競技
2022/02/24【REPORT 第3次 スノーボード(ハーフパイプ)遠征報告】夢の実現に向けて
年末までの第2次遠征からつかの間、年始早々より第3次遠征が始まりました。
本遠征においてはオリンピックトライアルの最終章となるワールドカップ2戦参戦と後半においてはオリンピックに向けた代表合宿の流れで計画を進める事となりました。
▲※遠征の概要はこちら
コーチミーティング風景
★Mammoth Mountain戦(USA)
男女ともに全員が決勝進出を果たした事はここまで選手たちが準備してきた事を結果に繋げられている成果としての表となりました。
決勝では通常3本の所を、決勝進出者の人数を増やし2本の試技で行われました。
男子、女子ともに守ることなく自分のベストランに臨みました。
男子では平野歩夢選手の優勝、平野流佳選手が2位、平野海祝選手が4位に入る熾烈な展開となりました。女子においては演技にBS900とFS900を組みこの大一番で決めた冨田るき選手がワールドカップ初優勝を飾りました。冨田せな選手が3位、小野光希選手が4位と女子においても表彰台に2名が絡む熾烈な展開となりました。
ワールドカップ マンモス戦 ワールドカップ初優勝の冨田るき選手と3位の冨田せな選手
冨田せな選手のエアー
ワールドカップ マンモス戦で表彰台を飾った選手達
★LAAX戦(SUI)
オリンピックトライアルの最終戦。選手たちの運命が決まる1戦に向けサポートスタッフにおいても悔いのない準備を心がけました。素晴らしいハープパイプコンディション、トレーニング時間も十分に設定された素晴らしい競技運営の中で行われた1戦にはオリンピック仮想した世界のベストメンバーが集結した試合となりました。
日本チームにおいても男子、女子共にオリンピックを仮想した試合流れを組み、予選、決勝に向けての演技構成の構築を進めて行きました。その中で臨んだ予選、決勝においては攻めるしかない状況の中、自分たちのベストな演技に臨みました。男子においては平野歩夢選手が高さのある圧巻の演技でワールドカップ2連勝を成し遂げ好調を示しました。女子においては小野光希選手がオリンピックに向けて取り組んできたCAB1080を組み込んだ演技を決め2位に食い込み、冨田せな選手もFS1080を決め4位、松本遥奈選手も自身のベストに挑戦し5位入賞を果たす結果を得ました。
同時に今シーズンのワールドカップツアー表彰も行われ、男子では平野歩夢選手が1位となりクリスタルグローブを獲得。2位に平野流佳選手、女子においても2位に冨田せな選手、3位に小野光希選手と男女共に今シーズンのワールドカップを席巻しました。
ワールドカップ・ツアー女子表彰 2位・冨田せな選手 3位・小野光希選手
ワールドカップ・ツアー男子表彰 1位・平野歩夢選手 2位・平野流佳選手
結果もさることながら、それぞれにおいてここまで試合に向けて目指す所の設定を明確にし、その為の準備を日々の練習から進めてきた調整、その取組みが選手たちのパフォーマンスに繋げることができたのかと思います。結果を求められる選手たちにとって結果は大事ですが、そこに臨む過程、内容が自身の得た結果に対する満足度を増長させる事に繋がることとして取り組んできました。
この試合結果をもって北京オリンピック日本代表が決まる事となりました。
平昌後から4シーズン、オリンピックトライアル2シーズン、その間には予測もつかないコロナウイルスの発症とそこへの戦い。当たり前の環境が当たり前でなくなった状況下において選手、スタッフ共に目標を見失わず進めてきました。多くのご支援、ご声援、活動へのご理解にチーム一同心より感謝いたします。
ワールドカップ ラークス戦の表彰台を飾った男子・平野歩夢選手、女子・小野光希選手
ラークス戦 片山來夢選手のエアー
コーチによるWAXサポート
報告: スノーボード/ハーフパイプ ヘッドコーチ 治部 忠重
★アメリカ・X GAMES、Copper Mountain代表合宿
スイス・ラークスでのワールドカップ終了後アメリカ・アスペンにて開催されたX-GAMESに、冨田せな選手、冨田るき選手、今井胡桃選手がチーム遠征として、平野歩夢選手、平野海祝選手、松本遥奈選手が個人参戦しました。
この合宿の目的は、オリンピック前最後の試合というのもあり選手達にはオリンピックを想定した上でのルーティーン組んで大会に臨もうと話して進めて行きました。
X GAMESでのチームサポート
X GAMES参加の女子選手
スイスからの長時間移動後の翌日から公開練習が始まるハードスケジュールの中、選手はスイスとのパイプコンディションの変化に悩みながらも決勝当日には形状に合わせ、冨田せな選手は日本人初となる優勝を飾り勝負強さと調整の好調を示しました。男子においては平野歩夢選手が2位、平野海祝選手と松本遥奈選手が3位と日本選手勢が表彰台を独占しました。
X GAMES 日本女子史上初優勝を飾った冨田せな選手と、3位に食い込んだ松本遥奈選手
X GAMES男子表彰台 平野兄弟
その後はオリンピック選抜メンバーでカッパーマウンテンに移動し、トレーニングキャンプに参加して貸し切りのハーフパイプとエアバックで北京オリンピックに向けた最終調整トレーニングを行いました。
パイプのコンディションも毎日整備が入り、バグジャンプではスノーモービルの運搬もしてくれたので効率良いトレーニングを積む事が出来ました。
選手とも、毎日技術ミーティングを行い次の日の課題を与えて進めて行けた事が良かったと思います。
特に、平野歩夢選手に関しては1日多い時でバグジャンプ70本近いトレーニング、その後にパイプのトレーニングと1日平均7時間のトレーニングをこなし、北京入前に十分な調整と自信をつけて臨むことになりました。
平野歩夢選手の練習量を支える内田トレーナーによるケアサポート
報告: スノーボード/ハーフパイプ コーチ 村上 大輔
★スイス・ラークス代表合宿
スイス、ラークスオープンワールドカップを終え、戸塚優斗選手(ヨネックス)と平野流佳選手(太成学院大学スキー部)と小野光希選手(バートン)はXgamesに招待されていたがオリンピックに向け最終調整を行う為にラークスに残り練習を行いました。
戸塚優斗選手のエアー
動作解析サポート白川氏と
安岡トレーナーによるケア
今回の練習では、戸塚優斗選手はCABW1260からSB1080の繋ぎ、BW1260、Fトリプル1440の完成度を上げる事。平野流佳選手はBW1260とCABトリプル1440の完成度を上げる事。小野光希選手は、高さを常に意識し、CAB1080の完成度を上げる事を目的として練習を行いました。
練習内容として、大会のルーティンを想定した中で繋ぎの練習をメインに反復練習を行いました。トリプルコークに関しては合わせの技をしっかり行った上で挑戦、修正、調整を行いました。小野光希選手は、大会を想定し、朝一から45分間滑走し、その後で2本ルーティンを繋ぐという練習を行いました。その後でCAB1080のメイク率アップの練習を行いました。
気付けば、オリンピック前の調整というよりも練習がメインになっていました。怪我のリスクを最低限にするために合わせをしっかりと行ってはいましたが、挑戦には怪我が付き物なのか打撲などの怪我が少し見られました。しかし今回のラークスで練習出来た事はオリンピックでも確実に結果の出せる練習を行う事が出来ました。オリンピックに向け心と体のケアを行い最高の状態で挑めるように調整を行います。
映像サポートMJ氏
森田トレーナーによるケア
遠征を支えたサポートスタッフ
報告: スノーボード/ハーフパイプ コーチ 青野 令
コンテンツ内の一部に撮影時のみマスクを一時的に外している場面がございますが、当事業はSAJ感染対策ガイドラインのもとPCR検査を行い実施しております。