競技

2013/04/01

【REPORT スノーボードHPワールドカップ シェラネバダ大会】
子出藤歩夢が2位、佐藤秀平が3位

 スペイン・シェラネバダで開催された、スノーボードHPワールドカップ最終戦には、ナショナルチームから細川孝介選手、子出藤歩夢選手、吉田景風選手、佐藤秀平選手の男子4名を派遣参戦した。

 風、雪、ガスと連日天候に恵まれず、当初3日間予定されていた公式トレーニングも1日となり、試合当日も厳しい天候、環境下での戦いを余儀なくされた。エントリー数も男子28名と少なかったが、ワールドカップを転戦する各国の選手の中での戦いで気を抜ける試合ではなかった。

 

 試合当日、ガスで視界がほとんどない状況で8:30からの開始予定が最終的には13:00開始となり、出場選手全員2本演技のベストランが採用となる方式と、競技方法も変更になった。

 プラス気温で雪上のコンディションも難しく苦戦する選手が多い中、2番出走の子出藤選手は1本目から持ち前の高さを全面的に出した演技構成に加え、スタイル、テクニカルな技を組込んだ演技(BS Air-FS900-BS540-FS1080-Cab900)を決め83.75ポイントをマークした。続く4番出走の佐藤選手は高さのあるFS10からCab10-FS Air-BS900-FS900と流れに乗った演技を決め82.50ポイントと高位置につけた。13番出走の吉田選手は難易度の高いダブルコーク1080からエントリーし演技を繋ぐも最後の演技で手をつき点数を伸ばす事ができなかった。(FS Double Cork1080-Cab720-FS900-BS540-FS1080)21番出走の細川は高さのあるBSチャックから演技をスタートさせるものの、演技全体で細かいミスが目立ち点数を伸ばす事ができなかった。(BS Chuck-FS900-BS540-FS1080-Cab720)

 

 2本目の演技では雪上のコンディションが悪化し、各選手点数を上積する事ができず1本目の点数が採用となり、子出藤選手が2位となり自身WC初の表彰台を獲得した。また佐藤選手も3位に入り、今季2度目の表彰台獲得とともに、SBHP種目WCシリーズランキング3位のタイトルも獲得した。雪上の環境だけではなく、スケジュールや競技方法変更など精神的な部分でも非常に難しいコンディションの中、選手達は自分の演技を自信を持って出し切った事が一番の収穫であり成長であった。

 

 本試合で2012-2013シーズンのワールドカップが全て終了した。SB HPでは青野選手の優勝、佐藤選手の2位のワンツーフィニッシュから始まった初戦のニュージーランド戦から、平岡選手の世界選手権2位、ソチ戦優勝、そして今回の子出藤選手2位、佐藤選手3位と表彰台の常勝となり男子選手おいては確実に結果を残せたシーズンであった。とは言え、世界の主力と戦って行くにはまだまだ課題が多いのも事実であり、更なる確実な強化が必要である。開催まで1年を切ったソチ五輪の舞台で本当の結果を出す為、残りの期間を大切に確実な強化に充てたい。

 本シーズンもSB HPチームに対する数多くの応援ありがとうございました。

 

試合前に入念な用具調整を行う佐藤選手(手前)と子出藤選手(奥)

試合前に入念な用具調整を行う佐藤選手(手前)と子出藤選手(奥)

濃霧でタイムスケジュールの変更が度重なった

濃霧でタイムスケジュールの変更が度重なった

試合当時の午後から快晴になり試合が行われた

試合当時の午後から快晴になり試合が行われた

2位となり初の表彰台を飾った子出藤選手(左)と3位で今季2度目の表彰台佐藤選手(右)

2位となり初の表彰台を飾った子出藤選手(左)と3位で今季2度目の表彰台佐藤選手(右)

健闘したTEAM JAPAN 左手前より治部コーチ、吉田選手、細川選手、佐藤選手、子出藤選手

健闘したTEAM JAPAN 左手前より治部コーチ、吉田選手、細川選手、佐藤選手、子出藤選手

長いグラブタイムでスピンを行う佐藤選手

長いグラブタイムでスピンを行う佐藤選手

群を抜いた高さ、スタイルをみせる子出藤選手