競技

2023/02/16

【Report 第9次アルペン(ユース)遠征】アルプチンブラ(ALPECIMBRA FIS CHILDREN CUP)参戦

第9次アルペン(ユース)遠征の概要はこちら

ALPECIMBLA FIS CHILDREN CUP(ITALIA)大会は世界約40ヵ国から選抜されたU14/U16のユースの選手が集う、ユース世代のビックイベントと言える大会です。日本からはU16のカテゴリーで男子選手1名・女子選手2名がエントリーしました。過去にこの大会で活躍した各国の選手は数年後にワールドカップをはじめとする様々なトップカテゴリーの大会で活躍しており、世界を目指すユース世代の選手にとっては世界への登竜門とも言える大会です。

登竜門とも言える大会・海外の大会で経験を積むユースの選手達ご支援を元に、登竜門とも言える大会で経験を積ませていただくユースの選手達

当初の予定では、国別対抗のチームパラレルから参戦予定でしたが、男子選手1名が出発直前の怪我により参戦が叶わず、チーム戦は見送りました。
五十嵐 だん 選手(鶴岡市立朝日中学校)、堺 麻里杏まりあ 選手(富山大学付属中学校)は初めての、森村 日菜ひな 選手(関根学園高校)は2度目の海外レースとなるため海外レースの雰囲気を少しでも多く感じてもらいたいという思いもありましたが、スケジュールに余裕を持って現地での事前トレーニングを行うことができました。

コーチからアドバイスを受けるコーチからアドバイスを受ける
頑張ります!頑張ります!

大会コース人工雪であることに加え、日中も日陰の時間が長いため硬く締まったスピードの出る雪質になっており、前半にS字の斜面変化があるSLコースは4割が急斜面・6割が緩斜面となっています。
GSコースは7割が急斜面・3割が緩斜面であり、コース前半は片斜面、中盤にS字の斜面変化というプロフィールになっています。

女子SL1本目のセットは全体的に基本に忠実なコントロールのしやすいセットになっていたため、警戒する事なく攻める事が出来た選手がタイムを出した。堺選手は後半の急斜面から緩斜面への斜面変化でバランスを崩しゴール前の緩斜面にスピードを繋げることが出来ず14位、森村選手は大きなミスもなく積極的な滑りでスピードを繋げ9位と健闘しました。2本目は急斜面パートの振り幅が大きく、攻めるパートと正確なスキー操作が必要なパートと分かれていたおり、堺選手はコースの変化とセットのリズム変化にしっかり対応してラップタイムを叩き出し、6位まで順位を上げる事ができました。森村日菜選手は全体的に守りの滑りになってしまい13位と順位を落としてしまいましたが、2選手とも15位以内に入ることができました。

男子SL1本目のセットも基本的なセッテイングとなっており、スタートからゴールまでしっかり攻める事ができた選手がタイムを出している印象でした。五十嵐選手は力みが出てしまったのか前半のパートで2回程リズムを崩してしまい1本目は13位。2本目はリズム変化をコースの斜面変化に合わせた正確なライン取りが求められるセットでしたが、五十嵐選手は途中バランスを崩しながらも果敢に攻めて3番タイムの好タイムを記録し6位まで順位を上げる事ができました。しかし合計タイムで1位との差が0.8秒と僅差だった為、細かなミスが悔やまれるところです。

女子GSは1本目2本目共に前半の急斜面が左下がりの片斜面のため、斜面とセット・スピードへの対応が遅れたことで本来の滑りが出来ないまま堺麻里杏選手は2本目途中棄権、森村日菜選手は17位という結果でした。

堺 麻里杏 選手

森村 日菜 選手

男子GSの1本目のセットはリズムが一定で振り幅の少ないスピードセットとなっており、五十嵐選手は積極的な滑りで8位と健闘。2本目も果敢に攻めて合計タイムで7位につけましたが、最終的にコーチの見えない位置での失格と判断されてしまいました。抗議のための証拠映像を時間内に用意することができず、悔しい結果となってしまいました。

五十嵐 暖 選手スタンバイする 五十嵐暖 選手

今回の参戦で感じたことは、U16の世代までは技術面では日本人の方が他国と比べても高いということです。男女共に優勝を狙えるタイムを出し一桁の順位にいる事や過去の日本チームのユース世代の成績を見ても証明されていると思います。しかし日本人選手はヨーロッパの速い雪にテクニックを合わせることに苦戦している印象があります。これは環境の違いもありますが、日本では技術指導が先行してしまい、スピード感覚を養う機会が多くありません。ハイスピードの中で技術を出すためにも、限界スピードを上げることもユース年代から取り組むことが重要であると改めて感じました。

今回クラウドファンディングを通して多くの方々にご支援いただいたおかげで貴重な経験を積むことができました。選手自身も課題を見つけると共に大きな自信にもなったと思います。このような機会を提供していただいたJCOM株式会社様一般社団法人 ジャスト・ラビング・スキー様、そしてご支援いただいた皆様に心より感謝いたします。本当にありがとうございました。
引き続きユース選手の活躍と成長も見守っていただけますと幸いです。応援よろしくお願い致します。

皆さまのご支援を頂きありがとうございます!皆さまのご支援を頂き、ありがとうございました!

報告: アルペンチーム コーチ 岡田 翼
男子コーチ 兼 国内強化コーチ 安食 真治

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