競技

2023/01/27

【Report 第5次スノーボード(ハーフパイプ)遠征】LAAX OPEN/FIS ワールドカップ参戦 無念の決勝中止

第5次スノーボード(ハーフパイプ)遠征の概要はこちら

2023年の年明け早々1月9日よりスイス・LAAXに向けて旅立ちました。
本シーズンはLAAXでのWC参戦に向けて少し早めに前入りをして、大会用のハーフパイプに慣れる事を目的としてトレーニング、調整を行いました。
年末より個人遠征で前入りしていた選手もおり、本大会に向けては余念のない準備を持って臨むことができました。

本大会には強化指定TOPチームより男子・平野 流佳るか 選手、戸塚 優斗ゆうと 選手、平野 海祝かいしゅう 選手、片山 來夢らいぶ 選手、女子・小野 光希みつき 選手、冨田 るき 選手、ジュニアチームより重野 秀一郎しゅういちろう 選手、山田 琉聖りゅうせい 選手の8名の選手で挑みました。

2日間の公式トレーニングにおいては選手それぞれが準備してきた事を演技できるよう、コーチ陣とも連携をとりながら調整を行いました。
女子から始まった予選では小野選手が高さ、完成度の高い演技を決め予選1位で通過、冨田るき選手は大事なところでミスをしてしまいましたが7位で予選通過。

小野光希選手のバックサイドエアー by_Stadler小野光希選手のバックサイドエアー by_Stadler

男子は戸塚選手、平野流佳選手が難易度の高い構成での臨み、平野海祝選手は高さのある完成度の高い演技を決め、ジュニア選手の重野選手は果敢に攻めの姿勢で臨み4名の選手が予選を通過。平野流佳選手は予選2本目で難易度を更にあげ予選1位通過となりました。

最も会場を沸かせた平野海祝選手の世界一の高さのエアー最も会場を沸かせた平野海祝選手の世界一の高さのエアー by_Ruggli

迎えた決勝は降雪の中でのナイトファイナルとなりました。
決勝に向けての公式トレーニングの時から、時よりの降雪とガスがハーフパイプを覆い視界不良となり選手達にとっても危険な状況が続きました。
晴れたり、ガスが覆ったりの状況が繰り返され、最終的には選手間での開催の可否を決める投票が行われ、開催の否決が多数となり中止を余儀なくされました。
寒い中多くの観客が集い、晴れていれば最高の試合が繰り広げられたことと想うと大会のキャンセルは残念ですが、選手達の安全面を最優先に考えた大会主催者側の最終的な判断に感謝したく思います。

予選の順位が最終結果となり、男子では平野流佳選手が優勝、戸塚選手が3位獲得、女子では小野選手が前COPPER戦に続き表彰台の獲得、ワールドカップ初優勝と、イエロービブを手にしました。
ジュニアチームから参戦した重野選手も堂々たる演技で自身初の決勝進出を果たし、今後への期待が高まる結果となりました。

優勝を果たした平野流佳選手のエアー優勝を果たした平野流佳選手のエアー by_Ruggli
優勝 平野流佳選手 3位 戸塚優斗選手優勝 平野流佳選手 3位 戸塚優斗選手 by_Ruggli 流佳選手、戸塚選手、おめでとう!!
3位 戸塚優斗選手3位 戸塚優斗選手 by_Laemmerhirt
イエロービブを獲得した小野光希選手イエロービブを獲得した小野光希選手 by_Ruggli

HPチームにおいてはコーチをはじめ、トレーナー陣、映像スタッフ、サービスマンらが一丸となり選手達のパフォーマンスを後押ししました。

HPS映像サポート佐藤氏と戸塚選手HPS映像サポート佐藤氏と戸塚選手
山本サービスマンのマテリアルサポート山本サービスマンのマテリアルサポート

本大会では全てにおいて素晴らしい運営、大会環境が用意されていて、選手達にとってもモチベーションが上がる大会の1つです。
毎年素晴らしい大会を開催して頂いているLAAX OPEN主催、運営スタッフの皆さんのご尽力に感謝いたします。

以降チームはX GAMES(USA)、MAMMOTH MOUNTAIN(USA)、CALGARY(CAN)と連戦が続きます。
気持ちを切らさず先に繋げる為の成果と成長を得られる様、チーム一丸となってサポートして参ります。

LAAX OPEN / FIS ワールドカップ

男子
  1. 優勝平野 流佳
  2.   3位戸塚 優斗
  3.   8位重野 秀一郎
  4. 11位平野 海祝
  5. 13位山田 琉聖
  6. 19位片山 來夢
女子
  1. 優勝小野 光希
  2.   7位冨田 るき

報告: スノーボード/ハーフパイプチーム ヘッドコーチ 治部じぶ 忠重ただしげ

テクニカルコーチより: 試合報告

LAAXは斜度や形状など世界でも最も高さが出しやすいハーフパイプを誇るリゾートのひとつです。
毎年この場所でのコンテストでは男子選手女子選手ともに高さや難易度が高い見ごたえある滑りを見ることができます。

男子選手においては、高難度なトリックを織り交ぜた構成の上で、すべてのヒットで高さを維持することが高評価の必須条件となりました。
その中で4方向のスピンや独特の回転軸、グラブなど選手のオリジナリティをどれだけ表現できるかが勝負を分けたように感じました。
平野流佳選手・戸塚選手の両名はスイッチバックサイドの高難度トリックから入る難しい構成でそれぞれ表彰台を奪い取る高評価を獲得しました。
スピンの正確さや完成度では群を抜いて光るものがあるので、残りのコンテストでも2人がどんな滑りを見せてくれるのか楽しみです。
平野海祝選手はナイトセッションで魅せた高さと勢いでは圧倒的なものがありました、高難度トリックの完成度も上がってきているので次戦も期待できるのではないでしょうか。片山選手は誰もがかっこいいと思えるトリックをチョイスしてこだわりを貫きました、評価にはつながりにくかったようですが自分の想いを表現した素晴らしいパフォーマンスでした。
Jrチームの重野選手、山田選手両名もトップ選手の中で堂々の戦いぶりでした。重野選手はグラブや完成度を、山田選手は難度を取り入れた構成にそれぞれレベルアップすることができると上位入賞も視野に入ってくるのではないでしょうか。
海外勢も新しいトリックの完成度が上がってきている中で、日本勢としてはボトムの滑走技術の高さを基にした高さのアドバンテージを生かしながら、各個人が自分の個性や強みを構成の中でどのように表現できるかが今後の課題になってくるでしょう。

女子選手においては、高さと完成度が最も重要視される中で、スピン方向や高難度トリックなど、どのようなオリジナリティを構成に取り入れるかが勝負の分かれ目になりました。
小野選手は群を抜いた完成度の高い構成の中に、フロントサイド900のテールグラブという女子では稀なトリックを決め切り見事優勝を果たしました。スイッチフロントサイド方向の高難度トリックも精度が上がってきており、次戦も期待できるのではないでしょうか。

女子表彰台 表彰台のセンターには小野光希選手 WC初優勝女子表彰台 表彰台のセンターには小野光希選手 by_Ruggli ワールドカップ初優勝おめでとう!!

冨田るき選手はフロントサイド900からバックサイド900という難度の高い構成もトライしており、決勝を行うことができなかったことが悔やまれます。今後は高さとグラブ時間の長さを両立できると高評価を得やすいでしょう。
海外勢が高回転やスイッチバックサイドなど高難度のトリックを練習している中で、自分の長所をどう伸ばしながら成長を目指すのか、しっかりと未来を見据えたビジョンを持って残りのワールドカップを戦ってほしいと願っています。

今回の決勝は残念ながら中止になってしまいましたが、整った環境の中で雪上に立ち世界中の選手と切磋琢磨できる事は大変尊いことだと実感しております。皆様のサポートに感謝申し上げます。

サポートスタッフサポートスタッフ

試合報告: スノーボード/ハーフパイプチーム テクニカルコーチ 石崎いしざき たすく

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