競技
2013/02/19【REPORT スノーボードHPワールドカップ ソチ大会】
成果のあった勝負
1年後に本番を控えたロシア・ソチでのプレ五輪ワールドカップ。ハーフパイプチームは男子6名、女子2名のナショナルチームフルサイズでの参戦を行いました。
想像以上の暖かい気候で競技施設であるハーフパイプのコンディションも軟らかく競技を行う上で非常に難しい状況でありました。コンディションの維持を最優先に競技スケジュールも随時変更され、選手達の適用能力も試される試合でもありました。各国も本番を想定した有力選手達がエントリーしており、男子では過去2大会金メダル獲得しているホワイト選手(米国)とフィンランドの有力選手を除くほぼオリンピックを想定したメンバーがエントリー、女子はオリンピックさながらのメンバーがエントリーした試合となりました。
日本選手は各ヒートからファイナルを目指し各々の演技を行いました。青野選手が安定した高さのある演技を2本とも決め予選1位でファイナル進出を決めると、平岡選手、細川選手、子出藤選手も確実にセミファイナルへ駒を進め、平岡選手が圧巻の演技でセミファイナル1位でファイナルへ進出を決めました。女子では降旗選手がセミファイナルから自身初となるファイナルへと進みました。
五輪本番を想定しナイトゲームで迎えたファイナルのステージでは、相手に不足はないメンバーの中での試合となり、非常に緊張感のある試合なりました。セミファイナルから勝ち上がってきた平岡選手からのファイナル1本目の演技で、予選では出さずにとっておいた高難易度のダブルコーク1080を組込み、高さのある確実な演技を決め90.25ptを出しました。予選1位で最終出走者の青野選手のファイナル1本目は難易度を上げたFS1260で着地に失敗し2本目の演技に望みを繋ぐ形となりました。
1本目終了の時点で平岡選手が暫定1位。全選手、巻き返しを図り果敢に攻めてきた2本目の演技ではコンディションの悪化により困難をしいられた展開となり、更なるポイントの上積みを狙い技の難易度を上げて臨んだ平岡選手も演技に失敗したものの1本目のポイントが採用されて暫定1位のまま迎えた最終出走者の青野選手。青野選手には迷いはなく、勝ちに行く演技をすると決めて臨んだ2本目の演技では1本目の演技で失敗したFS1260をかろうじて決めて繋ぎ最後の演技で挑戦したダブルコーク1080で着地に失敗、点数を伸ばせず結果9位となりました。この条件下の中で、勝ちいく演技を決断をした青野選手の選択は必ずや今後の大きな糧となる事を確信しました。結果以上に成果のあった勝負となりました。ファイナル初進出を果たした降旗選手は演技2本とも転倒してしまい、実力を出せず次毎で試合を終えました。
結果、平岡選手のワールドカップ念願の優勝を1年後に控えた五輪本番の会場で自らの初優勝という形で手に入れました。平岡選手にとってもこの1勝、ここでの1勝は今後に向けて非常に大きな意味のある1勝になった事と思います。
競技施設のコンディションやスケジュールの変更に加え、言葉や食環境の壁など数多くのハードルが多かった中、各々の選手達は上手く適用し試合に臨んでおりました。結果以上の成果と選手達の成長を確認できた非常に大きな収穫のあった試合となりました。この結果に甘んじず、1年後の舞台に向けて精進していきたいと改めて気を引締め直します。
想定外の環境の中、現場で動いて頂いたサービススタッフ、トレーナー、他コーチ陣の協力、連携に感謝いたします。この度得てきた現地での情報、経験を元に1年後の本番に向けて限られた時間の中で最善の準備を尽くしていきたいと思います。
多くのご声援ありがとうございました。今後ともHPチームへの応援を宜しくお願い致します。