもヘッドコーチである佐々木に加え、信頼できる全国各地で活躍しているスタッフを招集いたしました。スタッフとしてサポートいただいたコーチ陣のハードワークにも心より感謝申し上げます。

 

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※撮影のために同方向を向いているので一時的にマスクを外している選手もいます。

 

 

 また、この合宿は一般社団法人ジャスト・ラビング・スキーによるクラウドファンディングの支援、及び株式会社ジュピターテレコム様による支援をいただき実施することができました。新型コロナウイルスの影響で世界大会への参戦はかないませんでしたが、選手の活動をご支援いただき感謝いたします。

 

 

報告/アルペン国内ヘッドコーチ 佐々木 明