競技
2022/11/07【REPORT 2022アルペントレーニングセミナー】
8月7日(日)の東北会場を皮切りに、全7会場(オンライン含む)にてアルペントレーニングセミナーを下記の内容で開催いたしました。
なおこのセミナーは「スポーツ振興くじ助成金」を受けて実施しております。
1. 目的
トレーニングの知識を深め、年代毎に必要な要素を理解し、フィジカル強化によるアルペンスキーでの競技力向上を目指す。
スキーアルペンナショナルチームが実施しているフィジカルテストを共有し、日本全体のフィジカルレベルの向上及びトレーナー指導者との連携を図る。
2. 開催場所
- 2022年8月7日(日)東北会場「山形市立蔵王体育館・山形市」
- 2022年8月20日(土)近畿西日本会場「滋賀県立武道館・大津市」
- 2022年8月21日(日)関東会場「ALSOKぐんま総合スポーツセンター・前橋市」
- 2022年8月27日(土)甲信越会場「野沢温泉スパリーナ・野沢温泉村」
- 2022年8月28日(日)北海道会場「北星学園大学・札幌市」
- 2022年9月3日(土)東海北陸会場「富山県総合体育センター・富山市」
- オンライン 2022年8月28日(日)北海道会場はオンライン同時開催(ZOOM使用)
3. 主催
公益財団法人全日本スキー連盟アルペン委員会
4. 講師
- 河野恭介(全日本スキー連盟アルペンコーチ)
- 柏木久美子(全日本スキー連盟アルペントレーナー)
- 澤野博(ユニット代表NCSAジャパン南関東アシスタント地域ディレクター/CSCS*D)
- 菊地真也(NSCAジャパンマスターコーコーチ/CSCS)
- 柿谷朱実(富山県体育協会スポーツ専門委員/ATC, CSCS)
- 小嶋理恵子(公認スポーツ栄養士/管理栄養士)
- 中里浩介(北見工業大学 准教授)
- 石田崇征(JASA-AT)
- その他(アルペン委員会専門委員、他) ※担当講師は会場により異なります
5. 内容
- (1) 概要説明
- (2) 体力測定について
- (3) 栄養
- (4) 発達発育・トレーニング概論(前半)
- (5) トレーニング概論(後半)・実技指導
- (6) 傷害・傷害予防/セルフケア
(1) 概要説明
はじめに、このセミナーを開催する目的やフィジカル面での強化方針を示し、なぜ正しいトレーニングが重要なのか共有しました。
オーストリアチームで昨シーズン北京オリンピックにおいて金メダルを獲得したヨハネス・シュトロルツ選手からのビデオメッセージもいただきました。
(2) 体力測定について
ナショナルチームコーチである河野 恭介氏よりナショナルチームや国内の強化選手が昨年より取り組んでいる体力測定についての紹介があり、なぜこのような測定項目を設定し、どのように実施するのか具体的な方法についての説明を行いました。
(3) 栄養
公認スポーツ栄養士の小嶋 理恵子氏より、アスリートの栄養についての講義を行いました。
(4) 発達発育・トレーニング概論(前半)
NSCA・CSCS資格者の澤野 博氏および菊地真也氏による各年代におけるトレーニングの重要性や考慮すべきことについての講義を行いました。
(5) トレーニング概論(後半)・実技指導
実際に体を動かして、各運動の正しい動作についての講習を行いました。選手は自身の動きを、指導者の方は自身の動きに加えて選手の動きに対する注意点や指導方法についても知識を深めました。
(6) 傷害・傷害予防/セルフケア
トレーナーの柏木 久美子氏、柿谷 朱実氏、石田 崇征氏による、普段のセルフケアの重要性や傷害予防についての講習を行いました。
6. 所感
この事業を通して、全国のアルペンスキー競技者(特にジュニア年代)に対するフィジカル強化の重要性やその目的を共有することができました。さらにはその指導者に対しても同様の情報を共有できたことで、日本のアルペンスキーとしてのフィジカル強化の指針を示すことができたと考えています。
これまで強化マニュアルというものが存在しなかった我々にとって、フィジカル面でのマニュアルを確立し、それを広く周知することができたことがこの事業での最大の成果であると考えております。
この事業を計画する際に掲げた目標は (1)ジュニア育成と子供の体力向上、(2)女性のスポーツ参加支援、(3)競技水準の向上、(4)地域スポーツの環境整備の4つでした。そのうちの(1)、(3)、(4)においては想定以上の反響をいただき、大きな成果を感じております。しかし「(2)女性のスポーツ参加支援」についてはスケジュールの関係でこの事業では詳しく取り扱うことが叶わなかったため基礎的な部分のみを行い、詳細内容を後日強化指定選手向けのオンライン講習という形で独自に実施させていただきました。男性コーチが多い環境であるため、なかなか女子アスリートの事情を把握できる機会が少ない現状にあり、今後は詳しい講習を地域ごとに行うことの重要性を感じています。それ以外の目標については専門家を講師に招き、ジュニア機に重要なフィジカル面や栄養、傷害/傷害予防での教育を行うことができたことで、参加者の皆様からもこのような講習を継続してほしいという要望を多くいただきました。他にもスキー技術の講習を求める声もあり、今後も内容をアップデートさせながら継続していくことで日本としての強化指針がより明確になると感じています。
今回開催の機会を頂けたことに心より感謝いたします。また各地域のアルペン委員会専門委員の皆様にもご協力いただけたことで多くの方にご参加いただき、広く情報を発信することができました。今後も皆様よりいただいたご意見を参考に、情報発信や教育の機会確保に努めて参ります。
報告: アルペンチーム 男子コーチ 河野 恭介
当事業はSAJ感染対策ガイドラインのもとで実施しております。