競技

2013/03/11

【REPORT スノーボードジュニア世界選手権HP】
ここから始まる未来への1勝/優勝:穴井一光

 3月7、8日、トルコ・エルズルムにて行われたジュニア世界選手権のハーフパイプ競技には、ジュニア指定選手より男子・片山來夢選手、山形泰聡選手、穴井一光選手の3名と女子・本多未沙選手、佐藤亜耶選手2名の計5名の選手を派遣致しました。海外経験が少ないジュニア選手達にとって今回の試合参戦にあったっては、競技だけの事ばかりではなく、海外での生活環境や食事などの環境への適応も求められた中での参戦となりました。

 

 男子54名、女子19名のエントリーで行われたHP競技予選では、男子・穴井選手、女子・本多選手、佐藤選手が素晴らしい演技を行い、上位3位に入り直接決勝進出を決めました。セミファイナルへ進出した男子・山形選手は高さのある演技を完璧に決めセミファイナル1位抜けで、片山選手は勝負強い演技を行い3位で共にファイナルへと進みました。参戦した日本人選手全員がファイナルの舞台での戦いに臨みました。

 

 ハーフパイプのコンディションも良く、快晴の中で行われたファイナルでは海外選手達も高さをあげてきて、ジュニアの大会と言えども非常にレベルの高い試合となりました。女子の本多選手、佐藤選手共に前日の予選以上の演技を決めるものの、海外勢の高さ、演技構成に圧され、4位に本多選手、5位に佐藤選手という結果となりました。今回派遣した本多選手、佐藤選手共にこちらにいる間だけでも日に日に高さをあげ、技の完成度も上がり成長を感じました。

 

 演技構成の内容を『高さ』でカバーした山形選手、テクニカルな演技構成で臨んだ片山選手、ひとつひとつの技の精度が高く、適用能力が非常に高い穴井選手と三種三様のカラーで臨んだ男子ファイナルでは、山形選手は予選、セミファイナルと出して来た演技構成を鳥肌が立つほどの高さで決めるも難易度の部分で劣り点数がのびず78.8pt。2本目で難易度を上げた構成で臨むも最後のF900の着地で立てずに表彰台を逃し4位。予選から確実に安定感を増した演技で臨んだ片山選手でしたがファイナルの最後の最後で演技内容に細かなミスが出てしまい点数を伸ばせず7位。予選2位一抜けで通過した穴井選手。

 

 ファイナルでは1本目から攻めて試合を優位に運ぼうという選択で臨んだ1本目。FS10-Cab10-F9-B5と高さ、完成度ともにほぼ完璧に決め88.8ptで暫定1位で1本目を折り返し戦略通りに試合を優位に運ぶ展開に持って行きました。他国選手も2本目で攻めた演技を行って来るも、穴井選手の1本目の点数を抜く事ができずに最終滑走者の演技を待ったのち、穴井選手の優勝が決まりました!!

 

 不慣れな環境の中でも、環境に順応する適応能力、チームみんなで助け合い、応援し合うチームワークが男子・穴井選手の優勝をもたらし、日本チーム全員の健闘に繋がった試合内容でありました。この選手達がこれから世界の舞台で活躍する日もそう遠くないと思います。今回の経験で得た事をバネに各々の更なる活躍を期待すると共に、ジュニア期から世界で戦う準備として必要な事の健全な指導、教育を行っていく必要があると感じました。

 

 今回の結果は普段よりジュニア選手の強化育成に携わられている国内強化コーチの皆さんのご尽力の結果でもあると思います。

 

試合に臨む用具の準備も勝つたの必須条件

代表の証である脚のJAPANワッペンをつけ、ビブを着て大会に臨む選手たち

整備が行き届き力量が発揮しやすい、今大会のハーフパイプ

同じJAPANチームのアルペン選手の大会をみんなで応援

大会後、優勝の穴井選手を囲んで

レベルの高い男子を制し見事優勝した、穴井一光選手

表彰を受けた左より、4位山形泰聡、5位佐藤亜耶、1位穴井一光、4位本多未沙、7位片山來夢