競技

2013/04/08

【REPORT 第19回スノーボード全日本選手権大会】
ハーフパイプ・アルペン・クロス

【ハーフパイプ/報告:HPコーチ治部忠重】
 天候にも恵まれ快晴の中、3月31日にニセコ花園スキー場を舞台に行われた第19回SAJ全日本選手権大会のHP競技は、五輪を翌年に控え国内トップ選手達の真剣勝負が繰り広げられた。雪上が緩みスピードコントロール、着地に苦戦する選手が多かった。男子では高さ、技での勝負となり、今季好調のC指定佐藤秀平選手が、FS1080-Cab720-FS900-BS900の演技構成を決め1本目で優位に立った。A指定青野令選手、B指定平岡卓選手らも高さを重視した演技構成で臨むも、細かいミスで思う様に点数を伸ばせず、佐藤選手が直前ワールドカップファイナル3位表彰台に続き、初の全日本選手権を制した。若手の選手の成長も見受けられた熱い全日本選手権となった。女子では高さを出した演技構成を決めた国内強化指定岡田良菜選手が、怪我からの復活で全日本選手権を制した。

 

ハーフパイプで優勝した佐藤秀平選手

トップ選手が顔をそろえたことで多くの報道陣が訪れ、関心の高さが伺われた

 

 

【アルペン/報告:ヘッドコーチ上島しのぶ】
 4月4日、パラレルジャイアントスラロームの全日本競技が、ルスツリゾートで行われた。雪のコンディションを創造するのが難しい微妙な温度帯の天候の中、硫安で固められた雪と、柔らかな春雪の混在する、高度な対応が求められるレースとなった。男子は、ワールドカップを転戦するスイスから参戦の2名、およびオーストリアからの1名の他、韓国、中国から多数と、国際色豊かな面子がエントリーした。韓国勢が勢いをつける中、全日本選手権でありながら、日本人でベスト8に残ったのは1名だけで、非常に不甲斐ない結果となった。女子も数名の韓国、中国勢が参戦し、竹内智香は準決勝で油断があり韓国の鄭ヘリムに敗れ、ビッグファイナルも鄭選手が家根谷依里を下し優勝した。今大会は、近年力をつけてきた韓国人選手に順位を明け渡した結果となった。今後の強化の在り方を見直したい。

 

今大会のPGSコース

女子表彰式

 

 

【スノーボードクロス/報告:SBXコーチ五十嵐幸太】
 4月5日、SBXは昨年から引き続き北海道ルスツリゾートにて開催され、間違いなく今季最高レベルのコースとなった。スタートから起伏の激しい縦のセクションが続き、バンクの大きさも申し分なく、全てが綺麗にハンドシェイプされていた。現在のワールドカップのコースに多く取り込まれている内容を日本で作り上げる事ができた。各選手にとってそれは大きなタイム差として表れ、足りない心技体を明確にする事ができた。若い選手には初めて体感するコース内容が多く、初めは戸惑っていたが海外で活躍するナショナルチームのバンクのラインやウェーブの滑り方を自分なりに必死に分析する様が見受けられた。基礎となる技術は非常に重要だがコースによって得られる気づきも多く、大会中に成長する選手も多く見られる素晴らしいコースレイアウトだった。レース内容は女子の藤森由香選手が圧倒的な実力差で優勝、男子もワールドカップで培った実力と経験を惜しみなく発揮し、桃野慎也選手が優勝した。

 

ワールドカップ級のコースで行われたSBX

コースを厳しい目で見つめる優勝した藤森由香選手

コースを厳しい目で見つめるSBXで優勝した藤森由香選手

予選も決勝も1位と常に赤ビブで出走する桃野慎也選手